• 『ゲッターロボ アーク』中島かずきが驚嘆した石川賢の底知れぬ作家性
  • 『ゲッターロボ アーク』中島かずきが驚嘆した石川賢の底知れぬ作家性
2021.07.20

『ゲッターロボ アーク』中島かずきが驚嘆した石川賢の底知れぬ作家性

(C)永井豪・石川賢/ダイナミック企画・真早乙女研究所



――せっかくの機会ですので、『ゲッターロボ』以外でおすすめの石川作品をぜひ教えてください。

中島 個人的に一番好きなのは『虚無戦記MIROKU』ですね。あの時期の絵とストーリーが一番好きなんですよ。あとは『伊賀淫花忍法帳』。あのバカバカしさ、最後のオチがとにかく「すげえな」の一言で。初心者には『魔界転生』(原作:山田風太郎)が一番読みやすいかな。これは本当におススメです! 今入手は難しいかもしれませんけれど、ぜひ頑張って読んでほしいです。

――『アーク』を原作準拠で、しかもTVシリーズでアニメ化するというニュースは、ファンの立場からは驚愕の一言だったんですが、中島さん的にはいかがでしたか。

中島 自分が興した作品がテレビで観られるっていうのは、やはり嬉しいですよね。本当に楽しみにしています。

――具体的にどういうところに期待したいですか。

中島 やっぱりアークやエンペラーが動くところとストーリーのスケール感かな。

――アークの造形って、ゲッターロボを基本にいろいろ進化した要素が入っていて面白いデザインですね。

中島 ええ、何せ牙と爪があるロボットですからね。石川さん、そういうところを気にしないんだ、自分が面白いと思うところにどんどん行くんだな、と驚きました。多分あの人の中で、ゲッター線の進化の先にあるのはこういうのだ、と思っているんですよね。
▲ヒーロー側のロボットに悪魔・野生的なイメージを大胆に投入。

――今までのシリーズを読んでいる読者の中には「ゲッターロボってこういうものだ」っていう既成概念、スタイルみたいなものがあるじゃないですか。なのに石川先生は逆にそういうのが……。

中島 ないんですよ。覚えているのが、石川さんが『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』の1話を観られた時にお会いすることがあって。ニコニコと「面白いんだよ、ゲッタードラゴンがいっぱい出てきて」っておっしゃったんです。その後、自分の作品でもどんどん量産型を出してくるようになりましたから、面白いと思ったものは貪欲に取り入れていくんですよね。
▲『ゲッターロボ アーク』にも量産型ゲッターロボ「ゲッター02」が登場。

――自作のアニメ化作品からアイディアを貰うってすごいですね!

中島 そういうところがすごく自由だし、石川賢という作家のすごいところだと思うんですよね。そうそう、昔石川さんに「自分でリメイクしたいロボット漫画ってありますか」って聞いたことがあるんですよ。そしたら『鉄人28号』(横山光輝)っておっしゃって、そこでゲッターワンの造形がすごく腑に落ちたんですよ。

――……あ!

中島 そう、要するに鉄人と同じで寸胴なんですよ。だからゲッターロボって、横山ロボのニュアンスを、自分で描いたらどうなるかみたいな気分があったのかもしれない。

――今のお話を聞いていてこちらも気が付きましたが、鉄人ってやたらとすぐ壊れるじゃないですか。ゲッターロボの壊れやすさって、そこから来てるのかも!?

中島 かもしれないですね、簡単に腕が落ちたりするから。

――またゲッターって、壊れるとカッコいいんですよね!

中島 そうなんですよ! やっぱりムサシの最期のところ、ボロボロになって自分で腹を引き裂いてゲッター線の動力炉を出すところの絵のカッコよさがもう!

――もはや取材ではなく『ゲッターロボ・サーガ』のファントークになってしまいましたが(笑)、最後に中島さんから、改めてアニメ『ゲッターロボ アーク』への期待の言葉をお願いします。

中島 自分が立ち上げて、結果的に中途半端にしか幕が引けなかったという忸怩たる思いがありますので、今回アニメになることで、『アーク』を物語としてちゃんとまとめた形で観られることを楽しみにしております。スタッフ・キャストの皆さん、本当に頑張ってください!

>>>『ゲッターロボ アーク』キャラ&メカ場面カットを見る(写真12点)

(C)永井豪・石川賢/ダイナミック企画・真早乙女研究所

アニメージュプラス編集部

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