――そんな息子・恵と甚爾との激しい闘いが、 第40話「霹靂」(第2期16話)で描かれました。物語の印象はいかがですか?子安 五条との戦いの時と同じで、実際は恵は甚爾を父親だと認識していないんですよね。「なんだこいつ」と思われているという(笑)。
内田 そうなんですよね。やたらと強い、ヤバいやつが突然現れたぞって(笑)。
子安 映像もすごかったですね。原作をさらに味付けしていた。
内田 描写の膨らませ方がすごかったですよね!
――お芝居について、何かお2人で話したことはあったのですか?子安 演技についてはないのですが、別の現場で雄馬くんと一緒になった時に「今度よろしくね! 楽しみなんだ!」と話しました。とはいっても、恵と甚爾が会話するシーンなんて少ししかないんですけどね。でも、本当に楽しみだったんです。
コロナ禍で分散収録が多かったので、たった数言の会話でも、同じ空間で同じ時間を共有しながら演じるとやはり違う。肩を並べてセリフを掛け合えることがどれだけ嬉しいことか、改めて感じました。
内田 誰かと掛け合うと、自分が作品に入っている感覚がより深まると思います。つねに役の思いを考え、その役として呼吸をするようにしていますが、一緒に録って緊張感を共有すると、より感覚が研ぎ澄まされるというか。一緒にいないと生まれないものは、絶対にあるんですよね。
今回は、本当に子安さんと一緒に録れて良かったです。恵は甚爾を父親だと認識してはいませんが、役ではなく内田雄馬としては “親子” としての意識があって、なんだか安心感を覚える現場でした。
子安 僕もあれ以来ずっと、雄馬くんのことを本当の息子のように感じてしまって(笑)。実際の息子とも年齢が変わらないので、自然と父親の感覚になり、あの最後のセリフに繋がりました。その感覚を共有できたことは嬉しいですね。
――これまでの登場シーンを振り返って、ご自身が演じるキャラクターの魅力に感じる部分を教えてください。子安 僕は原作を読んだ時から、甚爾に一目惚れしました。人間的にダメだけど強いって、すごくかっこいいですよね。見た目もすごくかっこいいですし、生き方にも少し憧れる部分があります。何のしがらみもなく、自分を解放して、好きなことをして生きるってどんなに楽しいんだろう。実際にはこんな生き方はできないので、だからこそ声優として演じることができて嬉しいです。こんな幸せなことはないですよ。
内田 そんな甚爾と比べると、恵ってしがらみだらけですよね。表面的に見ればクールですし、言葉を大きく発することもしない。しかし、内ではすごく人のことを見て、考えている。そして色んなことを考えた結果、自分を犠牲にする選択までしてしまう人。その “表に見せない部分” を演技にどう乗せられるか毎回悩むところではあるのですが、彼の魅力はそこにあると思っています。
――「渋谷事変」後半放送に向けて、視聴者へのメッセージをお願いします。子安 まだまだ過酷な話が続いていきます。これからは視聴者として、うちの息子がどれだけ頑張っているのか、草場の影から見守っていきたいなと思います(笑)。
内田 本当にしんどいシーンの多い「渋谷事変」。しかし、ここからがよりハードな戦いになっていきます。登場人物みんなが必死で生きているので、覚悟して最後まで見届けてください。
>>>恵、甚爾の場面カットを見る(写真6点)(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会