――続いてキャスティングに関してですが、佛田監督がこだわった部分は?佛田 まずは “ラスボスを誰にするか” ですね。最初考えてたご町内ものの時は普通の役者さんで考えていたけれど、ファンタジーに切り替えたらその人じゃ持たないな、と思ったわけ。で、会議の時に俺が「例えば小林幸子さんが巨大メカ幸子に乗ってやって来るとかさ、そういうのだったら俺ノレるんだけど!」なんて勢いで言ったら、酒井君が「じゃあ訊いてみます」って言うからラフな脚本も送ったら、しばらくしてOKの返事が来ちゃって「え、幸子さん出るの!?」って。
▲小林幸子さんが演じる悪の女王フローデワルサ。
――ビックリも何も、自分で蒔いた種じゃないですか!佛田 そうなんだけどさ、だって出演料がどうなるのかもわからないし……。
――そこで社長目線が。佛田 でもそこは純烈と幸子さんの関係性でクリアできたの。幸子さんは純烈をとても可愛がっているから、いろんな面でご快諾頂いて。巨大化して『思い出酒』を歌ってもらえるかどうかも心配だったんだけど、撮影当日におそるおそる聞いたらOKを貰えた。「どのくらいの熱量で演じればいいの?」と聞かれたので「曽我町子さんで」とお願いして。
――その例えが通用するんですか!佛田 幸子さん、曽我さんのことを知っていたから全然大丈夫でした。だから紅白の衣裳を貸していただいた時も「これとこれを組み合わせたら(曽我さんが演じた『電子戦隊デンジマン』『太陽戦隊サンバルカン』の)へドリアン女王みたいになるかな」とか考えて(笑)。
――同じ流れで行くと前川清さんの出演もビックリでした。佛田 うん、「演技は苦手だ」っておっしゃっていたけど、いざ本番になると細かい小ネタを入れてくれたりして。さすがは欽ちゃんファミリー(笑)。
▲御前川清役を演じる前川清さん。
>>>公開記念舞台挨拶の様子、小林幸子さん演じるフローデワルサの巨大化場面を見る(写真15点)(C)2021東映ビデオ