• 佐倉綾音が語る! 平尾アウリの楽しみ方! 佐倉&平尾 対談! 後編
  • 佐倉綾音が語る! 平尾アウリの楽しみ方! 佐倉&平尾 対談! 後編
2020.04.04

佐倉綾音が語る! 平尾アウリの楽しみ方! 佐倉&平尾 対談! 後編

佐倉綾音さん(左)と平尾アウリ先生(右)


くまささんが品格を決める!



——いろいろなスタッフさんや声優さんの話をきくと、みんな愛があってやっているというのが伝わります。だからいいものができてるんだなと。

平尾 どうやったら恩返しできるんだろうって考えちゃいます。

佐倉 先生が描き続けてくれることが恩返しになると思います。私、くまささんのエピソードがとにかく好きなんです。くまささんのアイドルの推し方って本当に優しいじゃないですか。人間対人間と、人間対アイドルのちょうど真ん中をちゃんと歩いていて、自分より他人の幸せを願えるタイプ、のような。えりぴよさんもちゃんとそういうところがあるけれど、自分のほうが大切になっている場面とかもちょっと見受けられて。自分に対して好意的でないように見える子に、よくあんなに惜しげも無く感情をぶつけられるなと思うのですが。くまささんとれおの関係性は、ちゃんと成立しているというか、1ミリもお互いが踏み外していない感じがすごくよくて、何かわからないけど泣いてしまいそうになるんですよね。くまささんの優しさは、アウリ先生の中のくまささんなのかなと、今の先生の言葉を聞いて思いました。

平尾 そうありたいと思っています。自分の中の、理想のオタク像です。人間慣れしていない感じとかも。

ーー監督が「くまささんの振る舞いがこの作品のキャラクターたちの品格を決める」とおっしゃっていたようです。

佐倉 確かに。

ーーオタクの中では一目置かれていて、くまささんの振る舞いがお手本になる。こういうちゃんとした人に推されてると、推されてるアイドルの振る舞いもちゃんとしてくる、ということをおっしゃっていました。実際にそうなっていますしね。

平尾 すごい! くまささんがそんなふうに思っていただけてよかったです。


——Blu-ray Vol.1に同梱される、原作の「第0話」も読んでいただきました。いかがでしたか。

佐倉 ヤバかったです。どう考えても最初は、えりぴよはなぜ舞菜を推してるんだ?  と思うじゃないですか。その答え合わせみたいなものかなと思って読んだりしていたんですが、結果的に答えは物理的には出てなくて。ただ、好きなものに対して「こうだから好き」っていう理屈付けや言い訳はたくさんできると思うんですけど、結局本物って、説明できないところに存在していたりするんだろうなっていうのが、すごく理解できて。説明できる好きなものの好きなところって、じゃあそれが全部、好きなものの中から急になくなったら、どうなの?  って。その残ったものを無条件で愛することはできるの?  と考えた時に、それで愛せなくなったら、それは本当の愛ではないんじゃないかって。理屈を越えた何かで好きになってしまったら、その人がどうなろうと、どう転ぼうと、どう進もうと、多分好きなままでいてしまうと思うんですよね。えりぴよさんの中で舞菜は、多分そういう存在になってしまったんだろうなって。えりぴよが「舞菜のここがこうだから好きなんだ」って100%断言しなくてよかった、と思いました。…えりぴよさんも先生も、そこまで考えていらっしゃらないかもしれませんが(笑)。勝手なオタクの深読みですけれど。

平尾 (笑)。いいと思います!  もともと、あの頃のお話って、全然考えていなかったんです。このオファーをいただかなかったら、おそらく一生描いてなかったと思います。そもそも好きになるのに理由とかいらないと思っているので。

佐倉 合ってる…!
▲「第0話」試し読み映像

ーー描きたくなかったのでしょうか。

平尾 描きたくないわけじゃないんです。機会がないというか、描く必要がなかったというか。言わなくてもいいことかと思っていたのですが、でも言わなきゃみんなわからないんですね。

佐倉 「理由がない」って漫画で描くの難しいですよね。

平尾 そうですね。

——「第0話」は、作業的にはどれくらいかかったんですか。

平尾 実は、すごく早かったんです。「描けるな」って思ってからすぐだったと思います。きっと、多分自分の中にあったんだろうな。

佐倉 私、このお話が最終話の内容なのかと思っていました。えりぴよが舞菜を追い続ける理由。ずっと続いていてほしいけれど、どんな作品もずっとは続かないんですよね…。

文/阿部雄一郎