◆先輩も舌を巻いたカナタの変身シーン◆――『トリガー』から時間が経ったケンゴを演じるうえで、大切にしたことはありますか?寺坂 大きくは変えないようにしつつ、30代になったケンゴがどのくらい成長しているのかは意識して役作りをしました。『ウルトラヒーローズEXPO 2022 ニューイヤーフェスティバル』が終わってすぐ撮影だったので、ちょっと大人なケンゴを演じている感じがしました。
――実際、ケンゴからは『トリガー』の頃にはなかった貫禄が感じられました。寺坂 坂本(浩一)監督の演出の力もあってのことだと思います。第19話では激しいアクションシーンも撮影して、戦闘力が上がっていると感じました(笑)。『デッカー』ではカナタくんたちに何かを伝える場面が増えて、長いセリフが多くなったことも印象的でした。『トリガー』ではアキトが言っていた説明セリフを僕が担当するようになって苦戦しましたね。アキト、ありがたかったなぁ(しみじみ)。
――松本さんは『デッカー』の撮影前後で、ご自身の中で変化したと感じることは?松本 撮影を通じて、共演する皆さんといろいろな話ができるようになったと思います。主演として、周囲の方々が明るい気持ちでいられたら、少しでも現場を楽しんでいただけたらという思いで撮影に臨んでいたんです。それが、別の場所でも活かせていると感じています。
――ほかのGUTS-SELECTキャストの皆さんにお話を伺ったときは、「松本さんはカナタそのまま」だとおっしゃっていたので意外です。松本 そう言っていただけたことは、本当に嬉しいです。でも、実は人見知りで、今でも話しかけるときは少し緊張しています。
――演じるうちに性格がカナタへ寄っていったのかもしれませんね。松本 それはあると思います。
――最初に会ったときからお互いの印象で変わったことはありますか?寺坂 大輝くんは初めてお会いしたときから今まで、ずっと爽やかでカッコいいですよ! 緊張感はあったと思うんですが、常にしっかり、堂々としていた印象があります。
松本 ありがとうございます! 僕は寺坂さんのイメージというより、同じ現場で演技をするなかで、自分の芝居が変わっていった気がしました。そして撮影の準備中でも集中力を切らさずに、ケンゴとして現場にいつづけている寺坂さんの姿勢がとても勉強になりました。
寺坂 逆に僕も変身シーンの姿は見ていて憧れるというか、見習いたいなぁと感じました。変身シーンを演じるときは、勘のようなものが大事だと思っているんです。平野宏周さん(『ウルトラマンZ』ナツカワ ハルキ役)はそのセンスが抜群だったんですが、大輝くんも素晴らしくて。
松本 いやぁ、嬉しいです(照笑)。
――放送開始当初のインタビューで、撮影の前に変身ポーズの練習をされたとお話されていましたね。松本 そうでしたね。
寺坂 勘の良さが活かせるのも努力があってこそなので、そういう姿はメチャクチャ尊敬しています。先輩ですけど「カッコいいなぁ!」と思います。僕がやったときはカードが上手く入らなかったんです(苦笑)。
松本 それを見た坂本監督が「これはもうカナタにやらせたほうがいいんじゃない?」と冗談を仰っていて(笑)。
寺坂 大輝くんがやっているのを見て「うまっ!?」「早っ!」って驚きました(笑)。より「カナタくんみたいになりたいな」と思いましたね。