• 小野大輔が〈伝説〉に挑んだ気持ちとは?『NIGHT HEAD 2041』インタビュー
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2021.08.28

小野大輔が〈伝説〉に挑んだ気持ちとは?『NIGHT HEAD 2041』インタビュー

(C)飯田譲治/NIGHT HEAD 2041 製作委員会


演じることで感じた霧原直人の素顔

ーーでは、今回「あの『NIGHT HEAD』に出る」と決まった際のお気持ちはいかがでしたか。

小野 まず、『NIGHT HEAD』がもう一度アニメになる、映像作品として世に出るというのが純粋に嬉しかったです。というのも、僕は以前、『NIGHT HEAD GENESIS』という作品にも参加していまして、まだ仕事をはじめて4〜5年目の駆け出しの頃でした。その時は森川さんと石田彰さんが霧原兄弟を演じていらっしゃいました。『NIGHT HEAD』が90年代から脈々と、視聴者の心にずっと残り続けていたんだなということを、今回のアニメで再認識したんです。『NIGHT HEAD』という作品が持っている訴求力はすさまじいんだなと、まず思いました。さらに言うと、ふたたびアニメになるということはとても嬉しかったです。でも、霧原直人役を任されるとは思いませんでした。この作品を背負わなければならないということで、プレッシャーを感じました。

ーー歴代の直人の印象は強いですからね。

小野 まずはやはり、豊川悦司さんを想起するじゃないですか。あれ以上の霧原兄っているのか? というのはありますよね。その上で僕は幸いなことに森川さんが演じる直人も、共演させていただいたので知っているわけですが……めちゃくちゃ度量が広くて、むちゃくちゃいい声で、僕の中では「完全無欠」に感じられたんです。だからまず、プレッシャーを感じました。フタを開けてみたらまったくそんなことはなかったんですけれども。

——というのは?

小野 直人は弟と二人だけの天涯孤独の身になり、弟だけが心の拠り所で、自分たちの居場所をずっと探している。とても寂しく、精神的には弱いひとりの青年だったんだ、と。それは演じるにあたってあらためて物語に触れ、セリフを発していく中で僕自身、気付いたことでした。

——アフレコで印象的なエピソードなどはありますか。

小野 アフレコは、毎回ではないですが、僕と直也役の島﨑信長くん、そして黒木兄弟の櫻井孝宏さん(タクヤ役)、小野賢章くん(ユウヤ役)の4人で録っていたんですよ。そしてスタジオの構成上、どうしても “3対1” に分かれるんです。大きいスタジオに3人、隣にある小さいブースに1人で、最大4人で一緒に収録する。コロナ禍の影響でそうせざるを得なかったのですが、その時、僕が “1” の側になることが多かったんです。セリフのカブりなど、録りやすさの関係で。で、僕以外の3人が収録の合間に、向こうのスタジオでめちゃめちゃ楽しそうにしゃべっているんです。それが悔しくて(笑)。ヘッドホンから3人の談笑とか聞こえてきて、「楽しそうだな……」みたいな。

ーー孤独を感じていたわけですね(笑)。

小野 だから、時々「どうした、直也……」とか言ってみるんですけど、向こうには聞こえていなかったらしくて無反応で。

同席のスタッフ 島﨑さんと賢章さん、聞こえていたみたいですよ。

小野 聞こえていたの!?

同席のスタッフ お二人で「小野さんは、合間にセリフの練習をしていました」「とても真面目な方です」って、インタビューに答えていました(笑)。

小野 ……練習していたんじゃない、ボケていたんです! かまってほしかったんですよ(笑)!

ーーお兄さんは辛いですね(笑)。では最後に、放送中のストーリーはまもなく終盤に突入しますが、ここまでを振り返っての印象を教えてください。

小野 最初に思っていた以上に、TVドラマ版から変わらない普遍のテーマを観る側に届けようとしているなと思いました。黒木兄弟に代表されるように登場するキャラクターや近未来の世界の設定は、かつての『NIGHT HEAD』とは違います。でも、伝えようとしている想いは変わらないんですよね。双海翔子とか御厨恭二朗など、TVドラマ版のキーパーソンも登場させつつ、今の時代に即した形で、普遍的なテーマを描こうとしている。そこが素晴らしいなと思います。やはり『NIGHT HEAD』は『NIGHT HEAD』なんです。兄弟に代表されるような人と人の絆を描いているし、その先にある人間の可能性をどこまでも追い求めている作品だなと感じています。



小野大輔
おの・だいすけ/5月4日生まれ/高知県出身/フリー/『バクテン!!』(七ヶ浜政宗役)、『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』(古代進役)ほか

(C)飯田譲治/NIGHT HEAD 2041 製作委員会

アニメージュプラス編集部

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