――レコーディングで苦労したことや、歌っていてお気に入りのフレーズをお聞かせください。
佐久間 レコーディングが始まる直前に、スタッフの皆さんとお話ししたのが、この曲のもつ熱量……情熱をどう表現するかということでした。楽曲もですが、歌詞に込められた熱い思いをどう伝えるか、すごく考えました。ウルトラマンシリーズは幅広い年齢層の方が観ていて、その中でこの楽曲も聴いてもらえるということなので、多くの人に届くように言葉の一つ一つに意味をもたせたり、聞き取りやすく歌ったりということを真剣に取り組みました。とくに英語の部分はR・O・Nさんが細かく見てくださって、何度かやりとりしながら作っていきました。
――それでは時間をかけて録っていったのですか?
佐久間 そうですね。何テイクも録りましたし、一つのフレーズだけに時間かけた部分もあって。とくに1サビの最後の「引き金は僕だ」というフレーズには決意を込めたいと思ったので、そこに強さや情熱を感じてもらえるように歌いました。自分としては上手く表現できたと手ごたえを感じているので、その部分はとくに気に入っています。あとは、サビの英語の部分は流れて聴こえないように、一つ一つみんなに伝わるようにと意識しました。個人的に一番好きなのは2Bなんですけど、「自分が何者か~」という歌詞に勇気をもらえたので、自分に言い聞かせるように歌いました。
――サウンドプロデューサーのR・O・Nさんとは、今作で2回目のタッグとなります。R・O・Nさんが手掛ける楽曲の印象は?
佐久間 R・O・Nさんって編曲やメロディの使い方がすごく幅広いのに、楽曲を聴けばすぐにR・O・Nさんが作ってくださった曲だなというのが分かります。今回の『Trigger』でいうと、ウルトラマンらしい情熱を感じられる部分がたくさんある中にダンスミュージックっぽい間奏を入れてくれて、僕がMVやライブで躍ることを想定して作ってくださったんだなと感じて嬉しかったです。
R・O・Nさんは「こう歌ってほしい」とはあまり言わないで、結構自由に歌わせてくださるんです。そこが自分としては “佐久間貴生” を表現できるのが嬉しいですし、R・O・Nさんが信頼してくださっていることも自信につながります。そういう部分も含めてR・O・Nさんのことを尊敬していますし、その方の楽曲を歌えることはとても光栄で嬉しいことだなと思います。
――最後に読者へのメッセージをお願いします。
佐久間 とくに今はコロナ禍で、みんなそれぞれきっといろんな悩みや葛藤に対して向き合っていて、ちょっとへこたれる時とかもあると思うんです。そんな中で自分としては歌で勇気や希望を与えたいという思いが強いので、少しでも背中を押すことができたらと感じています。直接的なことはできないのですが、僕自身この曲の歌詞……「自ら導いて出す答えがある」という部分に力をもらいました。皆さんにも聴いていただいて、少しでも前向きになってもらえたらなと思います。