• ウルトラマンの覚悟を学べ! 森友嵐士インタビュー!
  • ウルトラマンの覚悟を学べ! 森友嵐士インタビュー!
2019.10.17

ウルトラマンの覚悟を学べ! 森友嵐士インタビュー!

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンタイガ製作委員会・テレビ東京




ーー先ほどウルトラアイの話がありましたが、他にも持っていたものはありますか?

森友 ソフビの人形をいっぱい持っていました。友達と戦ったり。やってたでしょ? 同じですよ、僕も。でっかいダンボール箱の中にどんどん増えていくんですよね、怪獣やウルトラマンが。それを持って番組を見終えた後に、その余韻に浸りながら、兄弟で遊んでました。友達が来ると友達とも。子どもの頃の日常に存在していたんですよね。お風呂場にも持って入っていましたね。お風呂場だから中に水が入って、放っておくと水が臭くなるんだよね。あったでしょ、水出さなきゃやべえなって(笑)。そういうことをすごく覚えているんですよね。みんなそうだったでしょ。遊び方がそうだったもの。もちろん携帯のゲームとかもなかったし。あの当時って地上波しかなかったし、みんな同じものを見ていて、次の日友達に会うと昨日のテレビの話題で盛り上がるわけじゃないですか。いつも話題が共有できてたから、学校の中でもそういう話になるし。帰りにはまたその話で盛り上がりながら仲間同士で遊ぶツールとなって、仲間の意識をつなげてくれる存在だった。僕らの世代にとっては、大きな場所。ウルトラマンという場所。そういう場所だったと思いますよ。

ーー森友さんにとってヒーローは?

森友 親父ですね。やはり子どもが一番最初に背中を見る男でしょ。男だから言葉で細かく、ああだこうだとは言わないんだけど、行動、その背中で男ってこうであるべきなんだっていうのを見せてくれた。子ども心にそういう場面をいっぱい覚えているわけ。よく親父と俺と弟で魚釣りに行くことがあったんだけど、あるとき海に着いたら、3人くらいの輩に絡まれちゃったんですよ。俺たちはまだ小学生くらいで、「何この人達」って。そうしたら親父が「待ってろ」って外に出ていって。カギをかけておけって。その3人とどっかに消えるわけですよ。それで5分か10分くらいしたら普通に帰ってきて「釣り始めようか」って。何をしたのかはわからないけど、うちの親父はめっちゃ強かったんですよ。でも子どもの頃から拳を絶対に使うなと言われていた。喧嘩するなら言葉で戦えよって。じゃなかったら勝ちじゃないってすっごく言われたわけ。あるとき、正月だったかな、親戚一同で飲んでいて、親父の兄貴から、「お前知ってるか。お前の親父は本当に強かったんだよ」って話になって。どういうこと? って言ったら、年上の奴でも逃げてたって。それくらい誰も太刀打ちできなくて、「お前の親父は熊って呼ばれてたんだよ」って。確かに腕っぷしはすごいわけ。でもそんな話はきいたことがなかったし、そんな話知らないし。「拳を使うな」とずっと育てられてきましたからね。それで親父に聞いたわけ。「俺たちには喧嘩をするなと言ってるけど、自分すごかったみたいじゃん」って。そうしたら「聞いちゃったのか、じゃあ話そうか」って話してくれたわけ。嫌な喧嘩はしてないよと。正しいことを貫いていたし、どちらかというと弱い奴らを守ってた。それで負けたことはないと。「だけどな、心して聞いておけ」って。「それから何十年も経ってる。確かにそのときは奴が悪かったから闘ったんだけど、何十年も経った今、たまに喧嘩相手と再会すると、今でも震えて怯えてるんだ」って。「お前そんな人生でいいか?」って言われたんですよ。「正義の拳だったのかもしれないけど、三十年も四十年も経っても怖がられるような大人になりたいか?」って。「嫌だろ、だから拳をあげるなよ」と。「お前も俺の息子だから、やれば強いんだよ、どうせ」って。それを聞いたときに、自分が経験した嫌な心境は、次代につなげたくない、という思いを感じて、格好いいなって思った。仕事が何かとか、いくら稼いでとかそいういうことじゃなくて、生き様みたいなものに惚れるし、そういう意味では俺の親父が俺の親父でよかったなと思うし。だから一番のヒーロー。

ーー格好いいですね。

森友 だから今度は、俺が息子に繋がないといけないんですよ。格好悪くなっちゃいけないわけですよ。

ーーお父様の印象は、厳しい方だったんですか?

森友 めっちゃ厳しかったよ。でも厳しい人は優しいんだよ。優しさがなかったら厳しくなんてできないもん。ただ厳しいだけでは嫌われるじゃん。お前はいい子だなってずっと言ってるほうが楽じゃん。お前は最高だって。相手は気持ちいいでしょ。相手が嫌なことを言うことほど、優しいことはないんだよ、実際。それだけ愛してるっていうことでしょ。そう思うね。

ーーコンサートにはたくさんのお子さんも来ると思います。来てくださるファンの方に意気込みやメッセージをお願いします。

森友 ファンの方にはまず、ウルトラマンの歌を俺が歌うということが本邦初公開。俺自身も子どもの頃は歌ってましたが、その頃はみんなと一緒で普通の子ども達が好きな歌を口ずさむのと一緒。今回はボーカリストの俺、森友嵐士が歌うわけですから、どうなるのか俺自身もわからなくて楽しみです。オーケストレーションとウルトラマンの曲と俺の融合がどういうケミストリーを起こしてどんな形になるかをぜひ楽しみにしてほしいし、あとは俺のことを知らない子ども達にも楽しんでもらえるような何かアクション、パフォーマンスができたらと思います。先日ある番組で、TT兄弟と「ティ〜」って一緒にやったんです(笑)。誰も俺が一緒にやるとは思ってなかったみたいなんですが、TT兄弟と一緒に出演するからにはやってやろうって、心の中で思ってたんですよ。リハーサルではやらずに本番で突然一緒にやったんです。メンバーも驚いていたよ。ある大先輩からいただいた「誰かのための何か」という言葉を大事にしている。二十代でグループを作って、ロックミュージシャンで、俺たちは不良じゃん。でも大人になったらいつまでもとんがっているわけじゃないし。子どもが目の前にいたら、子ども目線で「イエーイ」って一緒に言える大人でいたい。そういう意味でも今回、自分がどういうパフォーマンスをするのか頭を使って、感性も動かしながら幅広いお客さんに楽しんでもらえるステージにしていきたいなと思っています。エンジョイ! イエーイ! です。

ーーすごく楽しみです。ありがとうございました!

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンタイガ製作委員会・テレビ東京




Profile:森友嵐士(もりとも・あらし)1965年生まれ、広島県出身。1991年 T-BOLANシングル『悲しみが痛いよ』でメジャーデビュー。代表曲『離したくはない』『Bye For Now』『マリア』をはじめ、15枚のシングルと10枚のアルバムをリリースし、総売上枚数1700万枚を記録。2020年2月よりT-BOLAN LIVE HEAVEN 2020 「the Best」~繋~ 全国Tour開催決定!!

森友嵐士オフィシャルファンクラブ「SINGING TREE」





『ULTRAMAN MUSIC LIVE〜THE SYMPHONY〜』
日時:2019年12月15日(日)
    ①開場12:45/開演13:30〜
    ②開場16:45/開演17:30〜(「TSUBURAYA CONVENTION 2019」クロージングセレモニーを含む)
会場:TOKYO DOME CITY HALL
公式HP

文/阿部雄一郎

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事