●書店員：栗俣力也オススメ！ 異世界マンガ３選！
＜栗俣力也＞
小説とマンガが好きな書店員。絶版書の復刊プロデュースを数多く仕掛けるなどヒット本を発掘することで知られ、読者や出版業界関係者に「仕掛け番長」の愛称で呼ばれる。
☆キュンキュンすること間違いなし⁉ 恋がしたくなる異世界マンガ
『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』原作：ざっぽん、漫画：池野雅博、キャラクター原案：やすも／出版社：KADOKAWA
勇者の「導き手」として、勇者パーティで活躍をしていた主人公。「導き手」は初期レベルが生まれた時から高いという能力があるのだが、それ以外は武技も魔法も使えない。彼はいつしか周りにレベルが追い付かれて戦いについていけなくなり、タイトルの通りパーティーから追い出されてしまった。
そんな彼の追い出された後の人生を描くのが、今作だ。のんびりした日常や時折起きる事件、彼が抜けた後のパーティーの話などなど、読んでいて非常に飽きない作品なのだが、この物語の一番の推しポイントはヒロインとのいちゃラブシーンにあるのだ！ 公国の第２王女であり、冒険者としての実力も高く、そしてめちゃくちゃ可愛いヒロインは、とにかく主人公の事が好きで好きでたまらない。行動一つ一つが主人公への愛情であふれており、いつしか主人公からも、彼女への愛情をこれでもかと感じるようになる。もう読みながら布団の中で足をバタつかせてしまうこと、間違いなしの展開がこれでもかと見せつけられる。読むと「あー恋がしたい」と思わずつぶやいてしまう作品だ。
☆モブキャラ大活躍！ 読んでいるだけでストレス発散
『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』原作：三嶋与夢、漫画：潮里潤、キャラクター原案：孟達／出版社：KADOKAWA
ある日突然前世の記憶を思い出し、自分が今いる世界は「前世の自分が妹の命令で嫌々クリアした乙女ゲームの世界」であることに気付いた主人公・リオン。ただ、ヒロインでもヒーローでもない、ただのモブとして転生していた。そんなリオンが女尊男卑な世界をハチャメチャに引っ掻き回し、本来のヒロインや悪役令嬢、そして攻略対象のヒーロー達をも巻き込んで進んでいくドタバタ異世界転生物語が『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』なのだ。
見どころは、この主人公のある意味外道とも言える悪だくみの数々だろう。お金持ちイケメン達を相手に、気持ちいいくらい自己中心的に物を考え（その結果がどうなるかはまた別の話だが……）、行動する主人公を見ていると、なんだか細かいことがどうでもよくなってきてしまう。読んでいてストレス発散が出来る、ある種の爽快感を味わえるそんな異世界漫画だ。
☆一気読み推奨！ わがまま姫の改心日記
『ティアムーン帝国物語～断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー～』著：杜乃ミズ、餅月望、Gilse／出版社：TOブックス
わがままを繰り返してきた皇女ティアムーン。帝国が革命軍の手により崩壊し、今まさに彼女はギロチンによる処刑を受ける瞬間だった。「殺せ」と叫ぶ民衆の声の中、落とされる彼女の首……。次の瞬間、彼女はベッドの上にいた。
この作品は、処刑によって過去の10代の自分に転生し、人生をやり直すポンコツな皇女の物語だ。転生し目を覚ましたベッドの上には血だらけの日記帳。これぞまさしく処刑される間際まで自身が付けていた日記だった。彼女が行動を変えると、そこに書かれた未来が変わる。彼女は行動を変える事で、処刑される未来を変える事が出来るのか。ここまで書くと、燃えるタイムリープ物で、その緻密な伏線が作品のオススメポイントか！と思うかもしれないが、この作品はそんな展開にはならない。理由は一つ。皇女がポンコツすぎるから。彼女の計算した穴だらけの行動は、考えた通りに全くならない。しかし何故か上手く未来は変わっていく。『ちびまる子ちゃん』の天の声のような謎の吹き出しも良い味を出しており、悪戦苦闘する皇女の頑張りとポンコツさを温かい目で見ながら、幸せな気分になれるそんな作品になっている。読み始めると、猛烈に続きが気になるので一気読み推奨！
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アニメージュプラス編集部
