映画『鬼滅の刃』上弦の鬼との戦いで描かれる、胸を震わす兄妹愛

『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』では、昨年放送された『テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編』のクライマックスとなる第十話、第十一話を劇場初上映。そして、『テレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編』の第一話が、世界最速公開となる。

上弦の鬼との戦いで描かれる、胸を震わす兄妹愛。「遊郭編」ならではの涙を誘う家族の物語とは……

アニメ「鬼滅の刃」は、集英社ジャンプ コミックス1巻～23巻で累計発行部数1億5000万部を突破した吾峠呼世晴による漫画作品が原作。アニメーション制作はufotable。
家族を鬼に殺された少年・竈門炭治郎が、鬼になった妹の禰豆子※を人間に戻すため、《鬼殺隊》へ入隊することから始まる本作は、2019年4月より『テレビアニメ「鬼滅の刃」竈門炭治郎 立志編』の放送を開始、2020年10月には『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を公開。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、幅広い世代に人気を呼び、多くの人に愛される作品となった。そして2021年から2022年にかけて、『テレビアニメ「鬼滅の刃」 無限列車編』『テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編』を放送・配信。「遊郭編」を終え熱冷めやらぬ中、「遊郭編」から「刀鍛冶の里編」へと繋がる新たな挑戦として、『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』が2023年2月3日（金）より公開される。

鬼滅の刃は今までも登場人物の親子、夫婦、兄弟、師弟関係などさまざまな「家族」についてスポットをあててきた。その中でも特に目を引くのが兄弟（姉妹）愛ではないだろうか。炭治郎と禰豆子※、煉獄杏寿郎※と千寿郎、胡蝶しのぶとカナエなどすでに多くの兄弟愛が描かれてきた。それぞれが悲しい過去を抱えており、遊郭編で登場する上弦の陸である堕姫・妓夫太郎もまた悲しい過去をかかえた兄妹なのだ。劇中でもフォーカスされているそんな“兄妹愛”について今回注目してみたい。

●劇中初の兄妹鬼との闘い　
新たな任務として夜に輝く街・遊郭に潜入した炭治郎たちに立ちはだかる堕姫は、鬼舞辻無惨の直属の配下である「十二鬼月」の中でも上弦の陸に位置する鬼だ。堕姫は遊郭で評判の花魁として働きながら、美しい女を攫っては喰らっていた。炭治郎は鬼殺隊の音柱である宇髄天元らとともにこの花魁が別の花魁を襲っているところを見つけだし、堕姫は鬼としての姿を現し戦闘へと発展する。しかしそこへ堕姫の兄である妓夫太郎も現れ、かつてない兄妹の鬼たちを相手に立ち向かうことになるのだ。

●鬼の兄妹 その悲しい生い立ち
上弦の陸である堕姫･妓夫太郎はもともと人間として遊郭の最下層で生まれ育った実の兄妹。妓夫太郎は遊郭の中でも最も劣悪な環境で生まれ、そのあまりにも貧困な生活でネズミや虫などを食べてしのいでいた。美しいものが優遇される遊郭の中で、姿や声も醜く生まれてしまった妓夫太郎は周りの人々、さらには母親からもひどい仕打ちをうけていた。そんな生活の中で妹の堕姫が生まれた。堕姫は、もともと「梅」という名があり、亡くなった母の病名から名付けられたものだった。しかし人間のころのその名とは相反し、梅は絶世の美しい容姿をもっており妓夫太郎にとっては自慢の妹であった。しかし、ある日梅がお客の目玉をかんざしでついたことで、その報復として丸焦げにされてしまう。それを見て怒り狂う妓夫太郎もまた、背後から斬りつけられ、瀕死の状態におちいる。そんな時に出くわした鬼によって2人は血を分け与えられ、鬼として生まれ変わり生き永らえることができた。2人は同時に首を切り落とさなければ倒すことが不可能であり、その兄妹だからこその深い絆が強さにも繋がっているのだ。

●唯一生き残った妹を守り抜く　兄・炭治郎の強さと優しさ
一方炭治郎は無惨によって家族を皆殺しにされ、唯一生き残ったものの鬼にされてしまった禰豆子※を人間に戻すため鬼殺隊に入隊。禰豆子※はその凶暴性が表れた場面もあったが、炭治郎はそれを優しく包み込んだ。どんなことがあっても妹には戦わずに安心して生きていけるようになってほしい。そんな想いから禰豆子※が戦わずに済むように自らの技を鍛錬し、仲間とともにそれを打ち倒してきた。そして遊郭編でも炭治郎は堕姫と妓夫太郎との闘いの中で、自らを重ね合わせてしまう場面もある。もし境遇が今までと少し違っていれば、自分自身がそうなっていたかもしれない。炭治郎が絶望の淵に立たされた際に出会ったのが冨岡義勇であったように、もし堕姫と妓夫太郎に手を差し伸べたのが鬼ではなく、人間であったらと。そんな悲しい過去を持った鬼の兄妹を相手に、炭治郎・禰豆子※は一体どう立ち向かっていくのだろうか。

そんな人間と鬼、それぞれの兄妹愛の戦いが描かれる『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』が2月3日（金）についに公開される。劇場で壮大なスケールで描かれるドラマチックな展開により、観客の涙を誘うクライマックスが待ちかまえる本作。この結末をぜひ劇場のスクリーンで見届けてほしい。

※禰豆子の「禰」は「ネ＋爾」が正しい表記。
※煉獄杏寿郎の「煉」は「火＋東」が正しい表記。