• 新浜レオン『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』OP主題歌の魅力を語る
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2022.10.21

新浜レオン『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』OP主題歌の魅力を語る

新浜レオン『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』OP主題歌の魅力を語る

『名探偵コナン』のスピンオフとして話題のアニメ『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』のOP主題歌「捕まえて、今夜。」を、演歌/歌謡曲歌手の新浜レオンが担当。OP映像では、犯沢が毛利蘭や灰原哀らと踊る映像が何ともユニーク。『名探偵コナン』の世界をシュールな笑いで俯瞰したアニメ『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』、歌謡曲のラブソングをある種パロディしたOP主題歌「捕まえて、今夜。」について、新浜レオンに語ってもらった。後半は、楽曲に込められた試行錯誤について語ってもらった。(後編/全2回)

【関連記事】【前編】新浜レオンが語る『名探偵コナン』『犯沢さん』にまつわるエピソード

■キラキラ感を抑えて『犯沢さん』感を出せるように意識

――『犯人の犯沢さん』OP主題歌「捕まえて、今夜。」についてですが、メランコリックでアップテンポの歌謡曲で、どこか沢田研二さんのダンディでメランコリックな雰囲気を感じました。

新浜:僕の憧れの歌手は、西城秀樹さん、野口五郎さん、郷ひろみさんの新御三家で、特に西城さんの70年代の曲が好きなんですね。でも当時、西城さんが出ていらした音楽番組の映像を観ると、よく沢田研二さんがご一緒されていて。その憧れの時代に、僕自身も入り込むことができたような気持ちになれたのが、最初に聴いた時の印象です。

――今回の曲は、新浜さんの歌声のトーンがいつも以上に暗めな印象で、そこはあえて犯人っぽさを出したのですか?

新浜:ありがとうございます。そこは、すごく意識した部分でした。実は候補曲がいくつかあって、アニメ側の方に曲と歌詞を全部渡した上で、この「捕まえて、今夜。」に決めていただいきました。そういう過程を経る制作は、アニメの世界では当たり前なのですが、僕にとっては初体験だったので面白かったです。

歌い方に関しても、『犯沢さん』を大好きなファンの皆さんに、歌声からもストーリーを想像していただけるようにと意識しました。ミステリアスさがあって、でも憎めない可愛らしさがあってといった、『犯沢さん』の要素を上手く表現するためには、どういう歌声やリズムがいいのか。作品へのリスペクトと思いを込めて、歌わせていただきました。

――『犯沢さん』を主軸に捉えることで、歌声も自然と変わったわけですね。

新浜:はい。今までの曲は、希望感がすごく強くて、キラキラと輝いているんですね。それは僕自身の色ではあるんですけど、そのままでは犯沢さんというキャラクターと合わなくなってしまうので、今回挑戦ではあったんですけど、キラキラ感を抑えて『犯沢さん』感を出せるように意識しました。

■ミステリアス感がキーワードで、胸がザワザワするものをテーマに!

――イントロのピアノが、犯沢さんのミステリアスさ、どんどん墜ちていく様子が表現されていて絶妙だと思いました。

新浜:編曲を担当してくださった船山基紀先生の生楽器収録の様子を見学させていただいたのですが、打ち込みの音の良さもあると話されていたのには感銘を受けました。僕は今まで演歌/歌謡曲の良さの一つとして生音を追求して来て、でも今回はところどころに打ち込みが使われていて、それが『犯沢さん』の世界とマッチしていて。王道の歌謡曲然としたサウンドではあるんですけど、今の時代の音楽感ともマッチするようにしてくださっていて、僕の中ではすごく新しさを感じました。山野楽器さんでの特典会で、自分の生歌唱として初披露させていただいた時も、ファンの方から「イントロから『名探偵コナン』を感じた」とたくさんおっしゃっていただけました。

――歌詞も絶妙ですね。〈捕まえて〉という歌詞が、恋愛の片思いの歌詞と同時に、『犯沢さん』の世界観ともマッチするものになっていて。

新浜:ミステリアス感がキーワードで、胸がザワザワするものをテーマに書いていただきました。作詞のEARSYさんの『犯沢さん』に対するリスペクトの深さを感じます。

■犯沢さんがこれだけ踊っているんですから、僕も負けられません(笑)!

――OP映像では犯沢さんが、『名探偵コナン』のキャラクターの毛利蘭ちゃん、灰原哀ちゃんと踊っていましたね。

新浜:実はこの振り付けは、こちらのダンサーの方が考えたもので、それを先方に送って犯沢さんたちに踊っていただいているという形です。だから元々は僕が歌いながら踊る予定だった振り付けなので、今必死に練習しているところです(笑)。それこそサビで〈ごめん その一言で許されるなら〉と歌っているところの、手を前で何度も交差するような動きは、TikTokなどで多くの皆さんに踊って楽しんでいただけたらいいなと思っています。僕のMVでは、ダンサーさんと一緒にこの振り付けを踊っているので、それも楽しみにしていてほしいです。犯沢さんがこれだけ踊っているんですから、僕も負けられません(笑)!



――ちなみに犯罪の動機になる気持ちの一つに「ジェラシー」があります。4thシングル表題曲「ジェラシー 〜運命にKissをしよう〜」は、そんな怖い歌ではないですよね。

新浜:ありがとうございます(笑)。この曲は、タイトルから「嫉妬」を想像されると思いますけど、僕は「憧れ」だと捉えています。恋愛に限らず、誰々がうらやましいとか何々が欲しいいとか、「今はまだ手が届いていないけど、いつかは自分のものにしてやる!」という、強く前向きな気持ちがメッセージとして込められています。

――どなたかジェラシーを感じる人はいますか?

新浜:谷原章介さんですね。谷原さんはNHK『うたコン!』で司会をやられていらっしゃるので、僕も何度か出させていただいていつも思うのは、谷原さんの引き出しの豊富さです。もちろん台本はあるのですが、フッと空気を読んで谷原さんならではのお話をされる瞬間がちょくちょくあって。そのたびに、すごく素敵だなって思います。ちなみに谷原さんは、僕のことを“新浜レモン”と呼び間違えることがあって(笑)。

――絶妙な言い間違いですね。

新浜:そこも含めてジェラシーです(笑)。



アニメージュプラス編集部

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