• 『グレート合体愛蔵版 すごい科学で守ります!』長谷川裕一の特撮愛!
  • 『グレート合体愛蔵版 すごい科学で守ります!』長谷川裕一の特撮愛!
2022.11.09

『グレート合体愛蔵版 すごい科学で守ります!』長谷川裕一の特撮愛!

(C)テレビ朝日・東映 (C)テレビ朝日・石森プロ・東映 / (C)長谷川裕一

漫画家の長谷川裕一氏が著した特撮考証本『すごい科学で守ります!』シリーズ3冊が1冊にまとまって復活。『グレート合体愛蔵版 すごい科学で守ります!』として2023年2月にリリースされる。

長谷川裕一氏は日本のSF漫画家。1983年「魔夏の戦士」でデビュー。1985年の『マップス』シリーズでコアな漫画ファンの人気を獲得。1994年の『機動戦士クロスボーン・ガンダム』シリーズでさらに広い層への知名度を得た。
『マップス』や『轟世剣ダイ・ソード』(1993年)、『クロノアイズ』(1999年)などのオリジナル作はもちろんのこと『飛べ!イサミ』(1995年)、『無人惑星サヴァイブ』(2004年、構成を担当)などのコミカライズも手がけている。
また『機動戦士VS伝説巨人 逆襲のギガンティス』(1992年)、『超電磁大戦ビクトリーファイブ』(2002年)など、本来別世界の設定である複数の作品を同一世界に登場させるクロスオーバー作品も得意としている。
人気TV番組『TVチャンピオン』(テレビ東京)の「悪役怪獣・怪人王」で優勝を果たした特撮好きでもある。

『すごい科学で守ります!』シリーズは「科学的にはこんなことはありえない」ではなく「こう考えれば、これはあり得る!」を合言葉に、東映のスーパー戦隊・仮面ライダー(昭和ライダー)・宇宙刑事などの人気特撮シリーズをSF考証した本。
「映像上で起きたことはすべて事実としてとらえ」「扱うヒーロー作品の出来事は同一時間軸で起こっている」と仮定したうえで、メカニックを中心とした卓抜なSF考証を行うことで、上記の作品群をあたかも連続する壮大な大河ドラマであるかのように捉えたという点で、特撮ファンに大きな影響を与えた。

例えば『宇宙刑事ギャバン』(1982年)登場する電子星獣ドルと、『星獣戦隊ギンガマン』(1998年)に登場する星獣たちを基本同一の種族と考え、正義の戦士・組織が星獣という宇宙生命体の力を借りる文化がある、という考察が行われている。
各作品で偶然同じになった言葉をキーワードとして捉え直し、それを鍵に作品の面白さを高める考察を行っていく、というスタイルだ。クロスオーバー作品を得意とする長谷川氏の発想力と、特撮作品の広い知識がなせる業だと言えるだろう。

長谷川氏に元のシリーズを書かれた経緯をうかがってみた。

長谷川 元は名古屋のSF大会でこの題材でトークショーを開いていたのです。戦隊シリーズは、特撮の進化と超合金の進化の過程があるので、そこから一本の歴史につむげるのではないか? と、思ったのです。当時戦隊シリーズは、東映が子供向けのスタンスを堅持しながら作っていたためか、大人になった特撮ファンからはやや、ひくく見られる傾向があったのですが、ドラマも特撮もいいのに、もったいない、と思っていたので「設定を補完した書物が出たら見てくれるかも?」と思ったのが、出版に踏み切る動機の一つではあります。

『すごい科学で守ります!』シリーズは1998年~2005年に全3冊刊行。2000年発売の『もっとすごい科学で守ります!』(2冊目)は、優れたSF関連作品に送られる「星雲賞」の第32回ノンフィクション部門を受賞している。

NHK出版の編集者・高原氏は「ここ数年特に、何か映像フィクション作品で誰かが無粋なことをSNS等で発言するたびに、全然関係ないところでも『すごかがを読め』という発言を見かけることがとても多くなっていたと思います。その割に、概念としての『すごかが』は知っていても、本そのものは入手できなくなっていたので、ここは復刻すべきだろうと思いました。そしてせっかく出すのなら、長谷川先生のまんが家デビュー40周年を飾る豪華な体裁で『合体』させたいな、と」考え、合本での復刊を企画したという。

『グレート合体愛蔵版 すごい科学で守ります!』は、オリジナルより大判化&文字も大きくし、体裁も統一。さらに長谷川裕一氏の漫画家デビュー40周年を記念し、初回生産分は限定特典として、著者によるカッコイイ&カワイイ挿絵もそのままに、BOX入りで登場するとのとこだ。

シリーズの中で長谷川氏がお気に入りの考察を訪ねたところ「宇宙由来の戦隊のメカにいくつかの傾向があることに気づいて、文化圏分けができるっ! と思ったあたりでしょうか? 『デンジ推進システム』や『広域クル文化圏』など(笑)」という答えが返ってきた。
この「デンジ推進システム」「広域クル文化圏」は、今ではスーパー戦隊ファンの間で一般的な概念のように語られることもある用語になっているという。この機会に原典を手に入れて、その深く豊かな考察を楽しんでいただきたい。

『グレート合体愛蔵版 すごい科学で守ります!』は現在、各通販サイトなどで予約受付中。
また『グレート合体愛蔵版 すごい科学で守ります!』特設ツイッターアカウントも開設された。
こちらでは2022年11月14日からフォロー&リツイートキャンペーンも実施予定とのこと。プレゼントも用意されているという。気になった方は今からフォローを!

>>>『グレート合体愛蔵版 すごい科学で守ります』関連画像を見る(画像5点)

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(C)石森プロ・テレビ朝日・東映
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(C)長谷川裕一

アニメージュプラス編集部

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