• ガンダムの懐かしい雰囲気を目指した『ククルス・ドアンの島』の美術
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2022.06.16

ガンダムの懐かしい雰囲気を目指した『ククルス・ドアンの島』の美術

(C)創通・サンライズ

現在劇場公開中の『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』は、ガンダムシリーズの原点であるテレビアニメ『機動戦士ガンダム』、そのシリーズ中でも異彩を放つ第15話『ククルス・ドアンの島』を完全映画化。TVアニメ『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイン、アニメーションディレクターであり、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』を手掛けた安彦良和さんが監督を務めたことも、大きな話題を呼んでいる。

イム ガヒ副監督に続くスタッフインタビュー企画第2弾は、美術監督を務めた金子雄司さん。前編となる今回は、憧れのガンダム&安彦監督の現場に携わることになった喜び、また作業を進めるに当たっての方向性はいかなるものだったか、お話を伺った(全2回)。

――本作にはどのような経緯で参加することになったのでしょうか?

金子 お仕事を通して、OVA『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のプロデューサーを務めた谷口理さんと知り合って、本作の副監督をやられているイム ガヒさんも参加された『ガンダムvs ハローキティ』に参加しました。その流れで、谷口さんから「安彦さんが『ククルス・ドアンの島』をやりたいと言っているけど、興味ある?」と声をかけてもらったのがきっかけですね。イムさんも、その仕事でご一緒した時に上手な方だと思っていたので、安心して現場に入った感じです。

――やはり『ガンダム』は憧れの作品でしたか。

金子 はい、アニメを仕事にしたいと思ったきっかけが『ガンダム』だったので。『ガンダム vs ハローキティ』の仕事が来た時「ついにガンダムの仕事ができる!」と。ちなみに、僕がガンダム関係の仕事で最初に描いた背景は、「キティちゃんの家」なんです(笑)。そういうガンダム作品のキャリアのスタートの仕方はなかなかないし、それも僕っぽいなと思っています。

――ちなみに、どのような形でガンダム作品に触れられてきたのでしょうか。

金子 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の公開が小学校2年生くらいで、『SDガンダム』から作品を知っていったという世代なんです。当時、『コミックボンボン』などで『SDガンダム』の特集があると喜んで読んでいました。
高学年になるとリアルな頭身のガンプラを買ってもらったり、当時テレビ東京でやっていたシリーズの再放送を観ているうちに、ガンダムの深い沼にハマっていきました(笑)。
――ということは、やはりガンダム作品には相当思い入れがあるということですね。

金子 はい。僕自身、美術監督としては若手の部類に入るのですが、ここまで思い入れが深い作品に仕事で触れるというのも初めてで。このお仕事を引き受けたのも「安彦さんが描いたレイアウトの実物が見たい」という下心が強かったからです。だから、実際に安彦さんの原画がこちらに来るとテンションが上がりました(笑)。

その一方で、それこそ超新人の俳優がレジェンド俳優といきなり共演させられているような気持ちにもなってしまって……自分の思いが重すぎて、なかなか筆が進まないという苦労もありました。

(C)創通・サンライズ

アニメージュプラス編集部

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