• 『スプリガン』原作者・たかしげ宙、皆川亮二によるSP対談インタビュー!
  • 『スプリガン』原作者・たかしげ宙、皆川亮二によるSP対談インタビュー!
2023.04.29

『スプリガン』原作者・たかしげ宙、皆川亮二によるSP対談インタビュー!

(C)2021 たかしげ宙、皆川亮二・小学館/スプリガン Project


――とくに思い入れのあるキャラクターっていうと誰になりますか?

たかしげ:当時の会話ですけど、「帰らずの森篇」で暁巌というキャラクターを出したんですけど、あれは意外と適当だったんですよ、こっちとしては。こういうタイプのこういう位置づけのキャラクターがいないと成り立たないよなっていうことで入れたんだけど、上がってきた原稿を見たらいいキャラクターになっていて。

皆川:キャラクターって物語の中でどんどん育っていっちゃうんです。そういう意味では僕は染井芳乃とかは大好きでした。唯一いつも出ている女の子として、描いていて楽しかったですね。

――芳乃も暁も、本当に最後の最後まで重要な役回りを担うキャラクターになりましたよね。

皆川:なんだかんだそうなっちゃいましたよね。そこで消えると思っていたら、思いのほか最後まで残っちゃった。

たかしげ:いいキャラだったのでまた出したっていうのもあるんですよ。

皆川:ボー・ブランシェなんて、絶対に使い捨てキャラだと思っていたのに、描いてみたら思いのほか面白かった(笑) 漫画ってそうやってできていくんですよ。逆に御神苗優がいちばん描きにくかったですね。描けば描くほどサブキャラが育っていっちゃって、思い入れも強くなっていくので、だんだん御神苗が蔑ろになっていってしまう。「どうするかな」と思って十字架みたいなものを背負わせたりするんだけど、そういうことをやっていると御神苗というキャラがどんどん暗くなっていっちゃって。そこは難しかったですね。

たかしげ:でも逆に、周りが極端だから真ん中にいりゃいいやって作り方をしてたところもあって。他の漫画でもよくあるけど、サブキャラの方が個性的だから主人公がキャラ多角形フレームの真ん中にいるっていう。そういう作り方をしていたつもりです。

――そこから時を経て今回アニメシリーズ化されたわけですが、その前1998年には劇場版『スプリガン』が公開されました。あの作品に対してはおふたりはどんな印象を持っていましたか?

たかしげ:いや、あれは「すごい」以外に何がある!? っていう話なので(笑)

皆川:ただ、最後に打ち合わせをしてからだいぶ時間が経ってからの公開だったので、忘れた頃にできあがったっていう感じだったんですよ。

たかしげ:だから当時から「これはきっとドッキリカメラで騙されているに違いない!」って言っていたんですよ(笑)

皆川:できましたって言われてびっくりして、実際に観てさらにびっくりして。

たかしげ:そこからまただいぶ時間が経って今回のアニメ化だったので、それもびっくりしました。でも今回のアニメはあの劇場版とはまったく違うところに重点を置いているので、また違う面白さがありますよね。

皆川:僕も今回のアニメはずっと観ていましたね。

たかしげ:毎日2周するくらい観ましたから(笑)

――今回のアニメシリーズは原作のエンタテインメントとしての盛り上がり方やテンポ感、スピード感みたいなものがよく表現されている感じがしました。

たかしげ:これ、友達や作家さんみんなから言われるんですけど、内容的には原作から結構変わっている部分があるのに、観終わった後の感覚が漫画の読後感とかと変わらないって。それがすごいって言ってもらえますね。

皆川:ノリとか間の取り方がまさに一緒なんですよね。だから、よっぽど『スプリガン』を読んでくれている人が作ったんだろうなって。たぶん僕らよりも『スプリガン』に詳しいと思う(笑)

――確かにめちゃくちゃ好きな人が作った感じがしますよね。

皆川:レイアウトから何から、観ていて「こうすればよかった」って後悔する場面もありましたから。本当にすばらしいなと。

たかしげ:そういう意味では脚本家の方も好きでいてくれたらしいし、絵を描いているみなさんも結構好きな人が集まってくれたらしいので。SNSとかで「やりたい」って手を挙げていた方も何人かいらっしゃいましたからね。

皆川:だから「ありがとう」という感じですよね。僕の中では『スプリガン』って、確かに自分で作った子供なんですけど、もうとっくに大人になって結婚して独り立ちしたような感じなんですよ。その子どもが国民栄誉賞をもらったみたいな感覚がありますね。「おめでとう!」みたいな(笑)

>>>TV放送決定記念ビジュアルや場面カットを見る(写真10点)

Interviewer:小川智宏
(C)2021 たかしげ宙、皆川亮二・小学館/スプリガン Project

アニメージュプラス編集部

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