• 大怪獣に由来!海底地形「ゴジラメガムリオン」の各部名称が国際承認
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2023.02.14

大怪獣に由来!海底地形「ゴジラメガムリオン」の各部名称が国際承認

TM & (C)TOHO CO., LTD.

2022年1月に国際的に名称が正式承認された海底地形「ゴジラメガムリオン」、新たに体の各部位を表す14の細かな海底地形名が追加承認された。

国際水路機関(IHO)とユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)が共同で設置する「海底地形名小委員会(SCUFN)」(※)が2022年3月14日~18日(パリ)及び同年11月28日~12月2日(モナコ)にて開催され、審議の結果、日本が提案していた「ゴジラメガムリオン地形区(英語名:Godzilla Megamullion Province)」内の海底地形名14件が新たに承認された。

「メガムリオン」とは、海底拡大に伴う大規模な正断層に伴い、海底面に地球内部のマントル物質などが露出したドーム状の高まりのことを指す。その表面に畝状の構造を持つことが特徴となっている。
「ゴジラメガムリオン地形区」は、2001年、日本政府による大陸棚画定調査の際、沖ノ鳥島南東約600キロの公海で発見された。その大きさは縦125キロ・幅55キロ・最深部との高低差4キロ、東京都の面積の約3倍、世界中にある他のメガムリオンの約10倍もあり、現在見つかっているメガムリオンの中では地球上最大のものである。そのため、その巨大さから、日本が世界に誇る東宝怪獣「ゴジラ」の名が引用され、命名された。

ゴジラメガムリオン地形区は2021年のSCUFNにおいて日本が提案し承認された。世界に分布するメガムリオンの中で、名称が国際的に登録されたのは、この「ゴジラメガムリオン地形区」が初めてである。
「ゴジラメガムリオン地形区」は海洋科学において非常に重要な研究対象であり、日本を中⼼とする国際的研究グループによる調査の結果、フィリピン海プレートの組成・構造に関する重要な研究成果が得られている。

今回承認された海底地形名は、前回のSCUFNにおいて日本が提案し承認された「ゴジラメガムリオン地形区」内の特徴的な海底地形を対象に、同地形区を東宝怪獣ゴジラの身体に見立て、各海底地形にはゴジラの身体の部位の名称が付与されている。。

1:ハット海嶺(Hat Ridge)
2:ヘッド峰(Head Peak)
3:西ショルダー海嶺(West Shoulder Ridge)
4:ネック峰(Neck Peak)
5:東ショルダー海嶺(East Shoulder Ridge)
6:西アーム海膨(West Arm Rise)
7:バックボーン海膨(Backbone Rise)
8:東アーム海膨(East Arm Rise)
9:西ヒップボーン海膨(West Hipbone Rise)
10:北テール海膨(North Tail Rise)
11:東ヒップボーン海膨(East Hipbone Rise)
12:西レグ海嶺(West Leg Ridge)
13:南テール海膨(South Tail Rise)
14:東レグ海嶺(East Leg Ridge)

これらの海底地形名は、IHO/IOC海底地形名集に掲載されることで世界中に周知され、今後地図・海図や論文などに使われることになる。また、海上保安庁が運用している海洋状況表示システム(海しる)でも確認することができる。

>>>「ゴジラメガムリオン地形区」関連画像を見る(画像5点)

(※)海底地形名小委員会(SCUFN)とは、世界の海底地形名を標準化するための学術的な委員会。領海外の海底地形名についてSCUFNへ提案することは誰でも可能だが、日本では、海上保安庁が委嘱した有識者で構成される「海底地形の名称に関する検討会」における検討を経て提案を行っている。海底地形には、原則として、近傍地名、船名、海洋に貢献した故人名・機関名等に因んだ名称を付けることができる。
また、同類の海底地形の集合に対しては、星、鳥、暦等、グループの名称を付けることができる。

TM & (C)TOHO CO., LTD.

アニメージュプラス編集部

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