• 【スタジオジブリ】日本テレビ子会社化を決意させた「未来と変化への目線」
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2023.09.24

【スタジオジブリ】日本テレビ子会社化を決意させた「未来と変化への目線」

記者会見冒頭で握手を交わすスタジオジブリ代表取締役社長・鈴木敏夫、日本テレビ放送網代表取締役会長執行役員・杉山美邦

9月21日、スタジオジブリは記者会見を開催し、日本テレビ放送網(以下、日本テレビ)がスタジオジブリの株式を取得し子会社化することを発表した。

記者会見にはスタジオジブリ代表取締役社長・鈴木敏夫、同取締役・中島清文、日本テレビ放送網代表取締役会長執行役員・杉山美邦、同取締役専務執行役員・福田博之が登壇。まずは鈴木プロデューサーから、今回の経緯と「これからのジブリはどうなるのか」についての説明が行われた。
▲(左より)記者会見に登壇したスタジオジブリ取締役・中島清文、スタジオジブリ代表取締役社長・鈴木敏夫、日本テレビ放送網代表取締役会長執行役員・杉山美邦、同取締役専務執行役員・福田博之

「宮﨑駿と僕は、気がついたら出会って45年の付き合いです。と同時にジブリもスタートが1985年。そこから数えて38年。そういう中で、ジブリはどうなるのか。この問題は僕自身がすごく悩んできました。
ジブリはもの作りという仕事をやる一方で、会社を経営しなければならなかったのですが、宮崎が82歳、僕も75歳。皆さんおわかりのとおり後期高齢者で、一種「老害」みたいなことも考えなきゃいけない年齢になって、スタッフともいろいろ相談していました。

僕はそれをすごく簡単に考えていて、宮崎吾朗にすべてを託そうとしたんですが、彼といろんな話し合いをした結果『自分一人がジブリを背負うのは難しい』と。僕らが始めた時と違っていまのジブリは、ぼくらの想像を超えて大きい存在になった。それをいきなり息子だからといって、吾朗君に全部預けちゃうのは、これは、やっぱりこちらにとって虫のいい話で、それを受けざるを得ない吾朗君にはとんでもなくしんどい話になる。

そういう中で、僕らが考えたのは、この先やっていく時に、やっぱり個人ではなくて、大きな会社の力を借りないと、やっぱりうまくいかないのではないか。そうしないと、ジブリで働いている人たちも安心して働くことができない、などと考えた次第です。
ジブリと日本テレビは、本当に長いお付き合いです。『(風の谷の)ナウシカ』のテレビ放映から始まるんですが40年近くなるので、日本テレビさんにお願いするのはファン含めみなさんのご納得をいただけるのではないか、と。

そこで杉山さんにご相談して、スタジオジブリは経営の部分を当面今の日本テレビさんにやっていただきます。日本テレビさんに経営を全部預けて、僕らは作品作りに没頭する。日本テレビさんからも『今まで通りジブリはやってもらって構わない、その中で両者の関係を深くしていこう』となりました」

日本テレビ・杉山会長は「鈴木さんの提案を真剣に受け止めて、経営をサポートして、いろんな事業を円滑にできるようにしていきたい」と語り、この度スタジオジブリの新社長となる福田氏は「私はスタジオジブリ設立の年に日本テレビに入社しまして、これも何かの縁だと思う。この度大役を仰せつかって大変緊張しておりますが、できる限りの力を使っていきたい」、そしてスタジオジブリの副社長となる中島氏は「今後もスタジオジブリが宮﨑さん、鈴木さんの二人を中心にして動いていくために、日本テレビさんのご協力を賜るというというのが今回の主旨だと受け止めております。そのほかに宮崎吾朗を中心にジブリ美術館・ジブリパークなどの創作活動も進めていくことになりますので、社内のまとめ役として頑張ってまいります」と、それぞれ今回の新体制への期待を語った。

アニメージュプラス編集部

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