――田丸さんがオリバー、貫井さんがナナオを演じているからこそ魅力的に感じる部分はありますか?田丸 裏がない芝居って意外と難しいんです。ちょっとセリフに力が入ってしまったり、語尾に少し息が混じってしまうだけで裏があるキャラクターに見られてしまう。でも、貫井さんはそんな裏がないお芝居ができる技量を持った方だと、1話の収録の時に感じました。
貫井 オリバーのことを「精神的支柱になっているキャラクター」だと言いましたが、田丸さんもそうなんです。お隣にいてくださるからこそ、安心してナナオが演じられる。お芝居でも支えられていました。
――すでにアフレコを終えていると聞きました。印象に残っている出来事はありますか?田丸 アフレコ中はみんな仕事に集中しているので面白い話はないのですが、アフレコ外ならあります。第1話を録り始めた頃は、まだコロナ禍が深刻な状態で「みんなでご飯に行くのは難しいな」と思っていたのですが、10話くらいの頃に少し規制が緩和されたので、やっとメインキャスト6人(田丸さん、貫井さん、ミシェーラ=マクファーレン役・山田美鈴さん、カティ=アールト役・大和田仁美さん、ピート=レストン役・杉山里穂さん、ガイ=グリーンウッド役・菅原慎介さん)でご飯に行くことができました。
――誰がリーダーシップを取るのですか?田丸 その時は僕が皆さんに声を掛けました。共演したことがない方もいたので、後々イベントをやる時のために一度全員が集まってそれぞれの性格を知っておいた方が良いかと。でもリーダーシップと言われると、僕じゃない気がする(笑)。
貫井 そんなことないですよ! でも杉山さんとかも「こういうこと、皆さんでどうですか」って声かけてくれたりしますよね。
――そんな楽しいメンバーが演じるキャラクターたちも魅力的です。他にも個性的な登場人物たちがたくさんいますが、気になっているキャラクターはいますか?田丸 これは悩む……。
貫井 全員濃いですからね(笑)。
田丸 でもやっぱり、エスメラルダ校長(CV:田中敦子さん)ですね。第1話で声を聞いた時に「俺はこの声に勝てるのか?」と思ってしまいました(笑)。その声に生徒たちが委縮してしまう描写がされているのですが、僕もその圧に圧倒されてしまったので。オリバーとしても、声優・田丸篤志としても気になるキャラクターです。
貫井 私は、一応ナナオはヒロインだと伺っていたんですけれど……。
田丸 (笑)
貫井 田丸さんも思いますよね? ヒロインポジションにいるのがピートだってこと!
田丸 ポスターを見てください。オリバーに守られている感を一番感じるポジションにピートがいるんですよ(笑)。
貫井 放送をぜひ楽しみにしていただきたいのですが、ピートは大事なところでよく転ぶんですよ。あざとい!(笑) それに対してナナオは守ってあげたくなるというより、むしろとても頼りになるポジション……。
田丸 戦闘になった時、放っておいても大丈夫だしね。
――すごく強いですものね(笑)。田丸 そうなんです。ナナオは誰よりもめちゃくちゃ強いんですよ! それに比べてピートは……「守ってあげないと!」という気持ちになる。
貫井 カティも庇護欲が湧くキャラクターですし、ヒロインポジションが危うい!……まぁ、でもそこがナナオの魅力なんですけどね。そういった別の意味で、ピートが気になっています(笑)。
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