現在絶賛公開中の『スーパー戦闘 純烈ジャー』。ムード歌謡グループ「純烈」が温泉を守るスーパーヒーローに変身、本格的な特撮アクションを魅せる快作は、小林幸子さんが悪の女王役、前川清さんが温泉施設内の売店店長役で出演することも大きな話題を呼んでいる。初日舞台挨拶ではリーダー・酒井一圭さんから続編決定の電撃報告も届けられたことで、さらなる注目を集めている。
アニメージュプラスでは、純烈メンバー、そして佛田洋監督それぞれに作品への思いを語ってもらうインタビュー連載を企画。最終回は特撮研究所代表を務める佛田洋監督が全2回で登場。後編となる今回は純烈を支えた共演者、憧れの “女神” との出会い、プログラムピクチャーというジャンルへの思いを語って頂きました!
▲佛田洋監督
――本作のヒロイン・小林綾子さんも久々の特撮作品出演ですね。佛田 そうそう、『ペットントン』とか『仮面ライダー(スカイライダー)』に出てたものね。俺もそれを観直して現場で挨拶したら、「あの時、村上弘明さんのバイクに載せてもらいました」とか、当時のことをよく覚えててビックリした。でも、まさか出てもらえるとは思わなかったなぁ。演技面でも後上君をサポートしてもらえて、本当に助かりました。
――悪役の四天王に関してはいかがですか。佛田 (エグゼクティブプロデューサーの)塚田(英明)君は全員着ぐるみにしたいって言ってたけど「お金がかかるからダメ!」と、ありものの衣裳を組み合わせて何とか形にして。あと、ザウナ役のムキムキの岩永(洋昭)君。彼は最初スケジュールが難しそうだったんだけど、そこを無理にお願いして何とか出てもらったの。で、岩永君は「出るとなったら脱ぎたい」と(笑)。
――それが無理を聞いた条件ですか!佛田 もう「どうぞ、どうぞ」と(笑)。実際いい身体していますからね。
――純烈ジャーの変身をサポートするのが温泉の女神という設定は、かなりぶっ飛んでいますよね。佛田 塚田君のアイディアです。最初は綾子さんだけだったんだけど「せっかくだから4人各自につけよう」って言い始めたから驚いちゃって。「金がないって言ってるじゃん!」って。
――またそこに戻りますか(笑)。佛田 でもそこは周りのスタッフが頑張ってくれて、ふせえりさん、しのへけい子さんが決まった。で、もう一人の候補を誰にするかを話している中で「中島ゆたかさん、訊いてみようよ」と俺が提案したの。石井輝男監督の『直撃!地獄拳』や『Gメン’75』で観たあの姿が忘れられなくて……。
▲純烈と強い絆を結ぶ温泉の女神。左から赤のオフロディーテ(ふせえり)、青のオフロディーテ(中島ゆたか)、紫のオフロディーテ(しのへけい子)。
――自分の大好きな女優を呼ぶ時にはお金の話は出ない訳ですね。佛田 もう全然(笑)。OKを戴けたので、一番年上の女神様にしました。
――中島さんにサインを貰うために、現場に色紙を持ち込んだという話を小田井さんから聞きましたが。佛田 それは現場じゃなくて、アフレコの時だよ!
――同じですよ(笑)。佛田 中島さんの出演初日にお出迎えをして、その時ソワソワしているのをニヤニヤ見てたんだよね、小田井君。
――特撮に関してはいかがですか、まさかの戦闘機まで登場しましたけれど。佛田 戦闘機は本編撮影に入ったらドタバタになるから、その前に少人数を1日で撮っちゃった。前からあった飛行機モデルをベースにざっくりとデザインして、あとは百均で買ってきた蛇口やシャワーヘッドをつけてそれっぽくした。
――百均とか言わなくていいですから!佛田 しつこいようだけど、お金はないんだよ! いろいろ武器も付けたんだけど、本編では出せなかったなぁ。
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