【最終的にどこまで幸人が変化するのか楽しみ】――アフレコ現場の雰囲気はいかがですか。上村 すごく良い雰囲気ですよ。オリジナルアニメだということもあり、スタッフの方からも「分からないことや、どういう風に台詞を言うか悩むことがあったら、すぐに聞いてください!」と言っていただいたので、第1話の収録から色々試させてもらいました。
特に呪文を唱えるシーンは文言自体も難しいのですが、キャラクターごとに唱え方を変えています。幸人は一生懸命ストレートに、そして尽義は呟くように……という風に、振る舞いひとつにもしっかりキャラ分けがされているんです。
まさにオリジナル作品だからこそできるこだわりだと思いますし、そういうやり取りを1つ1つこなしながら進められているのはありがたいです。
――幸人を演じる上で、特に意識した部分などはありますか。上村 最初に第1話のテスト収録で幸人を演じた時、聞いていたディレクターさんから「(狙いよりも演技が)前向きな印象なので、これから時間をかけて、その位置へ持っていくイメージで進めましょう」という指摘を受けました。
なので、周りに心を閉ざした状態から段階的に少しずつ幸人を変化させていくようにディレクションしていただいています。最終的に幸人がどのような人物になるのか、僕も演じさせていただきながら楽しみにしているところです。
――微妙な心の変化の演技は、さじ加減が難しそうですね。上村 そうですね。でも、そこを探っていくのは結構楽しいです。毎回、幸人がどこまで変化できたのかを知ることもできて面白いです。
あと今回は完成に近い映像でアフレコを行うことができて表情も確認できたのですが、「一見明るい表情をしていても、まだ心の距離がある」みたいな場合もあるので、見えている情報だけに囚われすぎずに演じるよう意識しました。
――映像が見られたことで、演じ方が変わった部分もありますか。上村 台本を読んでいるだけでは想像できないところが理解できました。
例えば<アラミタマ>という存在とのバトルシーン、これは台本だけではどんな戦いが繰り広げられるのか、正直想像しづらいです。映像のおかげで「こんなに迫力があるんだ」と一目で理解できて、演技のイメージがしやすかったです。
【もし水を操る力を持っていたら?】――では本作にちなみまして、もし上村さんが幸人のような水を操る力を持っていたらどう使いたいですか。上村 実は僕、水とは結構縁があるんですよ。小さい頃から水泳をしていましたし、今もスキューバダイビングが好きなので、もし水を操れる力があったら水底まで潜って色々な景色を見てみたいです。
――趣味に活かすんですね。日常で水を操る力を使いたい場面はありますか?上村 すごい癖っ毛なので、梅雨の時期は髪が爆発した状態になっちゃうんですよ。そういう時に湿気を全て取り除きたいです。
――それはかなり切実な問題ですね(笑)。上村 ヘアメイクさん泣かせの髪で、本当に困っています……。
【最後に】――最後に、放送を楽しみにしているファンの方へメッセージをお願いします。上村 幸人を中心に、信念を持ったキャラクターたちの変化を感じながら、島ならではの空気感を楽しんでいただけるような作品になっています。綾ヵ島でそれぞれが奮闘する姿を温かく見守っていただきたいなと思います。
>>>インタビュー時の上村祐翔さん撮り下ろしカットをすべて見る!(写真15点)撮影/大山雅夫