未来人のメラ&メロが仕掛けた世界滅亡ゲームに、7人の仮面ライダーが挑む映画『仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐』。劇中で4人に分裂してしまう主人公・浮世英寿/仮面ライダーギーツ役の簡秀吉さん、英寿と世界を救うために奔走する仮面ライダーの一人・晴家ウィン/仮面ライダーパンクジャック役の崎山つばささんの対談を実施。公開が間近に迫った映画の見どころ、英寿とウィンの関係性などお話しいただいた。
次第に強くなる英寿とウィンの信頼関係――今作では4人の英寿が登場しますが、演じるうえで意識したことや中澤祥次郎監督に相談したことはありますか?簡 それぞれの英寿の特徴をどう際立たせるのかは、事前に考えて撮影に臨み、監督にはどう演じるか迷ったときに相談しました。特に力の英寿はクールな性格にするのか、抜けたところのある性格にするか相談して、後者で演じることになったんです。知の英寿でも、人力車に乗っているシーンで追ってくるジャマトにどう反応するのか、監督とお話ししてずっと真顔で人力車に乗ることになって。逆に運の英寿は事前の役作りがハマって、全く苦労せずに演じられました。
――正体不明のオカリナの英寿は、どのように演じたのでしょう?簡 オカリナの英寿は、ほかの三人以上に普段の英寿のことを意識していました。敵に立ち向かうシーンの佇まいは、オカリナの英寿の本質が表れる場面だったので、大切に演じましたね。
――崎山さんはTVシリーズで復活してから今回の映画への登場でしたが、『ギーツ』の現場に帰ってきたと実感したことはありましたか?崎山 撮影のときもスタッフの方が、あたたかいムードで迎えてくださりうれしかったんですが、放映後にファンの方が「おかえり」「待ってたよ」と言ってくださったのが大きかったです。周りの方たちのおかげで、ウィンとして帰ってきたことを実感できました。
――英寿とウィンは、当初の敵対関係から次第に関係性が変化していきました。二人の関係性を表現するうえで意識していることは?簡 仲が良いとまでは言いませんが、英寿がウィンのことを信用していることが伝わるような芝居は心がけています。14話の二人のシーンからウィンとは距離を縮めて、途中で戦線離脱した後も英寿の中には、どこかでウィンに帰ってきてほしい気持ちがあったと思うんです。
崎山 僕は英寿に対する視線や目を合わせる時間で、心変わりして距離が近づいていくウィンの感情の変化を、グラデーションみたいに表現できればと思っていました。復活した当初は、本当に味方なのかどうかという要素を少し残しながら演じていて。いきなり距離が近すぎてもなんか違うというか。一度は蹴落とそうとした相手だから、多少罪悪感もある気がするんですよ。
簡 英寿が復活したウィンと再会したとき(36話)は、「やっと帰ってきたか」と感じたんじゃないかなと。あのシーンではウィンへの信頼感を表現することを、特別意識していました。
崎山 映画ではTVで描かれた関係性からどうつなげていくのか、考えながら演じましたね。