• 『大怪獣のあとしまつ』を観たらチェックしたい!変化球怪獣映画5選
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2022.02.14

『大怪獣のあとしまつ』を観たらチェックしたい!変化球怪獣映画5選

帯刀アラタ(山田涼介)も驚くトンデモ怪獣がまだまだ存在した? (C)2022「大怪獣のあとしまつ」製作委員会


日本の怪獣映画は1975年の『メカゴジラの逆襲』を最後に一度途絶えますが、ファンの熱烈な要望で1984年に『ゴジラ』が復活します。『ゴジラ』の公開は12月でしたが、実はこの1984年はアニメ、特撮にとって特別な年でした、3月に『風の谷のナウシカ』、8月に劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』が公開、さらに12月には『ゴーストバスターズ』(米・1984)、『グレムリン』(米・1984)も封切られ、『ゴジラ』も含め、その頭文字のインシャルをとって “3G決戦” とマスコミで呼ばれていました。
ゴジラはその後、『ゴジラVSビオランテ』(1989)で再度復活、平成ゴジラシリーズとして6作品が公開され、その後も作り続けられています。1995年には大映でガメラが復活、『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)を皮切りに “平成ガメラ3部作” が公開されています。

そういった流れの中で、1998年に吉本興業、丸紅、東急エージェンシーが共同製作した『大怪獣東京に現る』(配給は松竹)が公開されます。この映画、トカゲ型の巨大怪獣が東京に上陸、さらに飛行可能なカメ型怪獣が福岡に現われるという内容で、その事態に翻弄されていく人々をコメディタッチで描いた作品です。
この作品、何がすごいかというと、怪獣が現れたというニュースはあるのですが、怪獣の登場シーンや自衛隊の奮戦シーンなど、一切画面には映らない(つまり、特撮無し)という点。タイトルにも書いてあるのに、怪獣が出てこない。いまならネットで炎上間違いなしです。

ところで、怪獣映画はタイトルを見ただけで、怪獣映画だとわかる場合が多く、普通に観に行った映画で怪獣が出てくるとびっくりします。そうした映画は何本かありますが、1本挙げるとすれば人気テレビドラマの劇場版『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』(2003)です。
この映画では最後に海に廃棄されていたゴミが合体して巨大化したゴミンゴという怪獣が登場します。このくだりはあまりに突然すぎて、置いていかれそうになります。ちなみに、本作公開時、このゴミンゴと、当時39歳だった女優・薬師丸ひろ子がセーラー服を着て機関銃を撃つシーンのふたつは、配給元である東宝映画宣伝部の指示で、雑誌などでの映画紹介時に書いてはいけないことになっていました(大ネタだし)。

2008年に公開された米国映画『クローバーフィールド/HAKAISHA』は、ニューヨークを舞台に、謎の巨大生物から逃げ惑う人々を擬似ドキュメンタリー風に描いた異色作です。画面は登場人物のひとりが撮影したホームビデオ映像という体をとっているため、揺れも激しく、見づらいのが欠点でもあり、リアル感を助長していました。怪獣自体はほとんど画面ではよく見えませんが、最後に確認できます。
近年の変わり種怪獣映画といえば、短編映画『狭霧の國』(2020)。明治42年の九州の山村を舞台に少年と少女の出会いを描いた作品なのですが、登場する怪獣 “天乃狭霧(ネブラ)” は着ぐるみ(スーツ)で、登場人物はすべて人形。つまり画面に映るモノすべてが作り物なのです。ちなみにこの作品は脚本、撮影、美術、特殊美術、編集、人形製作を佐藤大介監督ひとりがこなしているという点も興味深い作品でした。

最後に、怪獣映画を含む特撮映画の面白さは、わたしたちが通常当たり前だと思っている日常世界が壊れていく瞬間にあると思います。空想の持つ力を楽しんでいただきたいです。それではまた。

>>>『大怪獣のあとしまつ』特撮の裏側がわかる貴重なメイキング写真を見る(写真5点)

(C)2022「大怪獣のあとしまつ」製作委員会

アニメージュプラス編集部

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