保存されたミニチュア類にも注目だ。『大怪獣空中決戦』でギャオスに捕まえられた中央線車両、『レギオン襲来』で霞目飛行場に登場した自衛隊のヘリ、またキリンビールの看板が目立つすすきのビル、などなど、本編で印象的なプロップが展示されている。
『大怪獣空中決戦』の東京タワーに巣作りしたギャオス、『レギオン襲来』の炭化したガメラは、思った以上に小さいサイズで驚かされた。手間を惜しまず知恵を絞り、予算以上の効果を生み出そうとするスタッフの努力を改めて感じさせられた。
▲炭化したガメラのプロップ(左)。本編のイメージで見るとその小ささに驚かされる。
ラストを飾るのは、ビル街で対峙するガメラ対イリスの迫力のジオラマ(メイン写真)。観ていると、背後に気配を感じ、振り返ると等身大の小型レギオンのスーツが! モノアイの今にも襲いかかってくるような強烈な視線に改めて恐怖を感じる。
▲ソルジャーレギオンのスーツは迫力満点!
会場内には樋口真嗣特技監督の使用した台本やイメージボード、絵コンテも展示されている。特に絵コンテは怪獣の感情を擬音で表している点がユニークで面白く、本編を思い出しながら見るとさらに楽しめる。
また、出口付近には樋口氏が描いた三怪獣と戦うガメラのイラストが飾られており、こちらも要チェックだ。
▲絵コンテのバトルシーンも迫力満点!
今回の展覧会で見えてきたのは、「怪獣という存在」をどこまでリアルに追求できるかというスタッフのチャレンジ精神だった。怪獣を生き生きしたものに見せるために、どんな素材を用意し、どんな舞台を生み出し、どんな生態を描くのか――そこに腐心と努力を重ね続けた ”特撮のDNA“ を、ここで感じることができるはずだ。
>>>展示された平成ガメラ3部作の貴重な資料類、場面カットなどを見る(写真18点)(C)KADOKAWA NH/1995 (C)KADOKAWA NHFN/1996 (C)KADOKAWA TNHN/1999 (C)特撮のDNA製作委員会