• <今夜、あの街から>ノラとVALSHEが語る『名探偵コナン』との出会い
  • <今夜、あの街から>ノラとVALSHEが語る『名探偵コナン』との出会い
2023.02.18

<今夜、あの街から>ノラとVALSHEが語る『名探偵コナン』との出会い

写真:VALSHE(左)、ノラ(右)

『名探偵コナン』2月18日の放送回から新エンディングテーマとして、“今夜、あの街から”の新曲「クウフク(starring VALSHE)」が流れる。“今夜、あの街から”は、ノラとレイラという男女のキャラクターが生み出す物語を、毎回異なるボーカリストが歌で表現することで話題のネット発のユニット。今作「クウフク」のボーカルは、これまで「Butterfly Core」と「君への噓」という『名探偵コナン』テーマ曲を担当した経験を持つVALSHEが担当。力強さと切なさを兼ね備えたVALSHEのボーカルが、空虚で閉塞的な世界観をはらんだ“今夜、あの街から”のサウンドとマッチしたものになった。前半戦は、“今夜、あの街から”とVALSHEがコラボするに至った経緯や、それぞれの中にある『名探偵コナン』への思い入れ、“今夜、あの街から”というユニットについて聞いた。(前編/全2回)

■『名探偵コナン』との出会いがターニングポイントになった

――『名探偵コナン』のエンディングテーマを担当することについて、どんなお気持ちですか?

ノラ:率直にうれしかったです。もともと、決まるか分からないけれど曲を書いてみないかという話をいただいたのですが、事務所のスタッフからメールで「決まりました」と連絡があった時は、スマホを放り投げる勢いで驚きました。

VALSHE:自分は『名探偵コナン』のテーマソングを担当するのが「Butterfly Core」と「君への噓」以来、3度目になるのですが、「君への噓」は8年前なんです。8年経ってまた『コナン』に戻ってこられたのは、すごくうれしいです。自分のキャリアを語る上でも『コナン』の楽曲を担当した経験ははずせませんし、『コナン』をきっかけに今でも応援してくださっている方は多いので、間違いなく自分のターニングポイントになっています。イベントに出演した時に『コナン』の曲を歌えばみんな分かってくれるし、自分の活動においてとても大切な2曲で、そこへ新たに「クウフク(starring VALSHE)」が加わりました。

――ノラさんの中で、『名探偵コナン』はどんな存在ですか?

ノラ:物心ついた時には当たり前のように身近にあった作品で、コミックスも読んでいて実家にズラッと並んでいるほどです。アニメも生まれる前から放送されていて、毎週楽しみに観ていました。それくらい大好きな作品に、まさか自分が関われる日が来るなんて思ってもみませんでした。何かの作品のタイアップ曲を手がけること自体が初めてですし、2つも3つもうれしいことが重なってすごく衝撃的でした。

――個人的に好きなキャラはいますか?

ノラ:個性的なキャラクターがたくさん出てきますけど、推しは怪盗キッド様です。ちょっとキザですけど、あの格好良さが嫌いな人はいないんじゃないかな(笑)。親近感で言うとコナンくんですね。僕はユニット“今夜、あの街から”のノラとは別に、作曲家としては別の名義を使っていて。コナンくんも工藤新一と江戸川コナンという2つの顔を持っていて、その使い分けがあることとか共感する部分が多いです。

■「空腹感」が引き込んだ巡り合わせの妙

――『名探偵コナン』は大好きということで、ノラさんが『コナン』の曲で一番聴いていた曲は何ですか?

ノラ:VALSHEさんがいらっしゃるから忖度するのではなく、「Butterfly Core」です。

VALSHE:ええ〜!ありがとうございます。

ノラ:昨年観に行かせていただいたVALSHEさんライブで歌われているのを聴いて、「この曲知ってるじゃん!」と思って、当時の思い出がブワッと蘇りました。

VALSHE:ノラくんとはレーベルメイトで、たまたま今回ご一緒させていただくタイミングがあって、さらに偶然『名探偵コナン』というタイアップが重なり、巡り合わせの妙みたいなものを感じます。ただ言えるのは、どれもただ待っていたら舞い込んできたわけではなく、自分からつかみ取りに行った結果だということです。ノラくんの「もっと面白いことがやりたい!」と思う気持ちが、こういう結果を引き寄せたのだと思います。

ノラ:それこそ“空腹感”が、そうさせたのかもしれません(笑)。

――もともとは、どういうきっかけでコラボすることになったのですか?

ノラ:VALSHEさんのことは、ニコニコ動画で歌い手として活動していた時からいちファンとして聴いていました。今回たまたま同じ事務所に所属させていただくことになり、昨年9月にライブを観させていただいたんですけど、その時にパワフルで圧倒的な歌唱力に衝撃を受けました。「こんなにガツンとくる歌を歌う人がいるんだ!」と。それで終演後にご挨拶をさせていただいた時に、「ぜひいつか作品でご一緒させてください!」とオファーをさせていただきました。その時はまだ何も決まっていなかったのですが、快く引き受けてくださったのがきっかけです。

VALSHE:そんな風に言っていただけて、すごくうれしいです。レーベルメイトでも実際に会う機会はそれほどないので、ライブに来てくださってうれしかったです。

■レイラさんが持っている性格や表情は一面だけではない

――“今夜、あの街から”というユニット名ですが、どういう意図で付けたのですか?

ノラ:“ヨルマチ”(今夜、あの街からの略称)は、物語性を帯びていることが特徴です。ノラとレイラさんという2人のキャラクターがいて、音楽を失った閉塞的な街からいつか逃げ出して、自分たちの理想の世界を手に入れに行くという物語が根底にあって。そうなった時に、ユニット名に「街」という言葉を使いたくて、「今夜、あの街から」という名前を思いついた時にしっくりきたので。

――今にも物語が始まりそうですね。

ノラ:そうですね。「~から」に続く言葉は、「~から逃げ出す」のかもしれないし、「~から出て行く」のかもしれない。もしかしたら「あの街」に、また帰って来るかもしれなくて。ユニット名だけど、物語のタイトルにもふさわしい名前なのではないかと。

――発表する曲が、その物語の第1話、第2話という感じで、毎回変わるボーカルは、演者が毎話変わるみたいな。

ノラ:はい。登場人物は毎回ノラとレイラさんで、レイラさんの様々な側面を様々なボーカリストの方に表現していただいています。人が持っている性格や表情は一面だけではなく、いろいろな顔を持ち合わせて一人の人間ができていると思っています。毎回レイラさんのいろいろな表情が見えるので、やっている僕自身もとても楽しいです。

――今回のレイラさんは、すごくパワフルですね。この「クウフク(starring VALSHE)」という曲は、VALSHEさんが歌うことを想定して作られたのですか?

ノラ:どちらかと言うと、作詞・作曲をした後に、その楽曲に合ったボーカリストさんを探すというのが毎回のやり方です。VALSHEさんとのコラボとは別に、『名探偵コナン』のための曲を書いていたら、「あれ? これってVALSHEさんに合うんじゃないかな?」となって。

VALSHE:自分も驚きましたよ。ノラくんとのコラボだけでもうれしいのに、それが『名探偵コナン』のテーマソングになるかもしれないと聞いて、うれしさが倍になりました。

【後編】『名探偵コナン』ED曲<クウフク>に込められた「満たされない愛」

ライター:榑林史章、編集:アニメージュプラス

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