• 越智一裕の宇宙刑事愛が炸裂!『学園特捜ヒカルオン』がBlu-rayで復活
  • 越智一裕の宇宙刑事愛が炸裂!『学園特捜ヒカルオン』がBlu-rayで復活
2022.06.30

越智一裕の宇宙刑事愛が炸裂!『学園特捜ヒカルオン』がBlu-rayで復活

(C)AICライツ/C.MOON

80 年代OVAの幻の名作『学園特捜ヒカルオン』が、10月12日(水)東映ビデオから待望のBlu-ray化が決定。アニメーター越智一裕の若き情熱によって生み出された、異色のヒーローアニメの魅力に迫ってみよう。

本作は1987年にエモーション(現・バンダイナムコフィルムワークス)の「C.MOON」レーベルから発売された、A・I・C制作のOVA(オリジナルビデオアニメ)だ。金田伊功の流れをくむメカ&アクション描写で人気を博したアニメーター・越智一裕が初監督を務め、越智はさらに原作・脚本・絵コンテ・キャラクターデザイン・作画監督・主題歌作詞などを手掛けるなど、その才能のすべてを本作に注ぎ込んだ。

本作は東映製作の特撮テレビ作品『宇宙刑事』シリーズに多大なる影響を受けている。『宇宙刑事ギャバン』(1982~83年)、『宇宙刑事シャリバン』(1983~84年)、『宇宙刑事シャイダー』(1984~85年)と続いたシリーズ3作は、メタリックかつクールな印象をアピールしたコンバットスーツ、多彩な武器やメカニック、ナレーションをまじえた変身プロセスの説明、ビデオ合成を大胆に取り入れた異次元でのバトルアクションなど、これまでの特撮ヒーローのイメージを大胆に変えた作風が大きな話題を呼んだ。

『宇宙刑事』シリーズ、中でもシリーズ2作目の『シャリバン』に夢中になった越智は、雑誌連載の漫画「ひらきなおってマイ・ヒーロー」に宇宙刑事をモチーフとしたキャラクター「宇宙戦士ギャリバン」を登場させ、遂にはそのスーツを自作するにまで至った。メタルヒーローを自分の手で動かしたい、そんな思いがアニメ作品として結実したのが『ヒカルオン』なのだ。

ストーリー自体はいたってシンプルだが、本作に込められた『宇宙刑事』シリーズへのオマージュとリスペクトの熱量は、OP映像を観れば一目瞭然だ。夜の新宿副都心をイメージした背景に立つヒカルオンの勇姿ほか、完コピかと思わせるほどシリーズのツボを押さえた仕上がりに驚かされる。「オープニングプレゼンター」のクレジットで、金田伊功も作画に参加しているところも要注目だ。
音楽は『宇宙刑事』シリーズを手がけ、先日惜しくも逝去の報が届けられた渡辺宙明が、さらに主題歌歌唱を串田アキラ・金子久美が担当しており、『宇宙刑事』シリーズそのままと言っていいクオリティで迫ってくる。

特撮ヒーローとアニメのクロスオーバーを成し遂げた80年代アニメの挑戦作『学園特捜ヒカルオン』、その価値は今回のソフト化をきっかけにして、また新たに再発見されていくことだろう。

>>>東映円盤堂の予約購入特典「設定資料集」表紙を見る(写真2点)

(C)AICライツ/C.MOON

アニメージュプラス編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事