◆映画化に不安なし! 絶対的に信頼の置ける脚本・此元和津也の魅力とは?——そして、先日発表されましたが、2022年4月1日に『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』の公開が決定しました!伊藤 映画でやってみたかったんですけど、どうするか悩んでいて。そんなときに、アスミック・エースさんからお話をいただいて、映画版で観たいという需要があるんだと確信が持てました。
——現在(2021年12月時点)の進行状況は?伊藤 まだまだです。シナリオもこれからなので。
中沢 でも、新規カットは入りますね。
伊藤 いや~、おもしろくなると思うんだけどな(笑)。絶対的に脚本・此元和津也さんの書くストーリーがおもしろいので、僕らはなんの不安もないですね。
——ちょっと踏み込みますが、単純な続編というニュアンスではないんですよね?伊藤 そうですね、 “映画化” という感じです。ただ、P. I. C. S. さんから内容のプレゼンを受けたときに、 “すごい!” と思ったので楽しんでいただけるはずです。
中沢 アニメを観た方も観ていない方も楽しめる内容だと思います。
——楽しみにしています! では、最後におふたりが想う『オッドタクシー』の魅力を教えてください。中沢 ミステリー作品としての完成度が高く、此元さんの脚本が魅力的なところです。最終回に向けて、様々な事件が伏線として散りばめられているのが衝撃的でおもしろい。プラス、現代人に刺さるブラックだけど共感できるリアルなセリフや設定が、よりおもしろさを引き立てていると思います。
——では、共感したセリフとかありましたか?中沢 私は、第9話の「ヒーローの憂鬱」で、ドブが樺沢に対して言った「自分に対する極端な否定と嫌悪。そういうとこが自己愛強いって言ってるんだ。普通の人はそこまで自分に興味ない」というセリフにすごく納得しました。現代人の生きづらさにも通ずるところがありますけど、見た目が動物の姿なのでマイルドに受けとれるのも魅力だと思います。
——そのあたりは脚本の力でもありますよね。中沢 此元さんは会話劇がとても魅力的ですし、セリフの力がすごいですね。
——では、伊藤さんお願いします。伊藤 僕は内容じゃないところで言うと、『オッドタクシー』が生まれてからヒットするまでに、たくさんストーリーがあるところが魅力でした。
——どんなことがあったんですか?伊藤 元々違うテレビ局から話があり、そこからテレビ東京さんになったんです。普段そういうことはあまりないんですけど。あと、オリジナル作品ってなかなか成立しづらくて、本作も何年もかかったんです。でも実現したのは、シナリオの良さに魅了された人が各社にいたからで。ゆえに、「Blu-ray BOXプロジェクト」などいろいろなチャレンジも出来ました。作品を取り巻く人たちや環境も楽しめたのが、プロデューサー視点での魅力だと思います。
——そういった裏側、すごく気になります。伊藤 気になった方は、WEBラジオで細々と喋っているので、ぜひ聞いてください(笑)。スタッフ陣も含めて、主題歌『ODDTAXI』(スカートとPUNPEE)の曲調のようなテンション感なんです。みなさん、等身大というか素でやられている感じがありますね。木下監督と此元さんが絶対にいいものをあげてくれるから、この作品を届けるためにいろいろなことをやっていこう! というフォーメーションができていると思います。
中沢 初見は、オシャレな方が多いなって思いました。
伊藤 あー、確かに。メインスタッフの木下監督、此元さんも初アニメ作品だし、 P. I. C. S. さんも初アニメ制作だったからかもね。作品でもアニメではやらないようなことをカッコよく仕上げてきて、そこが受け入れられた感もあります。アニメだからこうやらなきゃではなく、各セクションのクリエイターさんたちが「俺が頼まれたらこうなんだよね」っていう自然体で作品を表現してもらったところの積み重ねがあったと思います。
——そういうところが、視聴者にも斬新に映ったんでしょうね。伊藤 アニメ業界のみでなく、本当にいろいろなプレイヤーが参加してくれた企画だからこそだと思います。あと、アニメも音楽もやっている当社だからこそ出来た作品のような気もします。『オッドタクシー』みたいな作品を作りたい方は、ぜひポニーキャニオンに入社してほしいなと思います(笑)。
>>>場面カットほかを全て見る(写真8点)(C)P.I.C.S. / 映画小戸川交通パートナーズ