• 両極端なレア作品集 赤塚不二夫86歳の誕生日に“良い赤塚”と“悪い赤塚”を読もう!
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2021.09.14

両極端なレア作品集 赤塚不二夫86歳の誕生日に“良い赤塚”と“悪い赤塚”を読もう!

両極端なレア作品集 赤塚不二夫86歳の誕生日に“良い赤塚”と“悪い赤塚”を読もう! (C)Fujio Akatsuka 2021


そんな 良い赤塚の全く正反対、悪い赤塚を堪能出来るのが、7月になりなれ社から発行された『夜の赤塚不二夫』だ。これまで単行本に未収録だった、もちろん電子書籍にもなっていない大人向けの18作品を集めた作品集で、メインとなるのは『話のチャンネル』というちょっと下品な実話誌で1987年に連載された『花ちゃん寝る』全13話だ。毎晩、客の中から一人を選んでエッチなことをするママが経営するスナックが舞台という、おじさんが大好きそうな艶話で、雑誌の読者層を意識してるのはもちろんなのだが、これが非常に活き活きとしたマンガになっていて笑ってしまう。

ママに群がるおじさんたちのキャラがまた秀逸で、赤塚が楽しんで描いていたのが伺える。なんとおそ松くんたちが客として登場してママとくんずほぐれつするシーンもあるので、もう何でもありだ。実はこの作品が描かれた時期は赤塚のキャリアにおいて重要な意味があって、そのあたり解説に詳しいのでご一読いただきたい。

解説は単行本冒頭に収録されているが、出来れば収録マンガを一通り目を通してから読まれるのをおススメする。そうするときっとすぐもう一回読み直したくなるに違いないだろう。

その他にも、得意な過激で尖ったギャグはもちろん、風刺モノ、パチンコもの、ほのぼの系の大人向け、おなじみのウナギイヌやニャロメが登場するスピンアウト、そして生涯最後の読切短編などなど、非常にバラエティに富んでいて飽きない作品集だ。何にも縛られない、囚われない、遠慮がない赤塚の自由を堪能してもらいたい。

『夜の赤塚不二夫』(なりなれ社)

https://www.koredeiinoda.net/fujiopro-topic/?p=5944

アニメージュプラス編集部

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