• 『ゴールデンカムイ』小林親弘×白石晴香 ゴールデンコンビ対談!
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2020.12.29

『ゴールデンカムイ』小林親弘×白石晴香 ゴールデンコンビ対談!

(C)野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会



――オンエアを観て気になったシーンはありますか?

小林 めちゃくちゃたくさんあります。

白石 ですよね。自分が出ているシーン以外は、ほぼまっさらな状態でしたから。

小林 これまでは現場での芝居に触れた上で観ることができていたので、なるほどこのテイクを使ったんだ、という見方ができたんです。でも今回は、オンエアで使われたテイクがテストと本番のどっちなのかわからない。とくにエノノカや勇作のような新キャラクターはオンエアでの印象がすべてなので、現場でどんな試行錯誤があったのかすごく気になりました。きっとこのギャグシーンはテストではいろいろやったんだろうな、とか。白石さんも、アシ(リ)パさんがトドの脂身で「ゔぇあッ」となるところはひと晩中練習したって言ってたよね。

白石 いかに汚い音を出すかですね(笑)。

小林 そこ? って思うけど、そういうところが大切なわけで。さすがだな、と。

白石 もちろん練習したのはそこだけじゃないですよ(笑)。でも、あのシーンにはアシ(リ)パさんの魅力が詰まっていますから。

小林 うん。とっても魅力的な「ゔぇあッ」だった。

白石 (笑)。第二期まで一緒にやってきた方だと、オンエアを観ていても収録しているときの表情が浮かぶんです。杉元がハラキリショーで「うぇへへ~い」となるシーンは、小林さんも楽しんでやっている印象でした(笑)。

第三期より
第三期より

小林 あそこは一発OKでしたね。

白石 声が明らかに楽しげでした。気になったといえば、人斬り用一郎のお話も衝撃でしたね。清川(元夢)さんのお芝居が素敵すぎて、スタジオで間近で観たかったです。

小林 ホント、あれは生で拝見したかったよね。あまりにすごかったので、放送後に清川さんのお歳を調べちゃいました。85歳でこういう芝居ができるんだな、って。あれはちょっと真似できないですね。

――同じ役者としてどの辺がすごいと思われたんですか?

小林 そのまましゃべっている感じなんです。お芝居ではあるんですけど、思ったことをポロッと口に出しているぐらいに力みがない。まるで仙人みたいで、自分が同じような歳になった時にあんな芝居ができるんだろうか? と。

白石 アニメのアフレコはボールド(ガイド映像に表示されるセリフのタイミングや長さを伝えるテロップ)が決まっている中でお芝居をするので、どうしてもそこにはめにいく作業がのってきちゃうんです。普通にしゃべるのがいかに難しいかを身に沁みて感じているので、清川さんのお芝居には本当に感銘を受けました。

小林 あと、別角度ですごかったのが長谷川役の中野泰佑さん。放送後の皆さんのリアクションがめちゃくちゃ楽しみでした(笑)。

――最後のセリフだけ大塚芳忠さんがやられているのかと思ったら、エンドロールに名前がないという(笑)。

小林 ですよね。実は最後のセリフのほうが、中野さんの地声に近いんですよ。ちょうど同じ時期に海外ドラマの収録で中野さんとお会いして、ひと駅分ぐらい一緒に歩いて帰ったんです。そのときに、顔は違うのに芳忠さんとしゃべっているように感じるぐらい声がそっくりで驚かされました。

白石 本当に見事なキャスティングでした。オンエアを観た母もわけがわからなかったみたいで、LINEで「ねえ、どういうことなの?」と聞いてきたぐらいです(笑)。お話自体も衝撃的な展開でしたし。

第三期より
第三期より

――終盤は両陣営が入り乱れての展開となりますが、収録現場の雰囲気はいかがでしたか?

