• GW特選! こどもの日に観たい大塚康生が描いた〈子供たち〉
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2021.05.05

GW特選! こどもの日に観たい大塚康生が描いた〈子供たち〉


『未来少年コナン』(1978年)
▲『未来少年コナン』Blu-ray BOX
宮崎駿監督、全26話のTVシリーズ。大塚さんは作画監督を担当。
昨年(2020年)5月にNHK総合で再放送され話題になったので、観た人も多いだろう。
最終戦争後の荒廃した地球を舞台に、少年・コナンの冒険を描く、何度観ても楽しめるこの作品。
コナンの胸躍る冒険や、ラナとの絆、個性的な仲間たちとのやりとりなど、見どころは多いが、ぜひ1度は「コナンの躍動」に注目しながら観てほしい。
自然児のコナンは、とにかく超人的な身体能力の持ち主。
野山を軽やかに駆け抜け、海の中に長い時間潜り続け、長距離をジャンプして、高所から飛び降りて無事着地して……と、とにかく人間離れしている。
だが、そうした現実にはありえないような動きを、ギャグでもSFでもなく「コナンはすごい!」と受け入れられる理由の一端は、その描写の確かさにある。
コナンの動きに対する予備動作、動作中の表情、リアクションなどが丁寧に作画されているので、動き全体に説得力が生まれているのだ。
そして、コナンの超人的な躍動は、この作品のテーマである「人間の生命力」とも直結した大事な要素だ。
ラナの名を呼びながら全力疾走するコナンの圧倒的に逞しい姿には、『未来少年コナン』という物語の魅力が凝縮されているといっていいだろう。

『じゃりン子チエ』(1981年)
▲劇場版『じゃりン子チエ』DVD
はるき悦巳の漫画を原作とした、高畑勲監督の劇場版(同じく高畑勲総監督のTVシリーズもある)。
大塚さんは小田部羊一と共同で作画監督を担当している。
仕事をしない父・テツの代わりに、大阪でホルモン屋を営む小学5年生のチエ。
働きもせずバクチに明け暮れるテツに振り回されながら、時にはテツのケツを叩き、個性的な常連客や近所の人たちと丁々発止のやりとりを繰り広げ、小学校に通いながら家業のホルモン屋を切り盛りする様子は、ホルスやコナンとはまた違った意味で、“逞しい!” のひとこと。
この劇場版では、そんなチエが別居中の母親に甘えたりする姿が観られるのもチャーミングだ。
「ウチは日本一不幸な少女や」が口癖のチエ。
そのバイタリティに溢れる毎日を観て、明日への活力を手に入れよう。

>>>紹介した作品のDVD/Blu-rayパッケージ(写真4点)

アニメージュプラス編集部

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