『よふかしのうた』佐藤元の役作りは一杯のトマトジュースから！

──ナズナというキャラクターに関しては、どんな風に捉えていらっしゃいますか。

佐藤　吸血鬼ってもっと怖いものかと思っていたんです。でもナズナの「自分の血を吸って眷属を作る」って言われた時の「飯食うたびに家族が増えたら嫌じゃね？」というセリフが本当に面白くて（笑）。なんだか今までの吸血鬼像を壊すかのような存在で、人間よりも人間らしい面白さがあるなっていう印象があります。
もちろん美少女で可愛いけれど、オジサン臭いところもあるし、いろいろ思うところもあって……というところが、すごく魅力的なキャラクターです。

──そんなナズナとコウの関係については、どう思われていますか。

佐藤　「下手くそだな、この二人」と思って。「あなたを好きになりたいんです」「だから恋を教えてください」っていうのは、なかなか強烈なインパクトだなと思いました（笑）。
とはいえ、二人のような対等の関係は良いなと思っています。

──ナズナを演じる雨宮天さんのアフレコ現場での印象はいかがですか。

佐藤　いや、もう声を聞いた瞬間に「ナズナがいる！」って思いました。雨宮さんとの共演は今回が初めてなのですが、実に明朗快活で気さくな方です。
そんな天宮さんと仲良くなることでナズナとの仲も深めようと考えまして、現場での休憩時間も何気ない雑談や会話を欠かさないようにしました。吸血音もすごくて、「その音、どこから出しているんだ？」って感心して見ていました（笑）。

──佐藤さんに、ナズナやコウのような一緒に夜を遊べる友達はいらっしゃいますか。

佐藤　はい。昔はよく、みんなで夜に集まって飲んだりしていました。お芝居の話をひたすら熱く喋ったり、笑い合ったあの空間が、僕にとってとても心地よかったんです。
あの夜ふかしがなかったら、多分今の自分はなかったろうなって、そう確実に言える大事な時間だったと思います。

──ちなみに、佐藤さんが本作で注目しているキャラクターは？

佐藤　幼馴染のアキラですかね。彼女のコウへの思いや吸血鬼についての考え方が、皆さんの考えに近いものがあると思うんです。また花守ゆみりさんの演技が実に落ち着いたテンポ感で、初めてとは思えない掛け合いのお芝居が出来たんです。本当に花守さんには感謝しかないです。

──最後に、本作のファンへメッセージをお願いします。

佐藤　作中で「今日という日に満足できたか」というセリフがあるのですが、皆さんにもそんなことを振り返りながら、このアニメを観てほしいなと思います。
これまでの「夜」という概念が変わる作品だと思いますので！

佐藤元（さとう げん）
３月22日生まれ。アイムエンタープライズ所属。主な出演作は『Dr.STONE』（クロム）、『君は放課後インソムニア』（中見丸太）、『ブッチギレ！』（一番星）、『HIGH CARD』（フィン・オールドマン）、『弱キャラ友崎くん』（友崎文也）、『境界戦機』（椎葉アモウ）ほか

撮影／大山雅夫

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