• ルパンファミリーの本音を語る!栗田貫一&山寺宏一インタビュー【ルパン三世PART6】
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2021.10.24

ルパンファミリーの本音を語る!栗田貫一&山寺宏一インタビュー【ルパン三世PART6】

原作:モンキー・パンチ (C)TMS・NTV


——ファンにとっても山田さんのルパンは確かに強烈に印象に残っていますが、今のルパンはやっぱり栗田さんです。

栗田 でも、僕が本当に「自分のルパン」を作り始めたのは山ちゃんたちが入ってからだから。「山ちゃんの銭形はこれでいいんだ」とか、「沢城みゆきの不二子はこれなんだ」とか、そういうことを感じているうちに、自ずとルパンも「山田さんのルパンのままじゃなくてもいいんだ」っていう感情が少し芽生えてきた。山田さんが作っていたルパン、あの軽妙なルパンがどっかに感じられてさえいれば、もう少し自分なりのルパンを作ってもいいなって。

山寺 僕も、銭形を納谷さんから引き継がせていただいて10年ですけど、たまにふと同じようなことを思うことはあります。栗田さんがよく、「そんなに無理しなくても、山ちゃんがすーっと芝居やったのでいいんだから」って言ってくださるんですよ。

栗田 山ちゃんは、正義感の強い銭形を作っていっちゃうからね。納谷さんがやっていた頃って、銭形はちょっとルーズで。タバコ臭いっていうか、酒のんで酔っ払ってるようなイメージの銭形を、納谷さんは作ったから。でも山ちゃんが、正義感が強いイメージの銭形で「待てぇルパン!」ってやればやるほど、描く方もどんどん真面目な銭形になる。山ちゃんがああいう風にやればやるほど、絵がああいう風になっていっちゃうんだよね(笑)。だから、そんなに真剣にばっかりならなくてもいいんじゃないの、とっつぁんだからって。

山寺 不思議ですけれど、どのキャラクターもコミカルシリアスと、いろいろな面を持っているから。その最たるものがルパンでしょうけれど。そんな各々の多彩な顔の中から、今回はどこをアピールするかっていう意図が、スタッフの中でもあると思うんですよ。今回の『PART6』ではコミカルさがちょっと抑えめですけど、その中でふとコミカルな顔を見せる、そこを汲み取って演じないといけないって思いますね。栗田さんは今までいろいろなルパンを演じてこられて、「このシーンはこちらのパターンで」ってすっと演じていらっしゃる。銭形もそういう風にやっていきたいなって思います。でも銭形は、なかなかそのギアの切り替えが、他の役をやる時みたいにできないんですよ。そういう切り替えは得意って自分では思ってたんですが、銭形はなかなかギアがぐいっと入らないんですよね、なぜか。

栗田 なるほどね。それはやっぱり、納谷さんの存在っていうのがあるんだろうね。

山寺 そうなんです。納谷さんのコメディもいっぱい見てきたから……やっぱり難しいですね。そういう葛藤もあります。

栗田 山田さんも納谷さんも、西部劇とか洋画の吹き替えとかずっとやられてきて。それで『ルパン三世』でチームを組んで、『PART2』が始まって安定的に視聴率がとれるようになってきて、そこからチームワークができてきたんだと思うんだよね。多分、最初からできていたわけじゃない。

山寺 少しずつ作ってきたと。

栗田 少しずつ練って、練って、『PART2』の軽いルパンが出てきて。とっつぁんがそれを追いかける可愛いおじさんになってきて。その時、役者さん同士は、そんなにナアナアじゃなかったと思うんだよ。毎週、毎週、収録が終わった後なんだかんだしゃべって……よく新宿のバーやスナックで飲んでいたっていう話は聞いたけど。収録の時間よりも、飲んでしゃべってる時間のほうが長かったんだって。それで、どんどんいい作品に変わったんじゃないかな。だから我々もこうして10年一緒にいて、だんだんひとつのファミリーになってるんじゃないかなって思うんだよね。そこに、このたび大塚明夫が入ってきた。つまり、この『ルパン三世PART6』からまた新しいファミリーがスタートする。心から僕は、楽しみでしょうがないですね。

山寺 そういう意味でも、早くコロナが治まって一杯飲みに行けるようになったらいいなっていう話ですよね。

栗田 そう、オチはね、飲みにいきたいなっていう話(笑)。

——我々としても、このシリーズを通してみなさんがどんなファミリーになっていくのか、楽しみにしています。最後に、『PART6』の今後に期待しているファンにメッセージをお願いします。

山寺 こんなにたくさんシリーズが作られて、そこに参加させてもらえるなんて思ってなかったので、非常に嬉しいです。ぜひ多くのみなさんに観ていただきたい、今の『ルパン三世』をお届けできると思います。話も面白いですし、登場人物も魅力的です。ぜひお楽しみに。

栗田 お話がミステリアスに進みながらも、ルパン対シャーロック・ホームズだったり、シャーロック・ホームズが解決していく事件があったり、いろいろなものがなんとも言えない絶妙なバランスで進んでいく。その間に単発のエピソードが挟まれて、その脚本を書いている皆さんがまたすごい人で。すごく美味しい御馳走だと思うので、ぜひ見逃さずに、たっぷり楽しんでいただければと思います。

アニメージュプラス編集部

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