• 『86―エイティシックス―』に流れる子守唄をリーガルリリーに聞く
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2021.11.13

『86―エイティシックス―』に流れる子守唄をリーガルリリーに聞く

リーガルリリー:左から、ゆきやま(Dr.)、たかはしほのか(Vo.Gt.)、海(Ba.)


――リーガルリリーの皆さんは、もともとアニメはお好きですか。
たかはし 押切蓮介さん原作のアニメ『ハイスコアガール』が、すごく好きで、よく見ていました。言葉のチョイスとか、些細なセリフが好きですね。絵もすごく好きです。

ゆきやま そうだな……、冒険系のアニメが好きなので、小学生の頃は『NARUTO』とか『ドラゴンボール』とかのCDを買って聴いてました。

たかはし カラオケで歌ってたよね。

ゆきやま 歌ってた(笑)。

 私は、いろいろなアニメを幅広くっていう感じなんですけれど、音楽系とか芸術系のスポ根みたいな『のだめカンタービレ』(たかはし:あぁ~、好き!)や『ピアノの森』とか『ブルーピリオド』とか、そういうガッツで頑張る系も好きですし。『86―エイティシックス―』とか『進撃の巨人』(ゆきやま:あ、『進撃の巨人』を忘れてた)とか、敵と戦ってるのに結局身内の怖さを思い知らされるような作品とか、国や政府が絡んでくるみたいな、そういった考察ができるようなアニメが好きなので、今回の『86―エイティシックス―』も毎週楽しく観ています。

たかはしゆきやま 私たちも好きです。

――収録曲『チェインスモーク』は、皆さんにとってどのような曲ですか?
たかはし コロナ禍で家の中にしかいられなかった気持ちを外に出すために歌にした曲なので、感情がそのまま口に出てしまったような曲です。サビに「だれにもあいたくない」って歌詞があるんですが、普段は、頭にポンと出てきた感じを言葉にする前に一度考えてから曲にするんですけれど、この曲は頭に出てきたものを、そのまま感情として吐き出そうと思って歌った曲です。

ゆきやま 最初に作ったときは意外とうまく作りきれなかったんですよ。それで『アルケミラ』のシングルに入れようと決めてから作り直すことになり、方向性として「怒りとか爆発感」を出していこうってなったら、急にまとまった曲なんです。だから鬱憤を晴らすっていうか、私も演奏しながら「だれにもあいたくない」って思いながら演奏していました。

たかはし 会いながら演奏してるのに(笑)。

ゆきやま 愚痴を言ってると気持ちがいいじゃないですか。そういう気持ちで演奏できる、すごく気持ちのいい曲だなって思っています。

 半年以上経ってから作り直した曲なんですが、最初に聴いたときの印象とは全く違ってます。はじめは曲作りに苦労しすぎて、歌詞が何も入ってこなかったんですよ。

たかはし そうだ。構成とかを考えすぎて……。

 落ち着いて、再度向き合ってみると、歌詞がすごく入ってくるようになったというか。歌詞をしっかり見ていくと、やりきれないような、自分にムカつきながら、他人にムカつきながら生きていく感じがして、でも、主人公はその気持ちを表に出せないから、自分の内に抱えていくのかなって思いました。この曲が『アルケミラ』と同じCDに入るっていうのが、すごくいいなって思って、選んだ甲斐があったと思います。

たかはし 『アルケミラ』のときに話した眠れない理由みたいなものが『チェインスモーク』だったりするかもしれないです。

ゆきやま 『アルケミラ』とセットで作ったから、ちゃんと完成した気もする。

たかはし そうだね。『アルケミラ』と同じようなバンドサウンドの作り方で『チェインスモーク』も流れでできたような気がします。スタジオでバンっと合わせて「格好いいね」っていう。バンドのあり方なんじゃないかなと思いました。

――『ばらの花』(くるりcover)をカバーすることになった経緯や理由があれば教えてください。アルケミラ・モリスがバラ科の花という理由は関係していますか?
たかはし そういう関係性は大切にしました。そのことに気づいてくれて嬉しいです。『くるり』を初めて知ったのが、テレビで「ばらの花」を特集している番組で、その番組で知った曲が、シングルに入れられたら素敵だなと思ったのもあります。

ゆきやま 今年はカバー曲にも取り組んでいたので、「じゃあ、今回もカバーをやろうか」ってなったときに、いくつかバンドの候補が出たんですよ。それで『くるり』だったら何をやろうかって話になったときに『ばらの花』の名前があがって、ほのかが一番好きな曲だから確かにいいなって思いました。他にも候補があったんですが、『アルケミラ』は花の名前だし、『ばらの花』もお花でいいんじゃないかって。

 私も『ばらの花』は本当に好き過ぎて、自分たちで、どうカバーしようかと話をしたときに「自分の好きなところをちゃんと残す」ということをテーマの一番軸に置きました。カバーって何かやりたくなっちゃうんですよね。すごく装飾したくなっちゃうんですが、そういうことはせずに、真っ直ぐカバーをした曲なので、純粋にすごく好きな曲になりました。

櫻井靖之

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