現在好評放送中のTV アニメ『アークナイツ【黎明前奏/PRELUDE TO DAWN】』は、天災がもたらした謎多き鉱石「源石(オリジニウム)」の影響によって鉱石病という病が発生した世界を舞台に、病によって生まれた「感染者」たちを巡る戦いのドラマを描いている。鉱石病の治療法を研究する製薬会社「ロドス・アイランド」のリーダーとして戦術指揮官・ドクターと共に戦いの最前線に立つ14歳の少女・アーミヤ。その可憐さと強さを併せ持つ存在感は、本作の大きな見どころとなっている。アーミヤ役を演じる黒沢ともよさんに、本作とアーミヤの魅力についてお話を伺った。▲アーミヤ役を演じる黒沢ともよさん
――原作のゲーム「アークナイツ」からアーミヤをご担当されていますが、アニメ化が決まったときのお気持ちを教えてください。黒沢 とても嬉しかったです。ゲームがリリースされて以来アーミヤの声は定期的に収録してきたのですが、共に物語の中を生きたことがなかったので、なんとなく実感がないままにいました。私はキャラクターを他者や環境との関係性の中で実感して行くタイプなので、アニメで物語を生きることでやっとアーミヤを知れるのではないかと期待しました。
――脚本を読んだ時の感想は?黒沢 声優に渡されるのは “アフレコ台本” と呼ばれる指示書のようなものなので脚本は拝読できていないのですが、アークナイツのアフレコ台本は毎話、セリフ以外にそれぞれのカットの状況説明が丁寧で感動しました。
物語に対しては、命のことや尊厳のことなど、現実とリンクしていくこと一つ一つに考えさせられました。俳優として携わるにあたって、覚悟が必要な物語だと思いました。
――アーミヤのキャラクターとしての魅力はどこにあると思われますか?黒沢 一見ちぐはぐな設定と、それを裏付ける盤石なバックボーンだと思います。
こんなに若くてCEOという肩書きも、華奢な体での戦闘能力の高さも、細い声での芯のある発言も。かと思えば揺らぎが見える瞬間もあり、そんなところがミステリアスで、目が離せないところなのかなと思います。
複雑なキャラクターなのに、製作陣の中に全ての理由がしっかりあるので “なんとなく” の表現にならないことも魅力につながっているように感じます。
――アフレコ中のディレクションで、印象的だったことはありますか?黒沢 渡邉(祐記:監督)さんのディレクションはとても愛情深くて、いつも「素晴らしかったです!!」から始まるのが印象的でした。毎回収録前に【書かれてないけど知っていてほしい世界観講座】をたっぷりとしてくださるのがすごく楽しい時間で、もっと聞いていたいと思っていました。
――アフレコ中の思い出があれば教えてください。黒沢 ドクター役の甲斐田ゆきさんが率先していつもポジティブな言葉を発してくださるので、毎回のアフレコが活気に溢れて楽しい時間でした。
お菓子を差し入れてくださることが多くて、アフレコ帰りのかばんの中がお菓子だらけだったこともよくありました。ついにはお塩や梅干しもくださいました。ドクターというよりはみんなのお母さんです。
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