• 120年前の怖い話が今なお怖い! ホラーの名作『猿の手』が甦った!!
  • 120年前の怖い話が今なお怖い! ホラーの名作『猿の手』が甦った!!
2023.02.26

120年前の怖い話が今なお怖い! ホラーの名作『猿の手』が甦った!!

『猿の手』

時代をこえて読み継がれる世界のホラー小説の名作を、第一線で活躍する児童文学作家が現代の子どもたちのために読みやすく再話した「ホラー・クリッパー」シリーズが好評だ。

ブラム・ストーカーの原案を、『風の陰陽師』で児童文学者協会児童文学賞を受賞した三田村信行が約125年ぶりに再話した『吸血鬼ドラキュラ』、メアリー・シェリーの原案を、『パソコン通信探偵団事件ノート』シリーズでおなじみの松原秀行、瀧口知恵が約205年ぶりに再話した『フランケンシュタイン』の2作がすでに世に出ているが、このたび、ホラー・クリッパーシリーズ第3弾として、『猿の手』が刊行された。

1902年に発表以来、ホラー短編の最高傑作として世界中で愛読され、後世の作家やクリエーターに大きな影響を与え続けてきた『猿の手』(ウィリアム・ワイマーク・ジェイコブズ原作)。
3つの願いをかなえてくれるという「猿の手」を手に入れた一家に訪れる怖い顛末の物語は、ホラー短編の傑作と、その名も高い。

けれど、「今の時代、3つの願いというキーワードは聞いたことがあっても物語を知る人が少ないのは、残念!」と、11歳で初めて「猿の手」を読んで以来、その恐ろしさが忘れられないという、数々の児童文学賞の受賞歴を持つ作家・富安陽子さんが、現代の子どもたちのために再話に取り組んだ。
表題のほか、「不思議な下宿人」(ヘンリー・カットナー)、「魔法の店」(H・G・ウェルズ)の短編2編も収載されており、読み応えもたっぷりだ。

富安さんは、こう話す。

「11歳のときに『猿の手』の入ったホラー短編集を見つけて初めて読みました。
妖怪や幽霊ものと違って、怪奇の本体は姿を現さないのに、恐ろしい出来事が次々起こっていく、そのじわじわっとくる恐怖が、今でも忘れられません。

大人になって再読して、子どものときよりももっと怖い物語だと思いました。
呪いの道具によって不幸やまがまがしいことが起きる話はよくありますが、この作品では猿の手が直接何かを引き起こすのではなく、人間のワンアクションが災いを呼び込んでしまう。

ほんのちょっとしたことで善良な一家の運命が大きく狂ってしまう、その不条理にぞっとします。
驚きがあって予測のつかない巧みなストーリー展開と、まるでその場にいるような気にさせる臨場感あふれる描写も見事だと思いました。

他の2編「不思議な下宿人」「魔法の店」もホラー入門編としてうってつけの名作です。
アンマサコさんの絵とともに、怪しくも不思議な物語の世界を存分に味わってください」

児童文学の名手が織り成す、100年たってもまだ怖い名作の復活を、震えながら堪能してみては?

>>>富安陽子さんや『猿の手』書影などを見る(写真6点)

アニメージュプラス編集部

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