• すでに世界も変化している! 海外ソフビ事情!! 前編 いちみや忠義氏(サンガッツ本舗代表)Interview
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2019.09.10

すでに世界も変化している! 海外ソフビ事情!! 前編 いちみや忠義氏(サンガッツ本舗代表)Interview

いちみや忠義氏(サンガッツ本舗代表)



ーー中国のクリエイターではKenny Wongさん人気が1番なんですか?

いちみや あと先ほど言ったKASING LUNGさんですね。ふたりとも香港のクリエイターですが中国国内での人気は高かったですね。

ーー中国でのサンガッツ本舗人気はいかがでしたか? そういう情報を中国ではどこで知るんですか? 確かSNSは見れないんですよね?

いちみや サンガッツ本舗に関しては知る人ぞ知る感じでした。基本的に中国国内ではTwitter、Facebook、Instagramなど見れないです。Twitterなど何かをすれば見れるらしいですけどね……中国版Twitterのウェイポーがあって、多分ですがTwitterを見れる親切なファンが情報を拾ってウェイポーへ流してくれているみたいです。だから中国で私たちの存在は知る人ぞ知るという感じにしかならいない。

ーー以前、海外のイベントは3回行ってみないとわからないし意味がないとお聞きしました。昨年いくつかのイベントに関しては3回めを迎えましたね。

いちみや 2016年に韓国の「ART TOY CULTURE」と香港のショップ・angelabbyでの個展、そして11月の台湾での「Taipei Toy Festival」の3つで、それぞれは昨年で3回めになりました。まず韓国の「ART TOY CULTURE」など「今年はいいかな」と思ってます。というのは「ART TOY CULTURE」ってはタイの「THAILAND TOY EXPO」と一緒のGW開催なので、両方だと国をハシゴしないといけない。それがめんどくさいし毎年5月開催でしたが、今年はその時期にやるのかどうか未定なので、なんとも言えない。だからひとまずお休み。また香港のショップ・angelabbyは以前から様々なクリエイターの個展をショップでやりすぎたのか多分、規模を縮小してて一昨年からの勢いはない印象だったからそれは減るかな……。台湾での「Taipei Toy Festival」は安定しているのでまた出ますよ。

ーーアジア圏は最近メーカーもファンも勢いがあったと思うんです。現在はどうなっているんでしょう?

いちみや 以前と比べると大人しい印象ですね。ただしお客さんの数は減ってない。多分ですがファンから作り手になったクリエイターが増えて、ファンがいろんな作家へ分散するから落ち着いて見えるのだと思います。ただ作り手が増えている状況に比例してファンは増えてない感じですね。

ーーファンが作り手になるのは日本も同じですね。

いちみや ただ日本の場合、いちファンだと個人レベルですが、アジア圏はクリエイターモノを扱っている会社やショップがオリジナルを作り出す傾向が強いです。ショップや会社なので「どうしたら売れるのか?」というやり方を知っている。個人だったら「こんなの作りましたどうです?」ぐらいで自分から「凄い!」って言い辛いですが、ショップは作家の作品だから「ヤバいのが出来ましたぜ!」って言いやすいし、その方がファンの食いつきがいい! またイベントでは、ブースがどれだけ売り上げたのかは見えませんが、人だかりは見えますよね。だからショップの頭の良い人は、販売抽選券を配る時、次に販売の時、そして購入者への作家のサイン会の時と、3回人だかりを作って凄く人気があるようにみせる。そういう演出が上手いショップが増えて、売るための努力を惜しまないですね。多分ですが熱量という意味でいうと、これがあるから上がって見えていると思うんです。昨年の「デザインフェスタ」でナカザワショーコさんとT9GさんがKASING LUNGさんとコラボレーションした「バイロン」や「ランジアス」を発売していました。日本のファンは、まだ「LUBUBU」を知らないけど、イベントに来ているアジア圏ファンが人だかりを作ってたから日本のファンも「なに?」ってなります。この現象を見るとそのうち日本のファンが、日本より海外作家への興味が大きくなる日がくるのかな? とも思いますね(後編に続く)。
(2018年12月27日/都内某所で収録)

今回は世界各国で開催される各イベントの印象をメインに紹介。後編は各イベントの現状と、そこから浮き彫りになるソフビ界が抱える問題点などを紹介。





■Profile
兵庫県出身/東京の広告制作会社に入社後、ディレクターとして、TV-CM、VPを監督すると共にCM、VP用キャラクターをデザイン。独立後、ソフビによる立体造型作品も製作し『時効警察』(テレビ朝日/MMJ)の「プクーちゃん人形」も制作。妖怪、怪獣、宇宙人をモチーフにしたキャラクター作りを展開。また映像制作の経験を活かしキャラクターのイラスト、アニメなど幅広く表現活動も行っている。



↑上海の「SHANGHAI TOY SHOW」


↑韓国の「ART TOY CULTURE」



↑タイの「THAILAND TOY EXPO」


↑NYの「FIVE POINTS FESTIVAL」


↑北京の「BEIJING TOY SHOW」


↑台湾の「Taipei Toy Festival」


↑ロスの「D-CON」


↑「THAILAND TOY EXPO」でのサンガッツ本舗ブース


↑中国で人気のアーティスト・Kenny Wongさんデザインのキャラクター

文/いしざか かのう

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