――今回ご一緒にアフレコされたそうですが、現場で改めて相手の良いところを見つけたことなどありましたか?清水 何言ってるんですか! 磯村勇斗先輩は、いつだって良いにきまってるじゃないですか。
磯村 やめてください(笑)。でも楽しかったよね、最初から息が合っていて。カメ田とカエル川が一緒に歌を歌う場面も一発でOKだったよね。
清水 お互いにタイミングばっちりで。
磯村 (清水さんは)聴くことに長けている役者さんだと思います。相手の演技を受けて、セリフをすっと言える力があることを改めて感じました。
清水 磯村くん、僕より先に現場に入られていて、先にカエル川の単独の場面などを録られていたんですが、最初に声だけ聴いた時「え? 誰?」って。ブースを覗いたら磯村くんで「すげえ!」って驚きました。もう普段とまったく違う喋り方だし、アニメのアフレコも初めてだって聞いていたのに、もうこれはカエル川だ、としか思えなくて。あのちょっとした抜け感って、下手にやると寒くなるじゃないですか。それがなくてフワッとした、カエル川の良いテンションを見事に掴んでいて、さすがだなと。
磯村 その辺り、絶妙な感じなんですよね。やり過ぎちゃいけない六分くらいのニュアンスなんです、喋りながらオナラしている感じというか……。
清水 これ、ちゃんと書いて下さいね!(笑)
磯村 大丈夫ですよ、使ってください(笑)。あの緩さのバランスを掴むのは、結構時間かかりましたね。
――モリ・マサ監督の印象はいかがですか。清水 「真面目な変態」じゃないですか?(笑)
磯村 それ、わかるわ。そうだと思う。
清水 作品に対して凄く真摯に取り組まれていて、役に関してもすごく説明してくださるんですけれど、収録が始まると「ちょっと言葉、足してもいいですか?」って、くだらないセリフを付け加えてくるんですよ(笑)。
磯村 僕の時はラーメンを食べている場面で「ラーメンうめぇ~」って言う時に「もう1個(セリフ)欲しいんだよね、じゃあ『机うめぇ~』って言って」って(笑)。
清水 「狙いが読めねえ!」って、真剣に思いました。
――今回の作品では高校生を演じられていますが、自分の学生時代と重なる部分はあったりしたのでしょうか。磯村 カメ田とカエル川の二人のように、仲間内でしか共有できないノリで盛り上がったり、それを見た女子にバカにされて白けるみたいな状況はありましたね(笑)。
清水 それ、まったく一緒ですね。とはいえ、自分はあの頃ヘラヘラしていた感じで、カメ田みたいな陰キャではなかったんですよ。ただ、周りにはワニワシコンビみたいにYouTubeの真似事やったりするような奴はいましたね。
磯村 うんうん、いたいた!
――この世界の住人だったとしたら、どんな動物の骨格を持ちたいですか?磯村 あ~……それはどういう世界で生きるかで変わってきますね。のんびり生きるなら鹿とか山羊かもしれないけれど、アグレッシブに生きるなら熊がいいかな(笑)。どんな骨格になるのかわからないですけれど、それで腕相撲日本一になりたいですね。
清水 えー! 熊を超える動物、ある? 象くらいじゃないの?
磯村 でもこの映画に出てる象、そこまで強そうじゃないけれど(笑)。
清水 じゃあ鳥とか。自分の力で空を飛ぶのが、子供の頃からの夢なんですよ。
磯村 種類は何? もう映画にワシ崎出てるけど。
清水 カラス!
磯村 ええっ、いいの? ご飯、ゴミになっちゃうかもよ?
清水 僕なんてそのくらいで十分ですよ!(一同笑)
――ちなみに、お二人の好きなアニメ作品を教えていただけますか。清水 わー、その質問、来るんじゃないかと思ってたけど、決めてなかった!
――今思いついたので良いので(笑)。清水 じゃあ『STEINS;GATE』! 僕、伏線回収フェチなんですよ、物語のバラバラのピースがラストにピタッと収まると、もう本当に気持ちよくて。この作品も物語が緻密にできあがっていて、観ていてゾワゾワってしました。
磯村 僕は『魔法少女まどか☆マギカ』ですね。観た時、ビジュアルの可愛さとテーマの重さのギャップにやられちゃいました。あれは面白かったですね。
――最後に、今後もアニメのお仕事をやっていきたいと思われますか。清水 僕は本当にアニメが大好きで「アニメの登場人物になりたい!」といつも考えていたんですよ。それを現実として叶えるのは声優なので、この仕事を始めた時からどこかで挑戦したいと思っていたんですね。それが『映画大好きポンポさん』で1回叶って良い思い出になったなと思っていたら、今回もお声がけいただいて。
プロの声優さんがいらっしゃるので、自分から手を挙げるのはおこがましいですが、もしまた求められる機会があるのなら、自分もさらに努力して全力で取り組みたいですね。
磯村 僕は今回初めて声の仕事をやらせていただいたんですが、声優さんって本当にすごいと感じました。アニメーションに合わせて、しかも声だけに感情を載せて芝居をするのは難しかったです。監督からは「今回は俳優として臨んでほしい」と言われたので挑戦してみましたけれど……。
――アニメに「俳優」として参加する、というのは、一聴すると難しい注文ですよね。磯村 俳優と声優をどう区別するのか、というと声の表現の部分だとは思うんです。普段とは違うアプローチができたので良い経験にはなりましたが、声優さんへのリスペクトがますます高まったので今後はどうかな……モーションキャプチャーでキャラを演じて一緒に声を出す、みたいな仕事ならやってみたいかも(笑)。
清水 それ、良いですね! 僕も挑戦してみたい!
清水尋也さん/スタイリスト:Shohei Kashima(W) ヘアメイク:須賀元子
磯村勇斗さん/ヘアメイク:佐藤友勝 スタイリスト:笠井時夢
>>>見れば見るほどクセになる!?『カメの甲羅はあばら骨』&清水さん・磯村さんの写真を見る(写真16点)(C)2022カメの甲羅はあばら骨製作委員会(C)川崎悟司 / SBクリエイティブ