白石 てらそまさんは『ゴールデンカムイ』のことが大好きなので、最終話の収録では「これで終わりなの? やだー!」と仰ってました(笑)。キロランケの最後は、てらそまさんのお芝居が本当に素敵で。アフレコは4人で録ったんですけど、コロナ対策で1つのブースに入れる人数が決まっていたので、てらそまさんだけ個室だったんです。アシ(リ)パさんの中ではいろんな感情が渦巻いている状況でしたが、私個人としてはてらそまさんのお芝居を聴きながら泣きそうになっていました(笑)。

小林 その日は僕も白石さんと同じブースにいて。別のブースから声だけ聴こえたてらそまさんの「ソフィア…!!」のセリフがとてもよくて、自分も頑張ろうと思いましたね。キロランケは過去に皇帝を殺したりしてますけど、彼には彼なりの正義がある。しかもアシ(リ)パさんと旅をしているときは、全然悪い人に見えなくて。杉元目線だと、アシ(リ)パさんを巻き込みやがって、みたいな感じはありますけど、やっぱりキロランケの死は悲しかったです。

白石 キロランケが亡くなるシーンで、アシ(リ)パさんが「キロランケニ(シ)パ…」と3回言うんです。それが本当に難しくて。

小林 2、3回やってたっけ?

白石 2回やりました。アシ(リ)パさんを取り巻く状況を踏まえた上で、あの年頃の子が目の前で人を看取るのってどんな感じなんだろう、と。家でも練習したんですけど、そのときはどうやってもしっくりこなくて。

小林 心の準備ができている状態で看取るわけじゃないからね。

白石 はい。泣きながら言っている感じではないですし、かといって平坦な言い方も違うでしょうし。同じ言葉を続けて3回言うのが難しくて、最後のひと言を発するところまでひとりではうまく持っていけなかったんです。収録では、てらそまさんのお芝居に導いてもらいました。

第三期より
第三期より

――その前には杉元とアシ(リ)パが再会する大切なシーンもありますが、こちらはいかがでしたか?

小林 どうだった?

白石 それまで収録が別々だったので、やっと小林さんと一緒にできるという喜びがありました。二人が再会するあのシーンは……感動的でもありますし。

小林 何か含みがあるんだけど、どうしたの? そのあとのことは気にせず、再会だけを考えて(笑)。

白石 すみません(笑)。ゴールデン・ウォーターのことが……。

小林 あのシーン、アシ(リ)パさんは大変だったよね。

白石 原作を読んだときは、普通にかかっているだけだと思っていたんです。でも、ディレクションで「あれにおぼれてください」と言われて、「え!? ちょっとやってみます」みたいな(笑)。

小林 一発OKだったよね。完璧な答えで返してきて、すごかった。これまで培ってきたものがあったからこそ、思いっきり翼を広げてはばたけた感じ(笑)。間違いなくおぼれてましたもん。

白石 二度とできない経験でしたね(笑)。

小林 たしかに(笑)。

白石 そのシーンを録る前に、伊藤さんを交えた3人で「ここはアドリブをやりますか?」みたいな話もしましたよね。そういうやり取りも懐かしくて、いいなこの感じ! って思いました。

小林 台本にはとくに何も書かれてなくて、音楽だけで処理するのか、笑い声を入れるのか決まっていなかったんです。それで「笑い声も1回入れてみましょうか」となって。結果、オンエアでも入っていたもんね。

白石 そうですね。原作を読んでいたときから二人に早く再会してほしいと思っていたので、お互いの存在をはっきり確認できた嬉しさがすごく出ていた気がします。

小林 本当にあてのない旅をしてきたからね。その前に白石と会えたのも奇跡みたいなものだし。

白石 あのシーンは、先に小林さんたちが録った音声があったんですよ。伊藤さんがそれに合わせて録っているのを後ろから観ていたんですけど、終わったあとで伊藤さんが「杉元がちょっとカッコよすぎないか」って(笑)。原作を読んだときに脳内再生したイメージ以上のものでしたし、グッときました。

小林 本当? ありがとうございます。

第三期より
第三期より

(C)野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

アニメージュプラス編集部