• 『機動戦士ガンダム00』が照らし続ける「終わらない戦いの連鎖」
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2022.01.20

『機動戦士ガンダム00』が照らし続ける「終わらない戦いの連鎖」

(C)創通・サンライズ

水島精二監督が手掛けた、ガンダムのテレビシリーズ第12作目にあたる『機動戦士ガンダム00』。2007年10月から放送された2シーズン全50話を新規アフレコと新作カットを加えて3部作として再構成した特別編集版『機動戦士ガンダム00 スペシャルエディション』がBS12トゥエルビ『日曜アニメ劇場』にて放送中。1月23日にはシーズン2後半を描く完結編『機動戦士ガンダム00 スペシャルエディションIII リターン・ザ・ワールド』が放送される。

西暦2307年、人類は枯渇した化石燃料に代わる新たなエネルギーとして、巨大な軌道エレベーターを駆使した太陽光発電システムを利用していた。しかし軌道エレベーターを運用するには大きな国力が必要であり、その恩恵に預かるのは「AEU」、「ユニオン」、「人類革新同盟」の世界三大国家群のみであった。三大国家群は牽制のための軍備開発競争をくり返す冷戦状態が続き、いずれにも属さない小国は貧困にさらされ紛争や内戦が絶えない状態となっていた。
そんな状況の中、突如として謎の私設武装組織「ソレスタルビーイング」が現れる。彼らは莫大なエネルギーを生み出す「太陽炉=GNドライヴ」を内蔵したモビルスーツ「ガンダム」を駆使して戦争や内乱をはじめとしたあらゆる紛争に介入、戦争根絶を目指した「平和のための武力行使」を開始する。

これまでのガンダム作品は、テクノロジーの発展によって生活圏が宇宙に移り、新たに到来する時代に合わせて改暦されたという歴史を背景に、「宇宙世紀」「コズミック・イラ」などの新たな暦を用いた世界観が構築されていった。
しかし、『ガンダム00』は、ガンダムシリーズとしては初めて舞台を「西暦」に設定、劇中の国家関係、エネルギー問題など我々の現実の延長として捉えることができる世界背景が用意されている。ガンダムシリーズに欠かせない戦争状況も、小国の紛争に巨大国家がそれぞれの思惑によって軍を派遣し代理戦争を行うという、現在の世界情勢をトレースしたものとなっている。つまり本作は、より現実的かつ現代的な「戦争が無くならない世界」を背景にガンダムの物語を描くという野心的な試みがなされているのだ。

(C)創通・サンライズ

アニメージュプラス編集部

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