• 『ウルトラマンアーク』ウルトラハグのルーツは『シン・ウルトラマン』? 辻本貴則メイン監督に聞く!
  • 『ウルトラマンアーク』ウルトラハグのルーツは『シン・ウルトラマン』? 辻本貴則メイン監督に聞く!
2024.07.26

『ウルトラマンアーク』ウルトラハグのルーツは『シン・ウルトラマン』? 辻本貴則メイン監督に聞く!

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンアーク製作委員会・テレビ東京

7月6日(土)から放送を開始した『ウルトラマンアーク』。ウルトラマンアークの約3分間にわたる戦いを、リアルタイムかつ疑似ワンカットで描いてみせた第1話は、放送直後に大きな話題となった。

今作の企画段階から携わるメイン監督を務めるのは、辻本貴則(※「辻」は一点しんにょう)さん。2013年から始まったニュージェネレーションウルトラマンシリーズ(以下、ニュージェネ)では、2015年の『ウルトラマンX』で初参加し、2018年の『ウルトラマンR/B』以降は毎年監督として参加。メイン監督を担当するのは今作が初となる。

今回は辻本監督にインタビューを敢行。ウルトラマンアークやメガホンをとった第1~3話の演出、OP・EDへのこだわりなどたっぷりと語っていただいた。

>>>『ウルトラマンアーク』場面カットをみる(写真7点)

◆『アーク』では縦軸回しかやらない◆

――『ウルトラマンアーク』のメイン監督を務めるにあたり、大切にしたことははんですか?

辻本 僕はずっと各話監督をやってきたんですが、そのときは縦軸の話はやらないから、単発回としての面白さを追及していたんです。シリーズの決まりごとをアレンジして面白い演出を入れたり、爪痕を残そうと過剰なサービスカットを用意したり。結果として一応シリーズに貢献できていたとは思うんですが、いざメイン監督となると、今までやってきた奇を衒った演出……僕は “遊び” と言っているんですが、それがシリーズのカラーを貫き通すためには邪魔になると感じて。だから今回、本筋にあまり関係ないのであれば、遊びの演出や特撮カットとかはやめようとしました。したはずだけど、「いや、やってるじゃん!」みたいな演出があったとしたら、それは気づかない間に僕のフェチが漏れ出ていただけです。

――第1~3話を拝見したんですが、すみません、実に辻本監督のクセが出ているなぁと思って観ていました……(笑)。

辻本 (笑)。アレでも抑えていたはずなんですが(笑)。やっぱり隠し切れなかったんですね。本来であれば今までの作風からして遊びの面での盛り上げを期待されているだろうし、僕も最初はやろうと思っていたんです。でも、メイン監督の立場になると、ミニチュアの車をひっくり返すとか、細かいことをやっている場合じゃないなという気持ちになったのは確かで。ウルトラマンが変身して、この怪獣をどういう気持ちでやっつけているのか、とかをちゃんと考えなきゃいけない、という意識になりました。

――実際、特撮とドラマのリンク度は過去の担当作以上に高まっていると感じました。

辻本 ありがとうございます!

――それは辻本監督の手腕もそうですし、これまで別作品でもタッグを組んできた、シリーズ構成・メイン脚本の継田淳さんの存在も大きいのではないかと。

辻本 そうですね。継田さんには、僕らは今まで散々単発回をやってきたので、『アーク』でご一緒する回はもう縦軸しかやらないよ、とお伝えしました。継田さんにはシリーズ構成として、ほかの監督の単発回をチェックしていただいて、僕とはシリーズの核となる主人公ユウマとアークの話をやりましょう、と。僕が担当する前半、中盤、終盤の中で、ユウマとアークの出会いから、絆を深めて、最後に気持ちがひとつになるところを丁寧にやっていきましょう、と約束したんです。その意識のおかげで、良い方向に転んでいったんだと思います。

――今回、辻本監督から参加をお願いしたスタッフの方はいますか?

辻本 監督では湯浅弘章さん、脚本家では本田雅也さんですね。湯浅監督はドラマを撮るのが本当に上手い方で、湯浅監督が撮るウルトラマンシリーズのドラマが観たかったので、円谷さんに「お願いできますか?」と相談しました。本田さんは別件のアニメの仕事でご一緒したのですが、そのときにとても論理的で細かいところまで気を配ってくださる、自分の中でのルールというかちゃんとロジックがある脚本家という印象を抱いて。もしウルトラの現場に上手くハマったら、すごい戦力になってくれるに違いないと思い、ご紹介しました。


(C)円谷プロ (C)ウルトラマンアーク製作委員会・テレビ東京

アニメージュプラス編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事