• 小栗旬も出演『鋼の錬金術師』のもうひとつの結末——『シャンバラを征く者』
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2022.03.05

小栗旬も出演『鋼の錬金術師』のもうひとつの結末——『シャンバラを征く者』

(C)荒川弘・HAGAREN THE MOVIE

実写映画完結編の公開が発表され話題の『鋼の錬金術師』。
そのアニメ劇場版2作品が、BS12トゥエルビ『日曜アニメ劇場』にて、2週連続放送される。

3月6日(日)19:00からは、水島精二監督『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征(ゆ)く者』。
3月13日(日)19:00からは、村田和也監督『鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』。
原作の世界観やキャラクターをベースにしながら独自のストーリーを描き出し、それぞれに劇場版として異なる見どころを持つ必見の作品だ。
この記事ではまず、3月6日放送の『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』について紹介しよう。

『鋼の錬金術師』は荒川弘が2001〜2010年に『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス刊)で連載したダークファンタジーコミックス。錬金術が存在する架空の世界で、失ったものを取り戻すために旅を続ける、エドワード(エド)とアルフォンス(アル)のエルリック兄弟を描いた物語だ。
これまで、2度にわたりTVアニメ化されているが、そのうちの1回目、2003〜2004年に放送されたシリーズを監督したのが水島精二で、『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征(ゆ)く者』はこの水島版TVシリーズの続編にして完結編となっている。

水島監督のTVシリーズが制作・放送されたのは、原作ではまだ物語の序盤〜中盤冒頭(原作全26巻のうち第7巻頃まで)しか描かれていない時期。
それゆえシリーズ前半はエピソードの入れ替えやオリジナル要素も挟みつつ、ほぼ原作通りに進行するが、シリーズ後半は完全にアニメオリジナルのストーリーとなる。
作品の世界観やキャラクターを基調としつつ、その後の原作の物語展開には抵触せず、キャラクターもその時点での原作でのイメージ(成長、変化など)の範囲で、まったく別の物語が語られる。

そんな難題に応えたアニメオリジナルのストーリーは多くのファンの心を捉え、放送時に大きなブームを巻き起こした。
天才・荒川弘がその後に完結させた『鋼の錬金術師』の物語とは、やや異なるテイストを持つアニメ版。
ストーリーエディター(放送時の肩書き)を務めた會川昇が水島監督とともにそこで紡ぎ出したのは、キャラクターたちの心情に深く分け入ったエモーショナルな物語だった。
見事なハッピーエンドを迎えた原作に比べるとやや悲劇性が強くほろ苦いが、しかし骨太で力強いそのドラマを、“ありえたかもしれないもうひとつの『鋼の錬金術師』” として今でも愛し続けているファンは多い。

そして『シャンバラを征く者』は2005年に、TVシリーズの人気を背景に制作された “その後” の物語だ。
▲主人公のエドワード・エルリック、通称エド。

(C)荒川弘・HAGAREN THE MOVIE

アニメージュプラス編集部

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