• 【ネタバレあり】次回作はアニメと特撮の融合? 緑川光&鈴村健一が語る『グリッドマン』のこれまでとこれから
  • 【ネタバレあり】次回作はアニメと特撮の融合? 緑川光&鈴村健一が語る『グリッドマン』のこれまでとこれから
2023.04.21

【ネタバレあり】次回作はアニメと特撮の融合? 緑川光&鈴村健一が語る『グリッドマン』のこれまでとこれから

(C)円谷プロ (C)2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会

TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』『SSSS.DYNAZENON』がクロスオーバーし、両作のキャラクターのその後の姿が描かれることで注目された『グリッドマン ユニバース』。原典である特撮ドラマ『電光超人グリッドマン』にまで遡り、グリッドマンというヒーローを見つめ直した今作は、アニメのみならず『電光超人』ファンからも好評を博した。

今回はグリッドマン役の緑川光さん、アンチ/ナイト/グリッドナイト役の鈴村健一さんによる、ダブルヒーロー対談を実施。『ユニバース』本編の印象的なシーンから、今後の展開への期待までたっぷりと語っていただいた。

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◆色褪せないグリッドマンの魅力◆

――今作はグリッドマン自身の内面も深く掘り下げられた内容になっていたことが印象的でした。

緑川 何十年も経ってより深くグリッドマンの内面を深く知ることができたこと、演じられたことは、僕としても嬉しかったですね。今までも心情が全く描かれなかったわけではないんですが、今回はグリッドマンが感じた裕太への負い目が重要な要素で。ある意味、事件の元凶でもあるので、「すみません」とも思いましたが……(笑)。

鈴村 グリッドマンが事を起こしてくれたおかげで、映画になりましたから(笑)。

――アンチも、物語のキーパーソンとして活躍していました。

鈴村 台本にはキャスト表が付いていて、誰が出るのか気になって真っ先に確認することも多いんです。『ユニバース』のキャスト表を見たら、今まで演じたキャラが全員いて衝撃を受けました(笑)。アンチもナイトもグリッドナイトもいるし、フルパワーグリッドナイトまで出てきて。最初は「どうなっているんだろう?」と思いましたが、台本を読み進めるうちに理解していきましたし、別の次元の物語だった2作をこうまとめるのかと感心しました。細かいことも気にならなくなる説得力があるというか、納得させられる物語の構造をしているなと。


(C)円谷プロ (C)2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会

――特撮好きで知られる鈴村さんですが、『電光超人グリッドマン』は放送当時ご覧になっていましたか?

鈴村 はい、リアルタイムで観ていました。今でこそ毎年ウルトラマンの新作が放送されていますが、当時はTVからいなくなっていた時代で。みんなが新しいウルトラマンを熱望していたところに『電光超人』が始まって、「ウルトラマンじゃない円谷プロさんの新作だ!」と注目したんです。グリッドマンはアバターみたいなものだとか、コンピューターワールドはメタバース的な世界だと今は理解できますが、それを90年代に描いていたのがすごいですよね。「めちゃくちゃ新しいことをやっているな」と思いながら見ていました。ここまで今、再評価されるべき作品はなかなかない気がします。そんな『電光超人』と近年のアニメ作品を、緑川さんがグリッドマンを演じ続けることでつないでいることも素敵で。緑川さんの存在がなかったら成立していないと思います。

緑川 オーディションも何も受けていないんですけどね。なぜ僕に話が来たのか、いまだによくわからない(笑)。でも、鈴村くんと同じく僕もウルトラマンを見て育ったので、『電光超人』当時もウルトラマン的なヒーローを演じられたことに満足していました。グリッドマンは今見てもデザインが本当にカッコいいし、後から登場した武器やメカも僕好みで。

鈴村 言われてみると、確かに緑川さんが好きそうな感じ(笑)。

緑川 子どものころからロボットものも好きだったから、メカと合体してロボットっぽい見た目になるのも良かったですね。「なんだこいつ、カッコいいな」と演じながら惚れ惚れしていました(笑)。京本政樹さん監修のソフビが出たことも嬉しかったです。

――グリッドマンは今見ても全く遜色がない、洗練されたデザインですよね。

緑川 本当にそう思います。メカとの合体や掛け声以外に普通に喋ることも、当時は新しくて衝撃的でした。

鈴村 結構喋るんですよね、グリッドマン。合体要素は今のウルトラマンシリーズに少し受け継がれていますけど、当時はほかにありませんでしたし。東映さんの合体ロボの流れを汲んだのが興味深くて……これ、語ると長くなるので止めましょう。

一同 (笑)


(C)円谷プロ (C)2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会

◆アンチとアカネの物語の結末◆

――今作で特に思い入れのあるシーンを挙げるとしたら?

鈴村 やっぱり終盤のアカネとのシーンです。生みの親であるアカネに自分の言葉で、自分の想いを伝える。あれがアンチの物語の一つの決着だと思いましたし、とても胸が熱くなりました。

――アンチではなく、ナイトの姿で伝えるというのもグッときました。

鈴村 そうですね。自分で自分の心を押さえつけていることに気づかなかったアンチが、あれから2代目といろいろな場所を旅し、さまざまな経験をしたことが感じられて。成長したからこそ、「生きるって素晴らしい」「アカネ、ありがとう」と言えたのかなと。あのやり取りはアンチだけでなく、アカネの物語も帰結したと感じられて、『ユニバース』屈指の名シーンだと思います。

緑川 「私は弱い!」と言い切ったのは印象的です。ヒーローがクライマックスで言うセリフじゃないですし、潔い(笑)。でも、自分自身は弱くても周りのみんなで協力すれば、というのは作品のテーマでもあって。最初は面食らいましたけど、共感を覚えて感動しました。そこから最後に主人公が決める、というのも王道ですよね。

鈴村 僕も最後の戦いは大好きです! 「グリッドマンを勝たせることだ!」とアンチが託して、グリッドマンが決めてくれるのが最高だった。

――今の二人の関係性が見えたように思います。グリッドマンが「弱い」と言うのは、『電光超人』時代の描写を踏まえると、とても腑に落ちた感覚がありました。

緑川 どんどん強化パーツがついたしね。

鈴村 確かに(笑)。どれも自力で生み出していないし。

緑川 グリッドマン自身が弱いからこそ、破壊の力ではないフィクサービームが活きてくるんじゃないかな。


(C)円谷プロ (C)2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会

アニメージュプラス編集部

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