──國神の演技について、監督や音響監督からはどのようなディレクションがありましたか?小野 ベースとして國神は堂々と振舞うスケール感のある男ということで、最初はガッと力を入れて演じるつもりでいたんです。でも強い人間って周りが勝手に覇気を感じ取るだけで、本人は別に気合いを入れてるわけじゃないんですよね。なので、演じるにあたって「もうちょっと抜いてもらっていいです」ということを言っていただきました。
──國神以外の、お気に入りキャラクターは誰ですか?小野 やっぱり潔世一ですね、声を担当してる浦和希も非常にエゴいですから(笑)。ぶっ飛んだ思考法や行動をしたりするヤバさをもちながら、ベースには葛藤や悩みをもった人間性がちゃんとあるキャラクターなんですよ。それらが共存するっていうところには潔の狂気を感じます。
──有力選手を全国から集めて “ブルーロック” に監禁し、最強のストライカーを育成するという絵心甚八コーチの強化方針についてはどう思われますか?小野 絵心の演説を見て「やられたな」って思いました。周りの状況がどうあろうと、迷いなく目の前にあるボールを蹴って点をとれる選手こそがストライカーなわけで、それが当然のように出来るイカれたエゴイストじゃないと、そのポジションにはたどり着けないっていうのはまさに真理だなって。小学校の時に先生から「点を取るやつはゴリゴリいけ」って言われてましたが、「そういうことか」と今になって分かった気がします。
出来ることなら高校生時代にまで戻って、絵心に “ブルーロック” でいろいろ教えてもらいたいくらいですよ。多分メッチャ僕、ここに向いていると思いますし(笑)
──サッカー経験者である小野さんの目から見ても、面白い観点で楽しめる作品なのですね。小野 読んでて「だからか!」って思うことがちょくちょくあるんですよ。僕は選手としてダッシュの初速は速いのに、途中で追い付かれることがよくあったんです。そうした選手毎のスプリント力の違いなんかも、この作品を読んでしっかりと理解することが出来たりして。サッカーをやってた頃を思い出しながら「あの時上手くいかなかったのは、こういうことだったのか!」と、今更ながら教えてもらえる作品です。
──今後さらに選手のふるい落としが苛烈になっていきます。小野さんとしては、國神にはどう成長していってほしいと思いますか?小野 やっぱり目標であり夢である、スーパーヒーローを目指してほしいですよね。ただそういった目標を目指しているつもりが、いつの間にかねじ曲がってしまうこともあったりするじゃないですか。國神にはいつも正々堂々と真っ直ぐに前進することで、自分の納得出来る結果を手に入れてもらいたい。僕はそう願うばかりです。
──最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。小野 「観てくれい!」としか言いようがないですね(笑)。随所にわたって高い映像のクオリティ、すさまじい熱意、そしてエゴを感じる作品になっています。僕もいち視聴者として皆さんと一緒に楽しみたいと思っていますので、今後の放送もぜひご期待ください。
小野友樹(おの・ゆうき)6月22日生まれ。フリー。「黒子のバスケ」(火神大我役)、「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」(東方仗助役)、「シュート!Goal to the Future」(風馬成役)、「あんさんぶるスターズ!」シリーズ(大神晃牙役)、「グランブルーファンタジー」(グラン/ランスロット役)ほか。
※小野友樹さんの読み仮名を誤って掲載しておりました。訂正してお詫びいたします。>>>『ブルーロック』を盛り上げる國神錬介の場面カット、小野友樹さんの写真を見る(写真14点)(C)金城宗幸・ノ村優介・講談社/「ブルーロック」製作委員会