• 『純烈ジャー 追い焚き☆御免』リーダー酒井&白川が振り返る制作裏話
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2022.09.03

『純烈ジャー 追い焚き☆御免』リーダー酒井&白川が振り返る制作裏話

(左から)『スーパー戦闘 純烈ジャー 追い焚き☆御免』で主演を務めた純烈・白川裕二郎さん、酒井一圭さん  (C)2022 東映ビデオ


――「銭湯巨神・純烈王」という巨大ロボットが登場するのも大きな見どころですね。

酒井 1作目の時に僕と佛田さんの間で「健康ランドの建物がパカンと割れて、『(太陽戦隊)サンバルカン』みたいに戦艦が出てくるみたいなの、どうですか?」「いいねー!」みたいなやり取りが合ったんですね。結局戦闘機が出てきて、あれで僕自身は大満足だったんですけれど、今回「ロボ、どう?」って言われて。

――そんなカジュアルな感じで(笑)。

酒井 野中(剛)さんのイケメンロボのデザインも良かったし、さらにスーツの完成品を見た時は感動しましたから、僕らはこれに相応しい音楽を作らないとな、と。そこからの作業は楽しかったですね。東京お台場大江戸温泉物語から登場するということで「和の音でいこうじゃないか」と音楽チームと相談して出来た曲を佛田さんに投げて、佛田さんはその曲を基にして場面を作り上げていってくれて。

――まさに音楽と映像のコラボレーションになったと。

酒井 本編のミュージカルシーンもそうですよね。映画音楽としての歌謡曲を物語と一緒に作っていくっていうのは『純烈ジャー』ならではの格別な面白さで、今後も続けていきたいと思う大きな要素です。

――おっしゃるとおりで、今回のバトルシーンは楽曲とのリンクを強く感じる演出になっていました。

酒井 あれはアクション監督の竹田さんですね。動ける白川をメインにした大立ち回りをやるにあたり、4人それぞれが戦う場面で全部違うリズムにしたいって言われたんですよ。そんな曲、誰に頼めばいいんだと思った時、ひらめいたのが岩崎(貴文)君です。前作の「勇気のペンライト」の時も、電話でシチュエーションの説明や曲のイメージを伝えたら「(曲が)できたかも」って言って、本当に2日後くらいに上がってきたんですよ。
で、今回もそんな無理難題を押し付けたらバッチリの楽曲が仕上がって来たんです。そしたら、曲を聴いた竹田さんが「あと2秒縮めてくれ!」って。

――曲の長さをですか!?

酒井 竹田さんの中にはもうカット割りのイメージができてたんでしょうね。それを岩崎君にいったらちゃんと2秒カットしてくれた。そんな二人の天才の橋渡しが、本当に面白かったです。

――そのこだわりを感じさせる、これまで観たことのないバトルシーンだったと思います。

酒井 竹田さんは最初から狙ってたみたいですよ。「ミュージカルみたいに戦いを楽しくするんだよ、カッ、カッ、カーって感じで!」って。

白川 「カッ、カッ、カッ」ってよく言いますよね、竹田さん(笑)。

酒井 「カッ、カッ、カッでわかるだろ!」「わかるかい!」って(笑)。でも観たら本当に面白かった!

――楽曲に関して、他にこだわった部分はありましたか?

酒井 まず先に言っておきますと、前作で影山ヒロノブさんにわざわざ作っていただいた主題歌『NEW (入浴)YORK』が今回1回もかからないという。いや、でも主題歌なのは間違いないですから!

今回こだわったのはOPですね。前作は制作が急遽決まったことから、本来入れるはずの新曲『君がそばにいるから』が間に合わなくて『愛をください~Don't you cry~』から始まったんですね。なので、今年はいつもより前倒しのスケジュールで幸耕平さんに作業を進めていただいて『君を奪い去りたい』を入れられたんです。

で、EDはカップリング『来た道行く道』。作詞は『残酷な天使のテーゼ』の及川眠子さんなんですが、実は6人時代のキャバレー営業していた頃の純烈を観に来てくれていたんですよ。その時に「いつか僕たちにも詞を書いてください!」とお願いしていたんですが、今回遂に夢が叶って。

――またしても、いろんな思いが重なって生まれた作品なんですね。

酒井 そうなの、そうなの。頑張っていればいいことあるよな、ということを本作で改めて感じましたね。

――八代亜紀さんの出演に関しても、酒井さんのこだわりだったんですか。

酒井 これは佛田さんの悲願ですね。八代さんがかつて演じた『トラック野郎(度胸一番星)』の女トラッカーとして出てもらいたい、という佛田さんの熱いオファーを八代さんに快諾して頂いたというわけです。
佛田さんは東映のアーカイブに基づいて、歌だけじゃない別の見せ場をキチンと作るところが凄いと思いますね。この作品でも、いろんな遊びを入れて来ていますから。

――では最後に、撮影時の印象的なエピソードなどありましたらお教えいただけますか。

白川 スーパー銭湯で撮影していた時、ふせえりさんが施設内に設置されたガチャガチャの前にいたのを見かけたので「ふせさん、何してるんですか」と声をかけたらビクッ!として。その時、コロコロっと出て来たカプセルの中にBTSのキーホルダーが入ってたんですね。そしたらふせさん、「違うの、別に好きじゃないんだけれど!」って言い始めて。いや、携帯を見たらBTSのキーホルダーがいっぱいついているし、そもそも好きじゃなかったら回さないだろうって。

酒井 「純烈、ゴメンね……」の気持ちだったのかな(笑)。

――ハハハハ、今回の映画に似たようなシチュエーションがありましたよ!

白川 図らずもリンクしてしまいました(笑)。

酒井 僕は、温泉の女神たち4人が「久しぶり~♡」って挨拶して現場を楽しんでいる様子が印象的でしたね。それが純烈のコンサートに集まるマダムたちの姿と重なって見えたんですよ。純烈の現場と同じように、純烈ジャーの現場でもキャストやスタッフにとっての楽しい雰囲気が作れているんだなって。オーガナイザーの立場としてはそれが一番嬉しいですし、「今回もやってよかったな」って思えましたから。

>>>『追い焚き☆御免』場面カット、酒井一圭さん&白川裕二郎さんの写真を見る(写真20点)

(C)2022 東映ビデオ

アニメージュプラス編集部

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