all at onceが語る！名探偵コナンEDテーマ『プレイメーカー』制作裏話（後編）

これまでB’z、倉木麻衣、BREAKERZ、GARNET CROW、大黒摩季などそうそうたるアーティストがテーマソングを担当して来たTVアニメ『名探偵コナン』。現在は、男性ボーカルデュオの“all at once”が、「プレイメーカー feat.大野雄大（from Da-iCE）」 でエンディングテーマを担当している。all at onceは、これまでにも「星合」「JUST BELIEVE YOU」といった、『名探偵コナン』の世界観に寄り添った楽曲で話題を集め、コナンファンの間ではすでにお馴染み。今作「プレイメーカー feat. 大野雄大（from Da-iCE）」は、Da-iCEの大野雄大とのコラボで、all at onceにとっても『名探偵コナン』にとってもチャレンジの1曲に。all at onceの2人の人となりに触れながら、「プレイメーカー feat. 大野雄大（from Da-iCE）」の制作裏話など聞いた。（後編／全2回）

■音源とライブではバージョンが違うみたいな

――「プレイメーカー」は、打ち込みを使用したサウンド。今までのall at onceはコーラスを引き立たせる生楽器のサウンドがメインでした。クラブ系っぽいサウンドという部分でも、新たなチャレンジになりましたね。

NARITO：そうですね。普段はストリングスなど弦楽器の生音が多かったし、バラード系を歌っている印象が強かったと思います。だから僕らとしても最初に「プレイメーカー」を聴いたときは、「これは新しいのがきたな！」と思いました。グルーヴ感が今まで歌ってきた曲とまったく違うので、どう歌おうか悩んだ部分もありました。

ITSUKI：本当に挑戦の1曲でした。メロディもすごく難しくて、僕が最初に聴いた印象は「めっちゃ難しいのがきた！」でした。でも雄大くんと3人で、新しいことにチャレンジできるまたとないチャンスだと思ったので、気合いを入れてレコーディングに臨みました。

――曲中には合いの手で、フェイクやシャウトなども入っています。

ITSUKI：レコーディングはNARITOが担当したんですけど、ライブでは僕が担当しました。

NARITO：僕が歌っているパートと、かぶっているところがあって。レコーディングは別々に録るので成立するんですけど、ライブだと物理的に無理なことにライブの直前になって気づきまして（笑）。

ITSUKI：音源とライブではバージョンが違うみたいな捉え方をしていただければ。

――『コナン』側からは、曲に対して何か要望はあったのですか？

NARITO：実は候補がもう1曲あって、それはエンディングらしい落ち着いた曲でした。これまでにない新しい雰囲気があるということで、最終的にこちらに決まりましたけど、もう1曲も雄大くんとのコラボでデモを録らせていただいた曲なので、いつか機会があれば発表できたらいいなと思っています。

■レコーディングは対等、私生活はITSUKIが司令塔

――歌詞についてお伺いしますが、テーマとか内容を教えてください。

NARITO：夢や目標を追いかけていく中で、自分1人で何とかしなきゃとか追い詰められてしまった経験は、きっと誰しもあると思います。でも、誰かを頼ってもいい、誰かに背中を預けるときがあってもいいんだよと、やさしく支えてくれるような思いを込めた1曲になっています。

ITSUKI：「プレイメーカー」という言葉は、サッカーなどのスポーツでは“司令塔”という意味になりますが、チームプレイにおいては“精神的支柱”という側面もあるので、つまり自分を預けられる相手という意味になって。つまり「プレイメーカー」＝“支えてくれる場所”みたいなイメージじゃないかと思います。

NARITO：聴く場面やその人のシチュエーションで、さまざまに解釈できると思うので、その人なりの価値観で解釈していただいて、この曲を自分の力に変えてくれたらうれしいです。

