• 【魔法科】三月のパンタシアが語る!深雪の“闇”『スノーノワール』
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2024.05.31

【魔法科】三月のパンタシアが語る!深雪の“闇”『スノーノワール』

三月のパンタシア 9th Single 「スノーノワール」


■惹かれ合ったまま引き裂かれる“幸福”

――また、配信中の「僕らの幸福論」は公開中の映画『ハピネス』の主題歌です。

みあ:この映画は、主人公である高校生の男の子・雪夫くんが、彼女である由茉から自分が余命1週間であると告白されることから話が始まります。残り1週間しかないからやりたいことをやる、ロリータ服も着たいと。なのでMVには今までの三月のパンタシアには出てきたことがない、青いロリータ服の女の子が出てくるんです。そんな残り少ない人生を前向きに生きようとする姿が描かれるのですが、映画サイドからは、主人公・雪夫くんの心情を歌ってほしいというリクエストをいただきました。

――でも、雪夫くんのようには、なかなか考えられないですよね。

みあ:すぐには無理ですよね。死に向かっていくことで逆に生の尊さを浮かび上がらせた作品ですけど、とは言えここまで肯定的には受け入れられないかもしれない。失うことの恐怖もあるから、どうしても暗くなってしまうと思います。映画の中ではここまで悲しめるほど愛する相手と出会えたことは幸福だと描かれています。幸せって何だろうって、問いかけている映画でもあるなと。曲名の「僕らの幸福論」も、2人にとっての幸福は、初めて愛を知れたことだったということに由来します。例えその先に引き裂かれる運命があるにせよ、惹かれ合ったまま引き裂かれる幸福があることを、あなたのおかげで知ることができた。惹かれ合ったまま引き裂かれる“絶望”ではなく、それを幸福と捉えることができた、主人公の強さや考え方を歌えたらいいなと思いました。

――余命何年の何々とか、いろいろな作品がありますけど。

みあ:余命モノは多いですが、『ハピネス』は主人公が高校生なので、若さならではの生命力、ピュアさがあります。三月のパンタシアのファンには中高生など10代が多いのですが、映画の主人公たちと同世代のリスナーの皆さんに、愛というものを真っ直ぐ歌ったこの楽曲が、どう響くかすごく気になります。

――個人的には〈瞼はみ出す幸福の日々に〉という表現がいいなと思いました。

みあ:ありがとうございます。作詞をするにも小説を書くにも、普通のことを普通に書かないようにしたいと意識していて。〈瞼はみ出す幸福の日々に〉は、心には相手のことがいっぱいであふれていることを、どういう言葉で表現しようかと考えて、絞り出したフレーズでした。

――映画主題歌は初めての経験ということですが、手がけられていかがでしたか?

みあ:映画の完成披露試写会で、映画館の大音響で自分の歌を聴いたのですが、純粋に感動しました。エンドロールと一緒に歌が流れている中で、鼻をすすって余韻に浸ってくれている方もいて、そうしたお客さんの反応を直接観られるのも、映画主題歌の醍醐味だと思いました。公開中に何度か、こっそり観に行って皆さんの反応を観察したいと思います。

――そして8月24日(土)には、Zepp Shinjukuにてワンマン公演「三月のパンタシア SUMMER LIVE 2024」を開催します。

みあ:Zepp ShinjukuはLEDビジョンが設置されているのですが、三月のパンタシアのライブは、物語をベースに音楽と映像を掛け合わせた演出で世界観を体感してもらうものになっているので、演出的にも面白いことがたくさんできそうで楽しみです。三月のパンタシアにとって映像の力は大きくて、イラストを使ったリリックビデオのMVを流しながら歌うことも多く、それによって物語がより伝わりやすくなっています。インドネシアで開催された「AFA Indonesia 2024」でも映像を使った演出が好評で、言葉を越えて音楽でつながれていること、音楽で語り合えていることを体感しました。8月のライブでは今回の2曲も歌う予定です。ぜひ三月のパンタシアが描く物語を体感しに来てください。

※本特集記事の取材の後「スノーノワール」の制作を担当されたNEEのくぅさんがお亡くなりになりました。ご冥福をお祈り申し上げます。



アニメージュプラス編集部

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