• 『特撮のDNA 仮面ライダーBLACK SUN展』でダークヒーローの世界に浸る
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2022.12.03

『特撮のDNA 仮面ライダーBLACK SUN展』でダークヒーローの世界に浸る

(C)石森プロ・東映 (C)仮面ライダーBLACK SUN PROJECT (C)特撮のDNA製作員会

現在、『特撮のDNA 仮面ライダーBLACK SUN展―覚醒―』が東京・GORGOM BASEにて開催中。Prime Videoで世界独占配信されている『仮面ライダーBLACK SUN』の世界観を体感できる、ファン感動の展示内容を紹介しよう。

『仮面ライダーBLACK SUN』は、1987年に作られた『仮面ライダーBLACK』の魂を受け継ぐ怪奇と残酷の物語だ。人間と怪人が共存するもうひとつの日本を舞台に現代と50年前の時間線を往来しながら進行するストーリー展開、視聴制限18+に指定された過激な描写など、作品のあらゆるところに『仮面ライダー』第1作初期の空気を取り戻そうとしているかのような野心を感じられる。
本展示は白石和彌監督作品で特殊メイクキャップアーティストとして活躍し、『BLACK SUN』で造形を担当した藤原カクセイが監修を務めている。混乱の時代を跋扈する怪人たちのリアリティを様々な形で提示することで、来場者を作品世界へと誘っていく。

会場前には、日蝕が描かれた大きな旗が掲示されている。このイベントの会場名を示す「GORGOM BASE(ゴルゴム秘密基地)」の目印だ。

入場特典のラバーバンド(全2種・ランダム)を受け取って中に入ると、まずは謎の改造手術によって誕生した「創世王」の部屋が目に入ってくる。本編では葵が入手したフィルムによって暴かれた異様な状況が、圧倒的なリアリティを持って再現されている。錆びついた研究室の中に佇む創世王の周りには血の付いた包帯、研究ノートや手術道具がばらまかれた骨組みだけのベッドなどを見るだけで、ここで行われた禍々しき行為を想起させられるだろう。

その隣りには怪人の反差別運動、そして反怪人団体の排斥運動を描くために使われたプロップ類の展示スペースが。床に巻き散らされたアジビラや手描きの看板・のぼりが乱雑に置かれた生々しい雰囲気は勿論のこと、看板の文言一つひとつからも『BLACK SUN』の歪んだ世界が見事に表現されていることが理解できるはずだ。

そんなカオティックな展示とは対照的なのが、怪人の展示スペースだ。本編に登場した怪人たちの(マスク)ヘッドが24個、ケースの中に整然と並べられている光景からは、まるで標本を見せられているような冷え冷えとした感覚が伝わってくる。
本作の怪人の多くは、人間体からの変身により洋服を着たままの姿で登場する。これが奇妙なリアリティを与えていただけに、この展示風景にはドキリとさせられるものがあった。雀怪人にオニザル怪人、ハエ怪人……その造型の細やかさを確認すると共に、ドラマで描かれた彼らの生き様が次々と甦ってきた。

続くスペースでは、黒殿様飛蝗怪人、銀殿様飛蝗怪人のスーツが並び立つ。改めてその精悍さと生物的な質感を堪能でき、興奮させられた。特にSHADOW MOONはメカニカルな旧作のイメージに基づいたシルバーを基調としており、BLACK SUNとは違う存在感をアピールしている。

(C)石森プロ・東映 (C)仮面ライダーBLACK SUN PROJECT
(C)特撮のDNA製作員会

アニメージュプラス編集部

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