• 『雨を告げる漂流団地』監督が作品に込めた「これまでの仕事の総決算」
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2022.09.14

『雨を告げる漂流団地』監督が作品に込めた「これまでの仕事の総決算」

(C)コロリド・ツインエンジンパートナーズ

9月16日(金)からNetflix全世界独占配信&日本全国ロードショーされる、スタジオコロリドの長編アニメーション映画第3弾『雨を告げる漂流団地』。小学6年生の幼馴染である熊谷航祐と兎内夏芽、そしてその仲間たちが入り込んだ取り壊し前の団地が大海原を漂流するという、ひと夏の別れの物語が描かれていく。

奇想とリアリティが入り混じった異色のファンタジーを見事に成立させたのは、同スタジオで『ペンギン・ハイウェイ』(2018)を手がけた石田祐康監督。今回初となる完全オリジナル作品はいかにして生み出されたのか、本編完成直後のインタビューをお届けしよう。
▲初のオリジナル長編作品を手がけた石田祐康監督

――本作は初めてのオリジナル長編となりますが、現在どんな手応えを感じておられますか。

石田 正直なところを言うと完パケしたばかりで、まだ冷静には捉えられないです。でも強いて言えば、作業の最後に通しで観た時、映像的なところは『ペンギン・ハイウェイ』の時よりもひとつ手応えはありましたかね。自分自身の技術の向上、会社の体制も含めて、前よりももう少し持ち上げられたか……と思います。

ただオリジナルだからこそ問われる内容に関しては、まだ分からないですね(苦笑)。技術は自分でもまだまだと思いますが、自分なりに、時間をじっくりかけて気持ちを込めて取り組んだという感じです。
それこそ『ペンギン・ハイウェイ』公開の翌年(2019年)から始めた企画で、団地が漂流するというネタは早くに決まったんですが、そこからの物語――航祐と夏芽の存在をどう描いていくか、という点に関しては、自分も周りも初めて尽くしな上にコロナ禍もありましたので、いろんな不安の中で作りましたから。

――では、観客の反応が楽しみであり、不安でもあるという感じですね。

石田 そうですね、まさに手応え半分不安半分です。

――今回の企画は、どういう形で決まっていったのですか。

石田 山本幸治プロデューサーからはかなり前から「オリジナル作品をやろう」と言われていたんですが、『ペンギン・ハイウェイ』の時はまだ早かったですし、自分が原作に惚れ込んでいたので、それを進めたわけです。

で、今回もオリジナルという話になりまして、ツインエンジンに持ち込まれた企画を提示されたりしたんですが、何か僕からも出さなきゃいけなくなった時にふと思いついて描いたのが海上を団地が漂流している絵だったんですね。そのイメージボードを提出したら、「これ、何かありそうだからこのまま進めたらいいんじゃ?」と言われて……決まりました(笑)。そこから登場人物やストーリーを決めていきました。

(C)コロリド・ツインエンジンパートナーズ

アニメージュプラス編集部

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