ママに群がるおじさんたちのキャラがまた秀逸で、赤塚が楽しんで描いていたのが伺える。なんとおそ松くんたちが客として登場してママとくんずほぐれつするシーンもあるので、もう何でもありだ。実はこの作品が描かれた時期は赤塚のキャリアにおいて重要な意味があって、そのあたり解説に詳しいのでご一読いただきたい。
解説は単行本冒頭に収録されているが、出来れば収録マンガを一通り目を通してから読まれるのをおススメする。そうするときっとすぐもう一回読み直したくなるに違いないだろう。
その他にも、得意な過激で尖ったギャグはもちろん、風刺モノ、パチンコもの、ほのぼの系の大人向け、おなじみのウナギイヌやニャロメが登場するスピンアウト、そして生涯最後の読切短編などなど、非常にバラエティに富んでいて飽きない作品集だ。何にも縛られない、囚われない、遠慮がない赤塚の自由を堪能してもらいたい。
■『夜の赤塚不二夫』(なりなれ社)
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アニメージュプラス編集部