• 『LUPIN ZERO』畠中祐&武内駿輔の名コンビが捧げた先人へのリスペクト
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2022.12.23

『LUPIN ZERO』畠中祐&武内駿輔の名コンビが捧げた先人へのリスペクト

(左から)ルパン役/畠中祐さん、次元役/武内駿輔さん 撮影/大山雅夫

まだ何者でもない中学生の “ルパン” が、後の相棒となる次元と出会い、高度経済成長期の日本を駆け巡るアニメシリーズ『LUPIN ZERO』。知られざる二人の過去の物語は笑いと涙、そしてちょっぴりビターな成長譚としてファンを大いに唸らせる内容となっている。

今回は『LUPIN ZERO』の大きな牽引力となったルパン役/畠中祐、そして次元役/武内駿輔に本作でいかなる課題に挑んだかを語ってもらった。本物のルパンと次元を彷彿させる、二人のやり取りにもぜひ注目してもらいたい!

――『LUPIN ZERO』の企画を聞いた時の印象、また台本を読まれてキャラクターやストーリーのどんなところに魅力を感じられたかをお聞かせください。

武内 二人共通の思いとしては「いよいよここに手をつけたか!」という思いがあったよね。

畠中 そうだね。オーディション用の企画書を見た時は「まさかあのルパンじゃないよな? タイトルだけ借りているんでしょ?」と思ったら本物で(笑)。

武内 ルパンと次元って書いてあったら、あのルパンでしょう、ということなんですが、オーディションの段階では内容がまったくわからなかったんです。二人は同級生ということで、そういうやり取りの台詞が書いてあったものの、その絵がまるで浮かばなくて、どう演じればいいか悩みました。自分なりに頑張ってみたところ、次元役を戴けることができました。

この作品はやはりルパンが大事だと思っていて、「僕が選ぶなら畠中祐だな」と思っていたら、まさにそうなって。祐以外にできないでしょう?

畠中 こっちはそう思ってないですけどね(笑)。 でも、今回何人オーディションに参加されたかはわからないんですが、選ばれるのは若手だろうとは思っていたんです。
次元役が武内くんと知った時「ああ、彼は相当研究してくるんだろうな」というのが目に見えていて、それは作品にとって大きなプラスであり、自分にとっては大きなプレッシャーにもなりました(笑)。

武内 プレッシャーに関して言えば、『ルパン三世』ってすっかり完成されたイメージが強いんですが、台本を読むと未完成のルパンと次元の成長の物語になっていたので、自分たちも演じる中で彼らとリンクする形で一緒に成長すればいいのでは、と思えて気が楽になりました。
ストーリーも笑いあり、泣きあり、アクションあり、そして十代ならではの葛藤や悩みありと、盛りだくさんなんですよね。

畠中 オーディションの時はルパンであることをあまり意識せずに演じたんですよ。でも、台本を見たらセリフに「だけっどもなぁ」って書いてあって「おおっ、むっちゃルパンだ!」って(笑)。

それを見た瞬間「ルパンをやっていいんだな」って思いました。実は前もってPART1からシリーズを観直して研究して、山田康雄さんならどんなアドリブを出すのかな、なんて考えたりもしていたので、それを存分に発揮する時が来たぞと。

武内 僕もPART3までのシリーズを全て観直して、ルパンと次元のアドリブのやり取りをデータ化したんですよ。

――ええっ、それは凄いですね!

武内 それをすることで、いろんなリアクション――例えばものを避ける時、〇〇だったら「うわっ!」で、●●だったら「あららら!」みたいなパターンを導き出して、そこからまた自分たちで考えました。

畠中 「ルパン・次元語録」を作ったよね。

武内 勿論、僕たち役者は台本にあるものを演じるのが第一なんですが……。

畠中 普通の現場とは一味違っていましたね。山田さんと小林(清志)さんのルパンの現場でアドリブをポンポン交わしていたなら、こっちもそのグルーヴ感を持ち込まないと、と思いまして。

武内 アドリブ、すごいんですよ。「しばらく」を「しらばく」とか、手錠をはめられた時に「ワッパ!」ってリアクションしたり。

畠中 アフレコ風景の動画を観たら「そうはイカのタマタマよ」なんて言ってて「それ、良いのか?」って(一同笑)。

武内 まあ、今回配信で良かったのは、そういうコンプライアンスの部分を気にしなくてよかったところですかね。次元は喫煙するし、ルパンは車を運転するし。でも、それがルパンだから。

――ルパンと次元を演じるに当たって、意識された部分がありましたらお聞かせ下さい。

武内 山田康雄さんと小林清志さんの人生観がキャラクターに込められていると思っていて、まずお二人を知らなければならないというのが共通認識としてありましたね。なので、お二人の生い立ちやお仕事、インタビュー記事などを徹底的に調べましたし、そうしたことで二人が何を大切にして演じていたのかを推測していきました。

畠中 調べると、本当に山田さんはまんまルパンだったんだなって解るんですよ。照れ屋でシャイで寂しがり屋で……繊細で優しい部分を湛えたルパンの器が見えた気がしたので、そこは踏襲したいと思いました。そしてルパンの中に山田さんがあるからこそ、今回のルパンで自分の色が出てくるところもしっかり見せないといけないと思いました。そうしないと山田さんに怒られるんだろうなって。

武内 うん、結局自分でやらないとダメなんだよね。山田康雄さんや小林清志さんのモノマネで終わったら、それは役者としての取り組みとは違うわけですよ。完コピを狙うのではなく、その言葉を発する手前まで自分を徹底的に追い込んで、結果として同じ解釈(演技)になれば良い、という風に考えました。

原作:モンキー・パンチ (C)TMS

アニメージュプラス編集部

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