• 『AKIRA』を越える作品密度!大友克洋『スチームボーイ』の過激な挑戦
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2022.02.19

『AKIRA』を越える作品密度!大友克洋『スチームボーイ』の過激な挑戦

(C)2004, 2005 Katsuhiro Otomo - Mashroom/Steamboy Committee. All Rights Reserved.

2月20日(日)19時より、BS12トゥエルビ『日曜アニメ劇場』にて大友克洋監督作品『スチームボーイ』が放送される。本作は『AKIRA』(1988)以来15年ぶりとなる大友監督の長編劇場アニメーション第2作となる。

舞台は蒸気機関が産業を牽引するようになりつつある19世紀のイギリス。ある日、発明一家のスチム家に生まれた少年レイの元に、父エディと共に渡米中の祖父ロイドから謎の金属球が届けられる。そこにエディ・ロイドをアメリカに招聘したオハラ財団の使者と名乗る男たちが現れ、その金属球を奪おうとレイを追いかける。遂に捕まったレイは万国博覧会のパビリオンに閉じ込められるが、そこでエディと再会、金属球の正体は、超高圧縮された蒸気を超密度で封じ込めた新たなエネルギー=スチームボールであると説明される。そしてこの大発明を、オハラ財団は兵器に転用して世界中に売りさばこうと企んでいた。
科学の正しい力を信じるレイ、スチームボールを巡るエディとロイドの葛藤、レイに興味を抱く大富豪の令嬢スカーレット、そして事態に介入するイギリス軍……様々な思惑が交錯しながら、物語は怒涛のクライマックスへと突き進んでいく。

大友克洋は1973年に『漫画アクション増刊』掲載の『銃声』で漫画家デビュー。『ショート・ピース』『ハイウェイスター』『さよならにっぽん』などの短編集でコミックファンの衆目を集め、『気分はもう戦争』(原作:矢作俊彦)『童夢』で一気にブレイク。1982年から『ヤングマガジン』で連載をスタートした『AKIRA』(1982~1990)で、その評価を決定的なものとした。

一方で大友は、『幻魔大戦』(1983/りんたろう監督)のキャラクターデザインを担当したことをきっかけに、アニメーションの世界へと足を踏み入れる。オムニバス作品『迷宮物語』の『工事注意命令』(1987/監督・脚本・キャラクターデザイン)、OVA『ロボット・カーニバル』(1987/OP・EDの監督・脚本・絵コンテ)を経て、初の長編作品として自作『AKIRA』(1988)を劇場アニメーション化。第三次世界大戦から復興したネオ東京を舞台に、凄まじい超能力を秘めた少年アキラを巡って不良少年、軍、反政府グループらが激しい戦いを繰り広げるストーリー、またその独自の世界観、圧倒的なビジュアルは世界中で大きな熱狂を巻き起こし、今なお新たなファンを獲得し続ける名作となった。
そこからオムニバス作品『MEMORIES』(1995/製作総指揮・総監督/『大砲の街』監督・原作・脚本・キャラクター原案・美術)を挟み、遂に届けられた待望のオリジナル長編アニメ、それが本作『スチームボーイ』なのだ。

(C)2004, 2005 Katsuhiro Otomo - Mashroom/Steamboy Committee. All Rights Reserved.

アニメージュプラス編集部

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