• 鈴村健一が約7年半ぶりのアルバムに込めた「いつか訪れる明るい未来」
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2021.11.24

鈴村健一が約7年半ぶりのアルバムに込めた「いつか訪れる明るい未来」

4thフルアルバム『ぶらいと』をリリースした鈴村健一さん

声優やアーティストとしてだけでなく、マルチに活躍を続ける鈴村健一さんが約7年半ぶりにファン待望の4thフルアルバム『ぶらいと』をリリース!
ドラマチックに彩られた全13曲に加えて、津田健次郎さんがメガホンをとったMVなど、聴きどころ見どころが満載のアルバムについて語ってもらいました。

【Voice Feature:16 鈴村健一】

──フルアルバムのリリースは約7年半ぶりですね。

鈴村 そうなんですよ。でも間にシングルやミニアルバムは出していましたので、僕としてはあまり久しぶりという感じはなかったりします。じつは「そろそろ順番的にフルアルバムを作るタイミングだよね」ということで、2年ぐらい前に制作自体は始まっていたんです。
でもちょうど僕の生活が急激に変化する時期でもあったりして、音楽活動のペースを掴むのが難しくなって。どうしようかとスタッフさんに相談したところ、ありがたいことに「のんびり作っていいですよ」と言ってくれたんです。そこから少しずつ作っていって、2年越しで完成したのがこのアルバムとなります。

──今回のアルバムのテーマやコンセプト、またはキーワードとなったものはありますか?

鈴村 アルバムのリード曲となっている『くものいと』を聴いた時に、地面を這いずるようにして、はるか空の彼方にある光の糸に向かって手を伸ばしている人のイメージが僕の中に浮かんだんです。そのビジュアルを歌詞にしたこの曲が、アルバムの一つの軸となりました。

制作当時はコロナ禍ということもあって、重苦しい状況の真っ只中で……僕としても「人生って本当に何が起こるか分からない物語のようなものだな」って改めて思うようになっていたんですね。だけど、いつか振り返った時に「大変だったね」って笑顔で語り合えるようになれば……そう信じて僕たちは前に進むしかないし、そんな未来への決断をするのは自分なんだよということをコンセプトとして詰めていった感じです。

──タイトル『ぶらいと』に込めた意味や思いをお聞かせください。

鈴村 アルバムのコンセプトにもあるように「今は大変だけど笑って明るく話せる、そういう未来が来るよ」というポジティブな意味を込めたくて、英語で「輝く」とか「明るい」という意味の「bright」から、『ぶらいと』というタイトルを付けさせてもらいました。
「意図」や「糸」といった意味もかけたいなと思って、ひらがなにしています。自分としてもお気に入りのタイトルになりました。

──収録されている新曲についてお聞かせください。まずインスト『いとの予感』から始まります。

鈴村 物語が幕を開けますよというのが分かるように、『くものいと』をドラマチックに編曲したインストを頭に入れさせてもらいました。リード曲の『くものいと』のパンチが強すぎて、他の曲と並べた時に浮いちゃいそうな気がしたんです。だったら逆に、この曲を主軸にアルバム全体を一つの物語になるように構成しようと考えて作った曲です。

──楽曲の1曲目は、印象的なコーラスから幕を開ける『開け!』です。

鈴村 これは1曲目にしようと初めから決めていました。じつは今回、一番最初に作った曲が『開け!』と『先へ』でして、この2曲は津田健次郎さんに監督をやっていただいた『AD-LIVE』の映画『ドキュメンターテイメント AD-LIVE』主題歌『たのしいのうた』から、僕が歌詞を書いた部分を引っ張って作った曲なんです。なので「あれ? この楽曲知ってるぞ」って思う人も多いと思います。叙情的なインストから、劇的にドンッて開ける感じがすごく面白い曲になりました。

──続いて『くものいと』ですが、レコーディングなどはいかがでしたか?

鈴村 「どっしりとした、ドラマチックな音楽をやりませんか」とスタッフさんからご提案いただいて生まれた曲です。歌入れはすごく楽しかったですね。自分の中で確立された世界観やイメージがしっかりとあったので、とても歌いやすかったです。
この楽曲については、今しか書けないし今しか歌えなかったと感じています。いつもは普遍的な歌詞を書くように心がけているのですが、この曲に関しては、何年後かに聴いて「大変だったな、日本」って思い出してもらえるような、そんな歌になったかなと思います。

アニメージュプラス編集部

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