――all at onceだと、どっちが司令塔とか決まっているのですか？

ITSUKI：レコーディングにおいては対等です。

NARITO：お互いが、お互いの足りていない部分を補い合っている感じだと思います。

ITSUKI：私生活は全く別で、僕が引っ張っている感じです。NARITOはちょっと天然ボケなところがあるので、僕がプレイメーカーに成らざるを得ないと言うか（笑）。

NARITO：本当に気をつけないとヤバいんです（笑）。家の鍵をかけなかったり、鍵をドアに刺しっぱなしで出ちゃうこともあって。地元が宮崎県の田舎なので、鍵をかける習慣があまりなくて、ドア開けっぱなしでも大丈夫みたいな。近所のおばちゃんが勝手に入って大根を置いていってくれたり、すごくのどかなところなんです。だから東京に来るまでは、オートロックのマンションを見たことが無かったし。「PASMOって何？」みたいな（笑）。

ITSUKI：うちは北海道の札幌で、都会だったので考えられないです。だから心配になっちゃって。

■all at onceは、見た目は大人、中身は子ども

――『名探偵コナン』と言えば、「見た目は子ども、頭脳は大人」という有名なキャッチコピーがありますが、お互いに「子どもだな～」と思う部分は？

ITSUKI：2人とも子どもですよ（笑）。休日は2人でキャッチボールしていますから。

NARITO：公園でキャッチボールして、ラーメン食って、銭湯入って帰るみたいな（笑）。でもITSUKIは、街中でガチャガチャを見つけてテンションがアガっているところが、子どもだなって思います。

ITSUKI：「どうぶつサウナ」というシリーズを集めていて。第4弾～第7弾はコンプリートしました。NARITOは、趣味全般が子どもだよね。

NARITO：確かに。ガンプラ、ゲーム、漫画だから（笑）。

――MVは、セピアっぽい映像とモノクロの格好いい映像です。撮影時のエピソードは何かありますか？

NARITO：ほぼ1日がかりの撮影でしたけど、お昼は雄大くんと3人でラーメンを食べに行きました。「近くに美味しいところがあるんだよ」って、誘ってくださって。

ITSUKI：雄大くんから大盛りを勧められたんですけど、そんなに食べられないと思って「すみません」と言って中サイズを頼んだんです。

NARITO：大盛りを頼んだ人を観たら、「横綱か！」ってくらい超でかくて。

ITSUKI：頼まなくて良かった～って思いました。危うく雄大くんにハメられるところだったんです（笑）。

NARITO：でも、そうやって和ませてくれていたと言うか。思い返すと僕ら2人ともすごく緊張していて、表情がめちゃめちゃ固かったんです。きっとそれを察して、撮影中もいろんな小ボケをかまして和ませてくれて。通常盤に付属のDVDにはMVとメイキング映像が収録されているので、メイキングではきっと雄大くんの小ボケがたっぷり観られると思います。



――CDは【名探偵コナン盤】カップリングに「星合 -Acoustic session ver.-」、【通常盤】カップリングに「マカロン -Acoustic session ver.-」を収録しています。

NARITO：【名探偵コナン盤】のジャケットは、描き下ろしイラストで僕らと雄大くんも描いていただいて。

ITSUKI：『コナン』の世界に自分たちが入れたことが、うれしくて仕方がないです。【名探偵コナン盤】には、僕らと雄大くん、そしてコナンくんのアクリルスタンドが付いてきます。これもぜひゲットしてほしいです。

――そして11月5日（土）に東京・赤羽ReNY alpha、12日（土）大阪・Banana Hallで、「all at once acoustic live tour 2022～プレイメーカー～」を開催します。

ITSUKI：僕ら2人に、ギターとキーボードという編成です。自信を持って、いいライブになると言えます。僕らはバラードも多いですし、「星合」や「JUST BELIEVE YOU」など皆さんが聴いたことのある楽曲も、また違った雰囲気で聴いていただけるので、楽しみにしていてほしいです。

NARITO：「JUST BELIEVE YOU」は、自分たちでも「おお～！」って思いました（笑）。CDを聴いて、ぜひ足を運んでください！