高橋広樹が語る『劇場版だかいち』スペインで二人は新たな関係に？

──TVアニメシリーズで高橋さんが一番キュンとした准太のシーンを教えてください。

高橋　うーん、キュンとしたシーンかぁ。綾木が高人に言い寄ろうとしているところにスッと後ろから忍び寄ってきて、ニコニコした笑顔で別に怖いことは言っていないけれど、圧力が怖いっていう。ああいうのが好きというか……怖いって思いますね（笑）。あれさえなければ、高人ももう少し早く心開いたんじゃないかなって思いません？

──視聴者からすると准太の魅力の一つですが、高人からすれば怖いだけだと（笑）。

高橋　怖いですよ！　ちょっと怒らせたら何されるか分かんないし、「そんなヤツに俺は身体を許してるの？」って思っちゃいます（笑）。

──劇場版では高人たちがフラメンコを取り入れた舞台に挑戦します。

高橋　フラメンコを取り入れた二人舞台をやるという時点で、きっと高人は完璧にやろうとするなとは予想していました。だから役作りでスペインに行こうとするのも、高人らしいなというか。

──高人は情熱的なフラメンコとは縁遠いようなイメージがあるのですが……。

高橋　ええ、だからきっとそこに高人も苦労したんでしょうね。日本人の思う情熱って「ガムシャラにひたむきに努力する」ところに帰結していくと思うんですけれど、スペインの情熱ってそういうことではないじゃないですか。なんだろう、もう日本人の言葉では言い表せないようなところから出てくるものというか……。結果、ストーリーが進むにつれて、「心の底から湧き上がってくる本当の情熱とは何か」という話になっていくんですよ。そこに行きつくまでの高人を見守ってほしいですね。

──最後に、劇場版での准太との関係の見どころを教えてください！

高橋　今回、高人は自分のことで落ち込むんですよ。今までは准太との関係について落ち込んで、准太のために悩むという姿が多かったけれど、今回はガッツリ自分のことで悩んでいるんです。同時に准太も准太自身のことについて悩むというか、不感症的な自分に改めて向き合うというか。今までは二人の関係に関わる事件が起こっていたけれど、スペイン編ではそれぞれの事件がまずあって、それを追求していくうちにお互いの存在にフォーカスが帰結する形になります。そこを誠実にやってきましたので、ぜひ味わってほしいなと思います。

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