• 宮崎駿が語った大いなる〈転換点〉『紅の豚』【金曜ロードショー】
  • 宮崎駿が語った大いなる〈転換点〉『紅の豚』【金曜ロードショー】
2022.01.14

宮崎駿が語った大いなる〈転換点〉『紅の豚』【金曜ロードショー】

(C) 1992 Studio Ghibli・NN

1月14日(金)の21時より日本テレビ系にて、宮崎駿監督のスタジオジブリ作品『紅の豚』が放送される。

宮崎監督が『月刊モデルグラフィックス』(大日本絵画)で連載していた『宮崎駿の雑草ノート』のエピソード「飛行艇時代」を原作とした1992年公開の長編アニメーション映画で、舞台は世界大恐慌時代のイタリア・アドリア海。
主人公は、紅の飛行艇を駆って空賊退治を請け負う賞金稼ぎのポルコ・ロッソ。
かつては空軍のエースパイロットだったが、軍隊に嫌気がさして自らに魔法をかけ、豚の姿になったという男だ。
そんなポルコに業を煮やした空賊連合は、アメリカ人パイロットのカーチスを雇う。
勝つのはポルコかカーチスか?
凄腕飛行艇乗り同士の、誇りを賭けた決闘がはじまる!

宮崎監督は制作中からポルコについて「全部ぼくの一部」と語り、『紅の豚』を「中年のための映画」と公言していた。
年齢相応の抑制や諦観も漂わせつつ、胸の奥の誇りや熱気はまだ消えていないーーそんなポルコの、酸いも甘いも噛み分けた中年の男のブレない姿が、公開当時のキャッチコピー「カッコイイとは、こういうことさ。」を体現する。
また、ポルコと昔なじみのマダム・ジーナとの関係、若い整備士・フィオナとの甘酸っぱい距離感などからも、どこか大人の香りがする。
少年・少女や若者たちが主人公となることが多いジブリ作品の中では、異色の1本と言えるだろう。
もちろん、飛行艇によって繰り広げられる空中戦のスピード感・浮遊感はジブリアニメ特有の快感を与えてくれるし、ポルコと空賊たちが張り合う様子は大人同士だからこそのやんちゃさで楽しませてくれる。
華やかな飛行艇アクションとシブい大人のドラマの組み合わせから醸し出される濃厚な味わいこそが、『紅の豚』の魅力だ。


(C) 1992 Studio Ghibli・NN

アニメージュプラス編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事